無料ブログはココログ

リンク集

« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »

2009年3月

2009年3月29日 (日)

ウィンブルドン現象

 熱狂の内に幕を閉じたWBCは日本の2連覇という最高に結果に終わった。 決勝に進んだのが日本と韓国という事実から、野球にとって何が大切かということがよく判る。野球の基本は、先ずディフェンスがしっかりしていること、攻撃においては前後のつながりや連携が重要になる。単にずらりと4番バッターを並べただけでは、長嶋監督時代の巨人と同様に打線は機能しない。どんな強打者でも所詮は3割程度の打率に過ぎず、単純にヒッティングさせるだけでは打線はつながらないため、いかに四球を選択できるか、バントや進塁打を打てるかが重要になる。バントや進塁打という点では日本もミスが多かったが、相手チームの守備のミスや投手陣の踏ん張りで勝ち上がったという印象だ。監督の采配については、1・4番打者と7・8番打者あたりの人選や控え選手の起用法などに首をかしげる点が多かった。特に、相変わらず“中心選手と心中だ”的な起用法は改めるべきだろう。長いシーズンであれば、そういったやり方も是となるケースもあるが、日本シリーズやオリンピック、WBCのような短期決戦では、調子のよい選手を見極めて積極的に起用することに躊躇してはいけない。

 今回のWBCで目に付いたのは、野球の母国を自任するアメリカをはじめ、メジャーリーガーを多数要する中南米諸国の凋落ぶりだ。

 何だかんだと理由をつけて日本、韓国、キューバなどの強国との対戦を避けるような奇妙なトーナメント形式を採用した挙句に、準決勝では日本と韓国にあっさりと退けられてしまった。アメリカや中南米の野球は、一言でいうと大味で、向かってくる球をひたすらヒットする単純な攻撃では、ディフェンスの強い相手に一旦リードされると、とたんに空回りしてしまう。

 アメリカの敗戦について、スター選手が出場を辞退した、シーズン前で本気を出してなかった、チームの連携が取れてなかったなど言い訳がましい理由が並べられているが、自らWBCを主催し、勝ち上がりやすい組み合わせにしておきながら、見苦しい言い訳をしてほしくない。アメリカの国民も西海岸で行なわれたWBCに興味を示さなかったなどと報じられているが、見たくもない現実に目を背けるための予防線だろう。

 テニス界において最高の舞台であるウィンブルドンにおいて、長らく地元イギリスの選手が活躍できていないことを揶揄して“ウィンブルドン現象”と言われるが、野球においてもこれと同じことが起きていないか。

 野球やバスケットをはじめとするアメリカのメジャースポーツやヨーロッパのプロサッカーなど、金にあかして他国から優秀な選手をかき集めることは以前から行なわれていたが、近年それが加速しすぎているように思える。長期的な視野に立った自国選手の育成など悠長なことはやってられない、とにかくよい選手や旬な選手を集めればよいといったいい加減な運営がよしとされる風潮だ。これでは、アメリカのメジャースポーツ界やヨーロッパのプロサッカー界は、単なる場所貸しにすぎなくなる。嘗てのそごうと同じだ。

 多額の資金を背景に場所貸しをしてよい選手を集めて華麗なプレーに熱狂している裏で自国の選手の育成を怠り、出場のチャンスすら与えない。そんな状態を長く続けて、ある日突然開催された国際大会で自国の凋落振りを思い知らされる。今回のWBCにおけるアメリカの立場はこんなところではないか。まさにウィンブルドン現象がアメリカの野球界で起こっているように思われる。

 我が国でも市場原理を賛美して国内の工場をどんどん海外に移転させる一方で、公共事業を始め国内投資を削り続けておきながら、内需が盛り上がらないなどと嘆いている。また、国内に豊富な資金を抱えているのに、やたらと外資を導入したがる日本にも同じことが危惧される。

2009年3月 3日 (火)

本当は大好き「公務員」

 麻生降ろしや中川元大臣の酩酊会見問題などでゴタゴタしているせいか、我が国では一向に経済対策が進んでいないようだ。

 一方でアメリカでは、選挙で大負けした共和党に足を引っ張られながらも、オバマ大統領やバーナンキFRB議長が次々と対策を打ち出しており、大きく後れを取っている印象を受ける。大手銀行のシティバンクの国有化や公共事業の大規模な実施、企業会計の見直しの検討など聖域を設けずに迅速に検討し始めるあたりは、スピード感や課題の捉え方の的確さの違いを感じる。

 

 振り返って、日本では、経済危機を叫ぶ声が高まってはいるものの、定額給付金や中小企業の資金繰り対策以外に何も具体的化していない。出てくる意見も相変わらず投資減税や株式買取機構の設置など大企業寄りの対策ばかりで、挙句の果てには、マイナス金利の導入を提唱する者まで出てくる始末。

 日経新聞が大好きな“投資減税”だが、これは経済の回復期以降にこそ効果を発揮するもので、現状のような需要の大幅な低迷期には役立たない。投資減税は、投資意欲の喚起や研究開発型企業の支援というイメージがあり、一見クリーンに見えるが、大した効果はない。

 企業が設備投資(工場増設、生産ライン強化、車両入替え、システム更新など)に前向きになる大きな動機として、投資に対する売上のリターンへの期待が将来にわたって具体化する状況が必要だ。自動車産業の生産台数が、前年同期比で30%以上も大きく落ち込んでいる状況で、多少の減税をエサにしても投資意欲など起こるはずがない。企業の決算書、特に損益計算書(P/L)で考えると、投資減税など減税の規模は、売上比で多くても1%にも満たないものが殆どと思われ、いかに小さなものであるのかがよく判る。

 P/Lをよく見ると、企業経営にとって売上スケールの維持向上が何よりも重要であることが判る。売上規模を維持できないと、原材料(仕入れ)コスト削減→下請け業者の売上減、人件費削減→給与の削減、交際費削減→消費低迷等々世の中に負の連鎖が広がり、多くの企業が々ことをすると不況を招く。

 いま必要なのは、企業の売上や国民の所得を伸長させる政策であり、そのためには大規模かつ長期にわたる財政出動+金融政策によって実体経済に資金を行き渡らせることだ。

 内需拡大を叫ぶ声は方々で聞かれるが、内需とは、まさに国内(企業+国民)の消費であり、消費をするには収入が十分に確保されていることが大前提になる。まずは、国民や企業の財布にお金を入れてあげるように具体的な政策に取り組むべきで、公共事業(ハード+ソフト)や公務員の増員などをタブー視してはならない。日銀による国債引受、政府紙幣、埋蔵金など財源はある。

 特に、公務員の増員は、スピード感のある雇用対策であり、国民のニーズ(=本音)にもマッチした選択だと考える。実際に、ランドセルの素材メーカーの㈱クラレが購入者向けに行なったアンケートでは、親が子どもに就かせたい職業として、平成4年の調査以来、「公務員」という回答が不動のトップとのこと。(http://www.kuraray.co.jp/enquete/occupation/

 口では公務員の批判ばかりしているが、意外と本音はこんなものだ。

« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »

最近のトラックバック

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30