無料ブログはココログ

リンク集

« 2009年11月 | トップページ | 2010年1月 »

2009年12月

2009年12月 8日 (火)

成長を邪魔するアントワネットたち

 今年度の2次補正予算案の積上げ額を巡り亀井金融相と菅副総理が火花を散らした。(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091208-00000659-yom-pol)民主党案の7.2兆円からの上積みを主張する亀井氏に菅氏が反発したというものだが、長引くデフレ不況に苦しむ日本への処方箋としては、明らかに亀井氏の主張が正しい。菅氏は、工夫や知恵でデフレ克服をと主張しているようだが、真水のマネーを実体経済に投じない限り、絶対にデフレから脱出できない。工夫や知恵に頼るのは、干ばつのときに雨乞いするのと同じレベルだ。

 デフレからの脱出には大規模かつ長期間のリフレ政策(財政政策+金融政策)が必要だが、これまでは、まともな(積極的な)財政政策は行われず、金融政策のみがダラダラと行われてきた。これは、凍える人を前にして、燃料ばかりを積み上げて肝心の火を点火しようとしないのと同じことだ。

 デフレ脱却策といえば、いまだに“規制緩和”や“法人税減額(たいがいは消費税増税とセットで語られる)”を上げる能無しがいる。しかし、これまでに、低金利、円安誘導、雇用法制緩和、法人税減税、開発投資減税など多くの補助を受けてきたにもかかわらず、まともな法人税を納めることもせず(7割の企業が赤字)、雇用もほったらかしにしてきた企業にこれ以上の減税をするなどもってのほかであろう。

 また、バカのひとつ覚えで念仏のように唱えられる規制緩和だが、いったいどの分野のどの規制をどの程度緩和しろと言うのだろうか。たしかに、古い時代の法律や政令などに基づく規制も数多くあり、これらを緩和すれば製品の改良が進むであろうことは否定しない。ただし、これはあくまで供給サイドの進展に過ぎない。ここで多少改良された製品が世に出たとしても、それを買う余力がなければ何の効果ももたらさない。ただ、在庫やゴミが増えるだけだ。規制緩和をどうしてもやりたいのなら、それを担保する需要の創出(国民の収入の確保)が欠かせない。つまり、構造改革主義者の大好きな“出口戦略”が必要だということだ。

 この規制緩和と法人税が大好きな連中は、えてして困難に直面している人々に冷たい。公共事業が減って困っていると言えば、いつまでも政府に頼るな、衰退産業から脱皮して成長産業に移行せよと言い、就職難や失業で困っていると言えば、贅沢を言うな、最低限食っていける職など探せばいくらでもあるとこもなげに言う。だが、これをまともにやっていては、到底日本はもたない。純輸出を除く民間消費や政府支出がGDPの9割以上を占める内需依存国の日本では、企業の売上げや国民の収入が増えなければまともな成長はできない。まともな利益の上がる事業や家族が十分に食べていける収入をもたらす職こそが必要なのだ。規制緩和するなら、“国債が増えると日本が破綻する”、“財政支出など役に立たない”、“政府紙幣は過度なインフレをもたらす”などという間違った“規制”をこそ緩和すべきだろう。

 貧困に苦しむ民衆の不満に対して、「パンがなければ、お菓子を食べればいい…」と言い放った(とされる)マリー・アントワネットのような思考が、報道や論壇でのさばっていることに強い危惧を覚える。これは、飢餓に苦しむ人に食料を与えずに栄養学の本を投げ渡す行為と同じだ。雇用対策として、公務員などの直接雇用に言及せずに、職業訓練施策に逃げようとする連中もこの類だろう。

無能な経営者ほどノルマに頼る

 「金券ショップに大量の年賀はがき…」なる記事が地元の新聞に載っていた。

 郵政事業の民営化以前からの問題だそうだが、多大な年賀はがきの販売ノルマを課された郵政事業会社の職員が、ノルマを裁ききれずに泣く泣く自腹を切って年賀はがきを購入した挙句に、少しでも損を補填しようと余ったはがきを金券ショップに持ち込んだとのことだ。ノルマが達成できないと人事面談で罵倒されるケースもあるそうだ。郵政事業会社は、このほかにも、ふるさと小包などのノルマもあると聞いたことがある。

 この記事を見て、気の毒に思う人もいる一方で、民間企業に勤務している人を中心に、“ノルマなんて民間では当たり前。そんなことで弱音を吐くな。”などという無慈悲な意見も多くあるようだ。

 だが、このノルマを当然とする風潮はおかしいのではないか。そもそも企業経営は、経営方針や販売戦略、商品企画などを決定する経営陣とそれらを実行する社員によって成り立っているはずだ。しかし、現実には、そういった能力もない人間が経営陣に成り上がるケースが多く、自社商品が売れる仕組みづくりをできないために、目標の売上げをクリアできずに、不足分を社員にノルマという形で補填させる企業がほとんどではないか。つまり、ノルマを課すということは経営者の能力不足の結果であり、それを当然と受け入れるのは間違っている。

 経営戦略など売れる仕組みを考え抜く能力を身に着けたものが経営者となり、その作戦を黙々と実行するのが社員の役割であるはず。しかし、実際には、社員が企画立案から作戦実行まで全てを行い、経営者は決裁するのみというおかしなな習慣がまかり通っている。よい結果は経営陣が横取りし、期待以下の結果には文句をたれるだけだ。

 このように本来の役割分担を忘れて、相手に作業を丸投げしてふんぞり返っている構図は、立法の職権を行政に丸投げしてきた政治家と官僚の関係そのものだ。

 立法という本来の役割を果たす気持ちも能力もない政治家が、黙々と働いてきた官僚を悪者にして人気取りをしていることに呆れ返る。

« 2009年11月 | トップページ | 2010年1月 »

最近のトラックバック

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31