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2010年8月

2010年8月25日 (水)

本当に“催促”してるのか?

 9000円を切った株安と円高の進行を受けて今朝の新聞は経済ニュースが一面を飾った。

 報道によると、一連の株安は、無策な政府と日銀に対する市場からの催促相場とのことだ。 何を催促しているのかといえば、もちろん経済対策なのだが、日頃から財政支出を伴う経済対策には文句ばかり垂れている“市場”が、どういう風の吹きまわしなのだろうか。たぶん円高を嫌う大手輸出企業を慮っての発言なんだろうが、市場の求める対策とは、金融政策だけなのか、財政政策を含むのかはっきりしない。

 新聞の論調も、ここ数日は経済対策を求めるものが多いようだが、中味を見るとひたすら金融緩和を念仏のように唱えるばかりで財政政策には踏み込みたがらないようだ。

日本の経済対策は、小泉政権以来、デフレ対策は金融政策(金融緩和)のみに頼り切ってきた。

 その結果、量的緩和の実行(+需要不足に起因する資金需要低迷)で金利は低下し金融市場にのみ大量の資金が流れ込んだが、実需の喚起には結びつかずデフレ克服には至っていない。

山で遭難し飢餓状態の登山者に着替えの服のみを与えて満足しているようなもので、当面の寒さは解消できても肝心の食べ物(財政支出)を与えないため遭難者は元気を取り戻せない状態が続いている。

 財政赤字を嫌って財政支出を避け、金融緩和を中心とした(実際は金融緩和のみ)経済対策に逃げ込もうとするのが、最近の先進国の常套手段だ。

 金融政策、特に量的緩和的な政策は、金利の抑制には一定の効果があるが、デフレ脱却という意味では金融市場に無駄な資金を投じているようなものだ。

 長引く不況により企業の売上や個人の収入が漸減し、その影響で政府の税収も伸びない。将来も売上や収入が回復する期待が持てないため前向きな投資や消費が控えられ、当然ながら融資への資金需要も落ち込んでしまう。

 資金需要がないから金融市場に大量に溜まっている資金(金融緩和によって日銀から供給された資金)が引き出されず(貸出されず)、結局は国債や債券の購入に向かう、あるいは一部がサブプライムローンのような怪しげな投資に向かってしまう。(中国の場合は不動産投資へ) 

 この不況下では売上が拡大するようなビジネスチャンスは極めて乏しく、返済義務のある融資(借入)へ二の足を踏むのは当然のことだ。返済原資を生み出す商機がないのだから、カネを借りようとしないのは判り切ったことだろう。

 企業でも家計でもいま本当に欲しいのはワンウェイのカネ(売上や給与)であって融資ではない。インフレ期待が高まり将来的な売上増加が見通せるようになれば、融資を積極的に活用したくなるような状況にもなるだろうが、今の厳しい経済状況では、融資を増やせと言うほうが無理だ。このまま金融緩和を続けても金融市場に(消費に)使われないカネが滞留するだけだ。ワンウェイのカネを出せるのは金融政策ではなく財政政策しかない。金融政策は、財政政策にイメージされるような土建業者と政治家との癒着的なあくどい印象がなく、なんとなくクリーンな手法に見えるためか、マスコミも比較的好意的に受け止めているが、デフレ脱却には到底必要十分とは言えない。金融政策は、あくまで財政政策とセットで行われてこそ効果を発揮する。

 そもそも株価が1万円辺りを行ったり来たりしているような状態を長年ほったらかしてきたことこそが問題だ。9,000円を割って初めて大騒ぎするようでは現状認識が甘すぎる。

 積極的な財政支出により企業や家計の財布に資金を満たし、消費を活発化させることが必要だ。少し考えるだけでも、立ち遅れる公共インフラ投資、社会保障費の充実、警察官・教員等の公務員増員、経済統計整備のための情報収集機関設立、災害被災者への被害損失補償制度ほかやるべきことは多くある。国民にヒアリングすれば、国にやってもらいたい事業はこれらに限らず山ほど出てくる。そういった要望を事業にして必要な予算をつけ国力の充実を図るべきだ。冒頭の“市場”が催促しているのは、こういった有用な政策なのだろうか。(多分違うだろう) 

 こういった大規模な財政支出によりインフレ期待が湧き、更に消費や投資が刺激され、ようやく金融市場に溜まっている資金への需要も高まる。その時こそ金融政策が主役になるだろう。

 少子高齢化やグローバル化等を引き合いに出して日本の将来を悲観的に捉える愚か者がおり、生活水準の向上という当たり前の希望をも捨てさせようとする。

 そういった困難な課題が突きつけられた時に、日本が健康体で対処できるか、病に伏した状態で対処しなければならないのかによって、当然結果は違ってくる。当ブログが問いたいのはその点だ。

(追加)

 この夏の高速道路の一部無料化に対して、それを批判したいマスコミは、各地でひどい渋滞が発生したような報道を繰り返していた。でも、よくよくニュースを見ると渋滞の長さは30-50㎞程度(実際にはまった人は大変だったろうが)で、これなら例年の渋滞と大して違わないのではないか。過去の記録にあるような100㎞超の渋滞(1995年名神高速154㎞、1990年中国自動車道135㎞など)に比べてさほどのものとは思えない。北海道など一部で普段では見られないような渋滞があったようだが、全体的にはいつもの混雑期(GW、お盆、年末年始)のものと大差なかったようだ。

 休暇取得の分散化が渋滞緩和に役立ったとの意見もあるが、そういう渋滞対策が浸透しつつあるなら、なおのこと無料化や料金引下げがしやすくなるというものだろう。

 この時期の渋滞は避けられない恒例行事のようなもので、むしろ無料化や料金引下げの分だけ得をした人が多かったと思う。

 いつもながら、マスコミの勝手な決めつけ報道には呆れるばかり。静岡のイタズラ猿でも追っかけていろと言いたい。

2010年8月10日 (火)

問題の核心に切り込めないマスコミに洗脳されるな

 ここのところ100歳以上の高齢者が所在不明になっている事例が相次いでいる。事の発端は、杉並区で存命なら113歳の女性が実は数十年前に亡くなっており、その年金が不正受給されているのではという報道であった。長引く不況の折、死者の年金を喰いものにしてきた厚顔な親族に対する憤りもあって報道は過熱し、その後も全国で似たような事例が続々と報告されている。

 しかし、いつの間にやら論点は年金の不正受給の問題から、“家族のきずなの希薄化”や“地域のコミュニティの崩壊”といったマスコミ好みの論点にすり替えられ、挙句の果てには行政の対応がなっていないと、いつもの行政批判一色になってしまった。

 国民の多くは、高齢者が行方不明になっていることよりも、恐らく亡くなっているであろう高齢者の年金を遺族がネコババしていないかどうかに関心があるだろう。なのに、肝心な点についての取材や報道は一切なされず、行政の連携が悪いだの、昔はもっと地域のつながりがあったと懐古するばかりで、犯罪に切り込もうとする意欲は全くないようだ。

 これと同じことは、学校のいじめ問題への報道にも見受けられる。いじめは犯罪であり、決して許されるものではなく加害者の生徒(+そのバカ親)は厳罰に処すべきである。なのに、一旦いじめ問題が生じると、教師の不誠実な対応や教育委員会の隠蔽体質を暴くことにのみ精力を注ぎ、あとは被害者の生徒の心のケアをどうするかという問題に論点がすり替えられてしまう。いったい犯罪者(=加害者)はどこに行ってしまったのだろうか?本来犯罪者として苛烈に糾弾されるべき当の生徒には一切触れようとしないとは、どういう神経をしているのだろうか。到底プロの仕事とは思えない。

 また、不況による若者の就職難についても、(自称人事コンサルタントをはじめとして)中高年の正社員が会社にのさばっているからだと世代間対立を煽るような問題のすり替えが行われている。会社の不良債権的な扱いを受ける中高年サラリーマンとて若い頃からそれなりに苦労を積み重ねて、ようやく今の地位を手に入れただけなのに、あたかも積極的に若者を押しのけて会社にしがみついているかのように糾弾されている。若者の就職難は、長引く不況による企業の売上減少(+将来収益の見通し低下)によるものだ。日本経済はこれ以上成長しない(パイを増やそうとしない)という頭のおかしな決め付けを前提にして、正社員のイスの取り合いを煽ったり、雇用の流動化を進めようとするバカ者がおり、それらが既存の正社員と職を求める若者とを対立させようとしている。

 このように問題の核心を突こうとせずに、批判しやすい対象を見つけて論点をすり替えるマスコミの害悪は、経済問題にも及んでいる。

 経済の落ち込み(デフレの3番底くらいだろう)や国際社会での日本のプレゼンス低下を懸念して、国民の多くは景気対策を望んでいるとのアンケート調査結果が先日も新聞に掲載されていた。当然だろう。この不景気に経済対策よりも消費税増税を望む者がいるとすれば、よほど頭がおかしいのだろう。

 だが、マスコミは、経済対策を望む国民の本音を抑えようとして、“高齢化を控えて財政再建は待ったなし”だの“税制改革(消費税↑+法人税↓)や規制緩和を行うべし”だのと、またまた論点をずらそうとし、国民の多くもコロッと騙されている。

 彼らには、経済を成長させて国民の生活を豊かにしようという発想自体がなく、自らを改革者になぞらえて悦に入りながら、更なる不況へと国民をミスリードしようとしている。

 新聞やTVをダラダラ見るだけで、出演者(殆どが小中学生レベル)の意見にただ頷いていると、いつの間にか永久に抜け出せない不況に誘い込まれてしまう。

 

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