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2012年9月 4日 (火)

邪教に熱狂する国民たち

 ここ数日のマスコミ報道は維新の会一色の様相を呈している。
 代表の中学生市長に女性問題に関する不祥事があったにもかかわらず、マスコミ総がかりによる必死のフォローの甲斐もあり、もはや無かったことになっているようだ。
 さて、話題の維新八策の概要は次のとおりなのだが、相変わらずのレベルの低さに頭がクラクラする。
 一、衆院定数半減
 一、国会議員歳費、政党交付金の3割カット
 一、次官・局長級幹部の政治任用
 一、憲法9条改正の是非を問う国民投票実施
 一、主権と領土を自力で守る防衛力整備
 一、環太平洋連携協定(TPP)への参加
 一、消費税の地方税化と地方交付税制度廃止
 一、道州制導入
 一、首相公選制導入
 一、参院廃止と地方自治体首長が議員を兼職する院を模索
 一、脱原発依存体制
 一、関係首長選への公務員の選挙活動を制限
 一、公務員の身分保障廃止
 一、インターネットを利用した選挙活動の解禁
 一、生活保護受給認定は国の責任で実施
 中でも、肝心な経済政策や雇用政策の項目には、“競争力強化、グローバル化に対応する産業構造、自由貿易圏拡大、TPP参加、イノベーション促進のための規制改革、脱原発依存、グローバル人材育成、外国人材の活用”など、いかにもマスコミ受けしそうなキーワードが羅列されている。まさに、日経やダイヤモンド、週刊現代あたりがダボハゼのごとく喰いついてきそうなネタが満載で、この手の二流誌により更に増幅されて世間に布教されることだろう。

 いまの維新の会に対するマスコミや国民の異様な期待感は、この10年余りの間に国民の熱狂的な支持を得て誕生した小泉政権、民主党政権に寄せられたものと非常に近いものがある。
 長引く不況や失業・倒産の増加により世の中に閉塞感や限界感が充満し、マスコミによって、全ての矛盾や不満を既存の社会制度や政治・行政等の在り方にぶつけるような風潮が創り上げられ、多くの国民がミスリードされるという図式が繰り返されようとしている。

 維新の会が目指す政治指針のベクトルは、小泉バカ政権や民主党政権と同じく、“構造改革・緊縮財政・規制緩和・グローバル化”の文脈から形成されており、このまま実施されればデフレを促進し、致命的な経済失政を引き起こすことは明らかだ。小泉改革とやらのせいで社会基盤や行政基盤が大きく棄損され、民主党の事業仕分けや公共事業費削減により、我が国は先進国で唯一成長を知らない国になり下がってしまった。

 これは、デフレ不況の最大の要因が需要不足にあることを認識しようとせず、緊縮財政や過度な競争を強いて企業収益の悪化をもたらし、発展途上国への生産拠点や技術を流出させたことによるものだ。

 小泉→民主党のワンツーパンチでフラフラの日本経済に維新の会が止めを刺そうとしているのに気付かないマスコミや国民の愚かさには呆れ果ててしまうが、彼らは本気で維新の会が国のかたちを変えてくれる救世主だと信じ込んでいるのだから手に負えない。

 維新の会の大躍進を期待するオヤジ連中は、今日も居酒屋でレベルの低い政治談議をしながら、“政治家は信用できない”とか“政治家がだらしない”などとくだを巻いていることだろう。
 筆者は、政治家がだらしないのは政治の家業化による流動性の低下によるものと考えており、決して政治家の数が多すぎるからだとは思わない。政治家のレベルが低いのは、限られた範囲の人間にしか政治家のイスに座るチャンスがないためにいわばインナーサークル的な集合体が生まれ、そこに政治業界独特の慣習や相場観が形成され、それに呪縛せざるを得ないような風潮が蔓延するからだろう。だからこそ前例踏襲的な思考が横行し、官僚に言いくるめられてしまうのだ。
 いまの衆議院の定数は480名のみで、全国民の0.0004%にしかチャンスがない。維新の会はこれすら半分に減らそうというのだから、開いた口が塞がらない。これでは、ますます国民の政治参加の機会が減ってしまうことになり、国民の意思を政治に反映させる途が狭くなる。国民が持つ政治家への軽蔑感を利用して、特定の者のみが政治を牛耳ることにつながる制度を巧みに政策に盛り込む維新の会に騙されてはいけない。
 こんな愚策を“身を切る改革”だと持ち上げているうちに、国民が政治に参加できるチャンスがこっそりと削られてしまうのだ。
 
 そもそも、維新の会のようなインチキ政治集団がこれほど持ち上げられる背景には、デフレ不況に対する国民の大きな勘違いがある。
 デフレが起きるのは需要の落ち込みによるものという簡単な理屈を理解できている者は極めて限られる。多くの国民やマスコミ、有識者らは、いまだに不況の原因がムダづかいや公共事業のやりすぎのせいだと頑なに信じている。
 TVや新聞で“デフレ”という言葉を耳にする機会が増えたはずだが、デフレと不況とが頭の中でリンクできないようだ。なぜか、不況=インフレという呪縛から逃れられないから、不況は官僚や政治家がだらしないせいだ(ある意味当たっている面もあるが…)とか、若者に元気がないせいだなどといった勘違いが横行し、ムダづかいや公共事業を目の敵にするようになる。それが高じて小泉政権や民主党政権などといった類の邪教を熱狂的に呼び込もうとする誤った空気が醸成されるのだ。

 いまとなっては、ちまちまとインチキ宗教の信者たちを説得しても、恐らくマインドコントロールを解くことはできないだろう。そんなことに時間を割いているうちに、ますますデフレは深刻化する。
 彼らは国債の意味や経済の大きな流れを理解しようともせず、マスコミが垂れ流す情報を鵜呑みにするばかりで、江戸時代の民百姓並みのレベルから進化していない。
 公共事業や財政政策がもたらす経済効果を正面切って理解させるよりも、防災とか教育、雇用、医療、福祉、科学技術、安全保障など国民のニーズが高い分野を基点に人員強化などのソフト事業から切り込み、それらに関連させて徐々にハード事業を拡大させ既成事実や事業効果を積み上げて納得させることが重要だ。
 防災であれば、いきなり堤防建設から入るのではなく、消防などの被災者救助人員面の予算拡大を図り、その後に救助に必要な車両の配備、車両の格納施設、車両をスムーズに移動させるための道路の拡張といった具合にハード面を攻略することが肝要だ。
 本来なら、このような策を弄せずとも、国民の生命や資産を守るための公共事業であれば、万難を排して積極的に行うべきなのだ。だが、東日本大震災のような厄災を経ても、相変わらず構造改革教の呪縛が解けない国民に、いくら正論を説いても時間の浪費に終わるだろう。

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