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2009年2月

2009年2月19日 (木)

過去の栄光

 また、マスコミの小泉礼賛が始まった。

 東京からロシアに舞台を変えつつ、郵政民営化路線の見直しや定額給付金を強行しようとする麻生政権を批判する小泉氏を“小泉アンコール劇場”、“小泉の乱”などと持ち上げて騒ぎ立てている。

 2月16日に出された平成20年10-12月期のGDP速報値が、年率▲12.7%という衝撃的な現状を省みようともせず、マスコミの相変わらずの政局好きの姿勢には呆れるばかりだ。

 

 経済がメルトダウンする危機が具体化している現状を考えると、今すぐにやるべきことは、大規模かつ長期にわたる財政出動により、雇用や収入に対する安心感を家計や企業に与えることだろう。

 郵政民営化なんかは、はっきり言って、殆どプラス効果など期待できない政策で、職員から公務員(公社)という安心感を奪い、利用者たる国民からは安価で全国津々浦々にまで行き届いた利便性を奪うなど明らかにデメリットばかりの失敗作だ。今後、融資業務の拡大を図るなどということになれば、新銀行東京の二の舞になることは目に見えている。

 なのに、郵政民営化を否定されたことにプライドを傷つけられたパフォーマンス議員の文句を必要以上に煽り立てるとは何事か。調子に乗った取り巻きのチルドレン議員達が、これを機会に会合を開き、政権批判を行なって気勢を上げている。特に、山本議員や塩崎議員など、さんざん構造改革だと叫んできたのに、先ごろ話題なった政府紙幣の発行に興味を示して宗旨替えでもしたかと思えば、マスコミが小泉氏を持ち上げ始めると直ぐにこれに同調して、何とかTVに映ろうと必死の様子だ。だいたい、国会議員という、いわば地位を極めたいい大人が、○○チルドレンなどと呼ばれていい気になっているが、自民党の議員のレベルも落ちたものである。

 そもそも、かのパフォーマンス議員は何の用があってロシアに行っていたのか。次回選挙に出馬せず、ブラブラしている息子に議員を世襲することを明言しているロートル議員が、高い税金を使ってロシアにまで何をしに行ったのかと思えば、「今の自民党の議席がどういう過程で得られたか理解していないのではないかと危惧(きぐ)している」などと勘違いしたことを言っている。

 しかし、彼の自慢する衆議院選挙は、もう3年以上も前の話であり、当時マスコミの大宣伝によって騙された多くの愚か者も、昨今の急激な景気悪化(本当はバブル崩壊以降ずっと景気は悪化しているが…)によってようやく目を覚ましたのか、パフォーマンス氏が首相だった頃に推し進めた新自由主義路線が否定されていることに何の反省もないようだ。前回の衆議院選挙後に行われた参議院選挙で自民党が大負けしたことを忘れていないか。

 これは、第二次世界大戦で完膚なきまでに叩きのめされたことをすっかり忘れた振りをして、日清戦争や日露戦争で勝ったことを恩着せがましく自慢しているのと同じことだ。

2009年2月16日 (月)

奇妙なタイミング

 中川財務大臣の酩酊(?)会見が話題になっている。

 TVや新聞が騒ぐ前の会見の様子(第一報)を早朝のニュースでたまたま見かけたが、明らかに呂律が廻っておらず、奇妙な感じであった。

 帰国した本人の弁では、前日の飲酒+風邪薬の飲みすぎとの釈明だが、殆どの人が信じようとはしないだろう。

 ネット上でも①深酒説②寝不足説③病気説が飛び交っている。

 ①の深酒説については、会見が行われたのはG7の会議終了後とのことで、おそらく夕方に近い午後の時間であろうことから、そんな時間があったのか?レセプションの席上で酒が出されたとのことだが、こういった席には慣れているだろうからまさか飲みすぎるということもなかろうが・・・。(とはいっても、本人の経歴からこれが最も信憑性がありそうだが・・・)

 ②の寝不足説についても、いくつも閣僚ポストを歴任し、何度もこういった渡航歴のある人だから、いまさら時差ぼけです なんてこともあるまい。

 ③の病気説だが、帰国した様子はかなり元気そうであり、これもありそうにない。

 こんな具合に、真相は知る由もないが、原因云々ではなく次のような疑問が残る。

 

 まず、「今まで見た中で一番ひどかった」などとのんきに話している財務省の“同行筋”が、なぜ会見に代理を立てなかったのかということだ。もし酩酊状態であったなら、明らかに様子がおかしかっただろうに、そのまま会見させるとは、日頃から必要以上に用心深い財務官僚とは思えない御粗末さだ。

 次に、同行した記者は、なぜ会見場で大臣本人にただならぬ様子について問いかけなかったのか。また、会見終了後にインタビューするなどして真相を質さなかったのか。のんびりと一日以上かけて本人が帰国するのを待っているとは、高い旅費を使っている同行記者として腑抜けとしか言いようがない。

 最後に、このおかしな記者会見のタイミングである。

 先日の小泉元首相の勘違い発言に対するマスコミの異様な盛り上がりよう、今回の酩酊会見への批判、更に麻生内閣に対する支持率低下報道(ずい分まめに支持率調査をやっている)など構造改革派+財務省の巻き返しかと疑ってしまう。

 酩酊会見で恥をさらした大臣に同情する余地はないが、経済をメルトダウンさせ世の中を改悪しておきながら相変わらず反省の色が見えない構造改革派(財政再建教の信者)の復活につながらないことを祈りたい。

2009年2月 6日 (金)

どちらが劇薬か

 ここ一週間ほど政府紙幣が話題になっている。

 与党内で政府紙幣導入を目指す議員連盟が立ち上がったり、一部の幹部から導入に前向きな発言があったことにより急激にTVや新聞で採り上げられ始めた。

 私は、政府紙幣が、バブル崩壊以降の長期にわたる不況脱出に極めて有効だと思っており導入に賛成なのだが、これまで長らく無視され続けてきた政府紙幣が急に話題になっていることに少なからず驚いている。

 しかし、やはりと言うか、いまのところ、まだキワモノ扱いの域を出ておらず、賛成派として画面に登場するのも、与党の一部の連中のほかは東洋大学の高橋教授のみ。もっと広範囲に、例えば、国内で古くから政府紙幣導入を唱えてきた元大阪学院大の丹羽氏やスティグリッツ、バーナンキなどに意見を求めてみれば、下記のような幼稚な誤解も溶けるのでは・・・。

 その誤解や批判とはだいたい次のようなもの。

 (→以下はそれらへの反論)

(1)日銀券と政府紙幣が混在し混乱をもたらす。

→政府紙幣(貨幣)は既存の硬貨のことであり日銀券と同じ「円」として全く問題なく流通している。丹羽氏も指摘しているように、政府が紙幣の発行権を日銀に与え、日銀が日銀券(紙幣)を発行すればよいだけの話で、世の中に新たな紙幣を流通させる必要なんかない。そもそも、政府が企業や国民にお金を支払う場合(公共事業や年金の支払など)には、窓口で現金を渡すことなどあるはずがなく、ほぼ100%銀行振り込みになるはずで、企業や国民の預金通帳にその分の「円」が加算されるだけのことである。

(2)円の信認が没落する。(ジンバブエ並になる)

→普通に考えれば通貨の信認=国家の信認となるはずで、国家の信認とは、国民の勤勉さ・技術力・生産力やサービス提供力・社会的インフラ整備の完成度・法整備やそれを遵守する規範性・治安水準などに裏打ちされるものと考えられ、日本は(いまのところは)そのいずれも世界でトップレベルの水準を維持している。

昨今の円高に大騒ぎするくせに、円の信認低下(=円安)を忌避しようとする矛盾に気付かないのか。

国内には生産設備や労働力が相当量の余剰状態になっており、政府紙幣による景気刺激(=需要創造)は明らかにプラス効果に働く。内需が拡大して国内の生産活動が活性化し、収益機会や投資機会も増える。そうなれば海外からの投資が増えて円高バイアスが掛かるため、そう極端な円安には振れないだろう。

また、日銀の財務悪化を懸念する声もあるが、日銀はどうみても政府の一機関であり、極度のインフレへの対応策として形式上の独立性が与えられているだけだ。日本という国自体が大きな経済危機に直面している時に、日銀という一機関の健全性云々という話にどれだけの意味があるのか。くどくなるが、「通貨の発行元」の財務云々を言うこと自体がおかしなことである。

(3)悪貨が良貨を駆逐する

→いまだにこんなことを言うものがいることに呆れ返る。

悪貨など何時の時代の話なのか。貴金属を貨幣に使用していた時代で金の含有量の多寡があった時代ならともかく、電子決済が当たり前になり、通貨や紙幣の使用頻度が少なくなっている現代では、悪貨も良貨もない。

ただ、「円」という通貨単位があるのみで、日銀券であろうが政府紙幣であろうが「円」に変わりない。日銀券>政府紙幣(貨幣=硬貨)なんて考える人がいるのか。そういう人は、500円玉×2枚では、1,000円札×1枚と両替できないとでも言うのだろうか?

(4)インフレ(ハイパーインフレ)になる

→デフレで苦しんでいるのに、一体何を言っているのか。マイルドなインフレ(一ケタ台のインフレ状態)なくして景気の回復や所得の上昇はありえないのに。物とお金のバランスが多少崩れてからといって、すぐにインフレだと騒ぐのは幼稚な発想だ。

前述のように、国内には大量の生産力や労働力が余っている(よって不況になる)。大手製造メーカーの生産ライン休止や失業者の大量発生など枚挙に暇がない。景気を回復させるとは、こういった状況を正常化させることであり、構造改革や規制撤廃などとくだらない念仏を唱えることではない。

多くの人が誤解しているが、技術力が劣ったり、いい物がないことが不景気の原因なのではなく、技術や物は溢れ返っているのに買い手がいないことこそが不景気の元凶なのだ。

よく耳にする「内需拡大」とは、まさにこの買い手を登場させることであり、それには買い手(国民や企業)の財布や預金口座に十分なお金が入っていること、将来にわたって継続的に収入が増えていくという予測が立てられることが必要になる。それを政府紙幣を活用して実現させようというのがそもそもの趣旨なのだ。

反射神経で、政府紙幣=インフレ(ハイパーインフレ)と考えてしまう人は、家電量販店やショッピングセンターに行ってみてはどうか。店内に溢れ返る商品を見て、これらを一斉に数十~数百%も値上がりさせることが可能かどうか想像してみてはいかがか。

ましてやハイパーインフレ(月率50%以上の物価上昇)など、戦時下で生産設備がボロボロの状態で働き手が殆どいないといった極めて特殊な状態でしか起こりえない。

(5)財政規律が崩壊する(法律で禁じられる日銀の国債直接引受と同じ)

→このまま有効なリフレ政策を実行せず、不況から脱出できなければ間違いなく財政そのものが破綻する。そうなれば規律云々どころの話では済まない。そうならないように経済を活性化させることこそが大事な点であり、国民の生活と財政規律のいずれが重要なのかを考えるべき。大体、毎年30~40兆円もの財政赤字を出している状態で、財政規律などと聞いて呆れる。

日銀の国債直接引受と同じではということに関して、量的緩和政策で日銀が金融機関経由で国債を大量に買い取っている実態と何が違うのか。国債を日銀がファイナンスすることにいまさら抵抗感を覚える方が以上であり、日銀法を改正すれば済む話である。

(6)政治家の介入を許す。

→今も昔も政治家がこういった話に介入をしなかったためしはなく、いまさらこんなことを気にする必要はない。別に政治家が介入しようが一向に構わない。大切なのは、こういった大規模なリフレ政策によって、国民全体に広く利益をもたらすことであり、政治家云々の問題は、そこに違法性があれば個別に処理するだけのことである。

(7)そもそもそんなうまい話があるわけない。これは劇薬もしくはマリファナのようなもの。

→これがマリファナなら、デフレ下の消費税増税や構造改革への執着は間違いなく死をもたらす青酸カリだと言える。

日本人の多くは、呆れるほど勤勉であり、政府紙幣を発行したからといって怠けて働かないということはないだろう。失業者や非正規社員、就活中の学生など弱い立場の人ほど労働への強い意欲を持っている様子をみても十分にわかる。

こういった人々にろくな仕事を与えず、まともな給料も支払わない状態を放置することこそが劇薬であり麻薬・毒薬の類ではないか。


 高度に生産力が発達した現在は、常に需要創造との戦いを強いられる。これが、これまでの不況との違いなのだ。

 戦後の焼け野原から立ち上がった、オイルショックを乗り切った、ニクソンショックによる変動相場に適応した、円高不況を克服したなどの過去の成功体験とは違い、自分が頑張れば(サプライサイドの改善)何とかなるというものではなく、他人も頑張ってもらわなければ(ディマンドサイドの改善)ならないというかなりやっかいな状態にある。ここでは、景気は循環せず、よって耐えていても何も解決しない。天災のようにじっと我慢していれば通り過ぎてくれる性格のものではなく、あくまで人災であるため自分で何とかしない限りは良くならない。つまり、積極的に需要を創造して、常に供給とのバランスを維持する(供給に報いる)努力が必要なのだ。

 昨年の世界同時不況でアメリカの消費力が低下した今、それに変わって需要をリードする国が必要であり、日本が内需を拡大して需要力を高めること(=輸入増加)は国際的な利益にも沿う。

 マイルドなインフレ状態を長期間継続させて国民の所得増加につなげることが重要だが、企業の売上増加=労働者(国民)の所得増加につながる仕掛けが欠かせない。適切な労働分配率を実現・維持するためにも、分配率の低い企業や製造拠点を過度に海外に移転する企業の法人税を罰則的に引き上げることや交際費を大幅に認めることなど税制面での配慮も検討すべきである。

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