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2010年7月

2010年7月14日 (水)

冷たい政治家を支持する国民のレベル

参院選挙は、既に報道のとおり与党が敗退し、自民党とみんなの党が議席を伸ばす結果になった。

その結果、参院では与野党の勢力が逆転し、政局好きのマスコミが喜びそうな“ねじれ”が生じることになった。

これを受けて、財界からは政策の停滞による財政再建が遅れるのではとおせっかいなコメントが届いている。財政再建を望むなら、なぜ法人税増税や所得税の累進割合の見直しに言及しないのか。それどころか、財界の要求は相も変わらず法人税を引き下げろの一点張りで全く反省の色がない。

ちなみに、平成元年にピークの19兆円に達した法人税は、平成21年度補正後予算額で5.2兆円と1/4近くにまで落ち込んでいる。また、税収に占める割合でも昭和63年の35.3%から平成22年予算ベースで18.4%と半分近くまで落ち込んでいる。このように、ただでさえ税収面の貢献度が低迷している企業(財界)サイドから、法人税引下げという現実離れした要求が出されていることをなんと見るか。おまけに、平成不況後の財界の動きといえば、円高に対する政府の介入という為替補助(最近はやってないが)、低金利という実質的な保護を受けながら、雇用の流動化促進、派遣切り、海外移転による雇用の空洞化、給与の引下げによる所得の減少など、国民のためになることは何一つやってない。

国際競争に勝ち残れないだのグローバル化だの、競争社会への適応だのと幼稚な言い訳をしながらワガママを通してきた財界の強弁が通ってきた結果、平成10年に3万人を越えてしまった自殺者数は一向に減らず、平成21年まで12年連続の3万人超という凄まじさだ。他殺による死亡者数が平成21年で474人であることを考えると、実に他殺人数の60倍以上の方が不幸にも自ら命を絶っているというやりきれない現実がある。

近年は何ごとにもせちがらくなり、なんにつけ必要性を異常に追及し、ムダを排除したがる傾向にある。無から有を創り出す作業は大変難しいが、有るもの(既に存在するもの)に難癖をつけて削ろうとするのはたやすい。そのためか、多くの国民は、これだけの長期的な不況に苦しんでいても、失業対策で新たな雇用を生み出そうとはせずに、公共事業や公務員をターゲットにしてムダの削減に血道をあげており、魔女狩り紛いの異様な雰囲気だ。ムダの排除の美名の下に切り捨てられ生活を脅かされるのは、たいがい弱い立場にある人々で、そういった人は意外と自分達の身近にいるものだ。働く親が保育施設の充実を、障害者を持つ親が養護施設の充実を求めるのは当然のことだ。しかし、そういった希望が実現しない要因を、すぐに公共工事や防衛費のせいにしてしまう発想はいかにも単純で、誤ったものといえる。

彼らがムダだと思い込んでいる公共事業にも、現実にそれで“喰っている”人がいることを忘れてはならない。建設機械のリース業者、工事現場の進捗管理システムの制作業者、資材の卸売会社、制服メーカー、器具工具メーカー、事務用品メーカー、警備会社、産廃処理業者、弁当納入業者、旅館などなど工事現場をひとつ採り上げても数え上げればきりがないほどの参入業者がいるものだ。そして、あなたの隣人がそういった会社に勤めているかもしれないのだ。従業員や他の企業、地域などに所得を生み出す企業は決して無駄な存在ではない。雇用を維持し所得を発生させる彼らには立派な存在意義がある。また、高度成長期に造成した膨大な量の建築物の維持修理、将来に向けた土木・建築の技術革新といった側面からも、公共事業の維持拡大は当然必要なものである。

今度の参院選では、みんなの党の躍進が注目されているが、これも新自由主義の揺り戻しを狙うマスコミの後押しのおかげだろう。この党は新自由主義者や構造改革派の塊で、公務員叩きしか脳がない自称エリートの互助会である。口では、消費税増税反対、日銀法の改正(日銀の独立性を否定)など一見まともそうなことを言っているが、彼らは小泉・竹中路線を継承する小さな政府至上主義者であり、政治家としての資質が決定的に欠けている。それは、マクロで政策を考えようとする視点を全く持ってないことと課題に対して現実的に物事を解決しようとする意思がないことだ。現実よりも、こうすべきとかこうあるべきだとかいった観念論を優先するため、問題を解決できる手段が目の前にあっても、それに気付こうともしない。

松下政経塾や経済同友会あたりの世間知らずとウマが合いそうな似非エリートに国家運営を任せると失われた○○年は永遠に続くことになる。

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