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2014年1月

2014年1月26日 (日)

ハズレくじをめくると、またハズレが…

あいかわらずTVも新聞も、先ごろ告示された東京都知事選挙の話題で持ち切りだ。

だが、その中身は、各立候補者の政策の違いを論評するものではない。バカマスコミの主要な関心は、「脱原発」や「原発ゼロ」という主張が、地方首長選挙の論点として相応しいかどうか、に寄せられている。

国政の専権事項ともいえるエネルギー問題へのアンチテーゼとして、あえて原発の存廃問題をブチ上げることで、そのこと自体の是非や賛否を問う声が日増しに高まっている。

日経新聞のアンケート調査結果によると、選挙の論点をワンイシューに絞り込むことについて、「幅広い課題に目配りすべきだ」の78.4%に対して、「一つの政治手法としてあり」は21.6%に過ぎず、また、都知事選の最も重要な争点については、「大震災に対して強い街づくり」が45.5%、「東京五輪への準備体制づくり」が23.1%に対して、「原発の是非」は14.9%でしかない。

こういった傾向は、他社のアンケートでもほぼ同じ結果となっており、すでに決着のついた問題だ。

しかし、今回の都知事選を、何としても反安倍政権(これは半分納得できる)や反原発運動の着火点にしたいと目論むバカマスコミの連中は、脱原発しか能がないロートル政治家コンビへ盛んにエールを送り、放映時間や紙面を大きく割いて、その活動を報じている。

ネジの緩んだ二人の元首相の主張を報じる一方で、それに対する反論も報じ、一見公平性を保っているように見せかけているが、その過程で放映時間や紙面の大半が消費され、他の候補の主張や人柄が詳しく報じられることはない。

何のことはない。マスコミは、反原発や脱原発を都知事選の争点にすることの是非を前面に出し、ハデに報じることにより、結果として世論の注目を脱原発というワンイシューに巧みに誘い込んでいるのだ。

彼らは、「原発問題なんて、地方選ではなく国政選挙でこそ論じるべきものだ」という常識的な反論に屈することはない。そういった反論を軽く受け流して、「原発は国家の存立にかかわる問題だ」などとキチガイじみた吐き、再び常識的な人から窘められるというくだらぬループを繰り返す。

マスコミにとっては、それでよいのだ。こういった不毛な論争を繰り返すことで、良くも悪しくも論点や焦点が原発問題にフォーカスされ、本来論じるべき国土強靭化のような優先課題から、都民の関心を逸らすことができるからだ。原発問題の正当性なんてどうでもよい、国土強靭化やオリンピックをネタに財政政策なんかに関心が集まっては大変だから、そこに関心が行かないよう別の話題に有権者の目を逸らして邪魔できればよい、というのが本音だろう。

マスコミの連中は、脱原発を主張する(頭のおかしな)一部の候補の主張ばかりを大きく採り上げ、それでも足りないとばかりに、読者の投書欄でも反原発や脱原発の趣旨の投書ばかりを掲載し、そこに民意が集中しているように見せかける。(投書しているのはヒマな老人ばかりだが…)

幸い、各社の電話調査などの結果を見ると、脱原発コンビの支持率は思ったほど伸びていないようだ。しかし、その陰で、その主張がほとんど話題にも上らない自民党の推す新自由主義者候補が支持を伸ばしているのは、大きな問題だ。

かの候補は、自民党を除名された挙句に、自身が立ち上げた泡沫政党とともに命運を共にして政界から消えたかと思っていたが、突然、都知事選の有力候補者として再登板する形となった。

過去の経緯から、自民党内でも公認に賛否の声が上がったようだが、結局、かの人物が候補者に収まった。

過去の都知事選の勝者の顔ぶれを見ると、評判の悪い大阪府知事選と同じレベルの人気投票イベントに終わっており、巷間言われるように、国政に直結するものとまでは到底言えない。

しかし、マスコミ的に話題性の高い都知事選に、傷物レベルの候補しか立てられないようでは、自民党のパワーも落ちたものだと思わざるを得ない。小泉バカ政権以降の自民党は、本当に人材が枯渇してしまったと実感させられる。

かの候補は、政党助成金の不正使用疑惑やプライベートの醜聞が付きまとうだけでなく、外国人参政権の推進者であり、中韓諸国にシンパシーを感じるような典型的な戦後レジームに染まった自称保守政治家のひとりと言えよう。

もっとも、東京のような財政的に何の問題もない自治体の首長なら、平時であれば、これまでのように犬や猫(レベルの人材)がやっても十分務まるだろう。しかし、この先30年という極めて現実的な時間軸の中で、震度6以上の大地震が発生する確率が40~70%と言われるなど、大きな危機や厄災が迫っており、もはや、首都という果実を貪ってのんびりと昼寝している暇などない。

このように緊迫感が高まる状況下で、曖昧な思想やだらしない政局感しか持ちえないような流の政治家に首都の責任者を任せるほど不安なことはない。

昨年の参議院選挙でも、山本太郎のような幼稚園児を当選させてしまった東京都民に、多くを期待することはできないが、せめて常識的な判断を下してもらいたいと注文しておきたい。

2014年1月15日 (水)

経済政策の波及に必要なもの

1年ほど前に始まったアベノミクスは、平成24年度の補正予算での13兆円の財政支出や昨年の春先からの大型の金融緩和による円安効果により、建設業界や輸出型産業を中心に業績回復の兆しが見え、小泉バカ政権から民主党のデタラメ政権時代にかけて滅茶苦茶に破壊された日本経済もようやく底を打つ気配が感じられる。

今年の経済3団体による新年の賀詞交換会では、経営者からベア復活の声が聞かれ、15日に行われた経団連の経営労働政策委員会(春闘での経営側の交渉指針を定める会合)報告では、ベースアップを明言こそしなかったが6年ぶりの賃金引上げに前向きな表現が盛り込まれた。

こういった動きが実現し、労働層(一部大企業に限定されるが…)の所得上昇につながることに期待したい。政府首脳が経営者層に賃金UPを直接要請するのは、政府の立場や役割を逸脱する異例のパフォーマンスと批判する向きもあるが、マスコミがこういったやり取りを報道することにより、景気が上向けば賃金を上げるのは当然という世論の醸成に一定の効果を発揮するのは間違いない。

今回、ドケチで強欲な経済団体のトップから、まがりなりにも賃上げの言質を取ったのは、安倍政権の成果と評価する。

だが、この流れが政権の思惑どおりトリクルダウンして実体経済へ波及するかどうかは、まだまだ未知数だ。

なぜなら、今年の春に控える消費税増税やTPP問題、くすぶる労働規制緩和の動き、金融緩和に起因する円安や原発稼働停止がもたらす原材料やエネルギーコストの上昇、補正ベースで見れば縮小気味の新年度予算など、力強い成長を抑え込むキャップを嵌められた経済環境に大きな変わりはないからだ。

相変わらず、政府高官や官僚、バカマスコミなどは、経済成長の種を探すよりもムダの削減に熱心だし、円安効果による製造業の国内回帰の動きも、製造拠点が中国から東南アジアにシフトしただけで、まだまだ鈍いままだ。

アベノミクスの恩恵を受け始めた大手企業とそれが及ばない中小企業とのパワーバランスや体力格差はますます拡大しており、消費税増税分の価格転嫁は相当困難な状況だ。

実際に、筆者が購読する(反原発運動に熱心な)新聞社が家計向けに取った今年の賃上げ見通しに関するアンケート調査では、およそ7割が「期待できない」と回答し、「すでに賃上げがあった」と「期待できる」という回答は合わせても1割に満たない。

ニュースで景気が良くなったと聞くが、いったい誰の話なのか、というのが本音だろう。

実際に、中小企業の多くは、長引くデフレ不況の影響でバランスシートをかなり棄損しており、多少の景気回復があってもバランスシートの修復を優先せざるを得ず、しばらくは賃金アップまで手が回らないだろう。

リフレ派を自称する一部の論者の中には、トリクルダウン方式の経済思想に立脚し、景気回復の波が全国に波及するまでには時間が掛かるもんだと平気な顔で言い放つのんきなバカ者がいる(成長自体を諦める緊縮財政派の大バカ者よりマシだが…)が、そんな悠長なことでは多くの中小企業や地方経済は救われない。

デフレ脱却期の経済対策に重要なのは十分な量の予算規模と執行のスピードである。

それらが小さかったり、鈍かったりすれば、その間、恩恵に預かる者とそうでない者との格差がますます広がり、波及の速度が鈍るどころか、効果そのものが隅々まで波及しえない事態にもなる。

そうなってしまえば、富がいびつに偏在したままの歪んだ社会構造が放置されることになり、人心の荒廃が進むことだろう。

現状の経済情勢を冷静に見つめると、輸出型企業や建設業、運輸業、鉄鋼業など一部の業種で明るい兆しが確認できるものの、大部分の業種や地域で景気回復を実感できないまま、円安や脱原発の影響による原材料やエネルギーコストの高止まりによる負担感や圧迫感が先行しており、経済環境に対する不満のエネルギーは却って膨らんでいるものと推測される。

多くの企業や家計は、ニュースで見聞きするアベノミクスの実感を早く得たいと焦っており、先に景気回復の果実を味わった大企業や高額所得層への怨嗟や不満が高まっている。

当初は好意的に受け止められた円安政策も、ガソリン高や食糧価格高騰を招いて自分達の生活を圧迫する悪手だと反発を買いかねない状況だ。

また、アメリカやEUでは金融緩和政策の継続を快く思わぬ意見や勢力が広がりつつあり、この先、金融緩和政策のスピードにブレーキが掛かる恐れもある。こういった動きが本格化すれば、合理的な理由もなく海外の動きに歩調を合わせようとする圧力が強まり、日本の金融緩和政策にも負の圧力が掛かる可能性を拭いきれない。

多くの国民やマスコミは、元々、黒田バズーカの意義や狙いを正確に理解していたとは言い難く、本来は邪道なやり方だが、アベノミクスの雰囲気に呑まれて何となく受け入れてしまったとする見方が正確だろう。

金融緩和政策の意味や役割を理解しようとせずに、単に金利を低くしたり株価を上げるためのカンフル剤で、いつ迄も続けるべきじゃない異例の処置だとボンヤリ捉えているだけだ。だから、ちょっとでも金融緩和の弊害が出ると、すぐに拒絶反応がでる。

この先、消費税増税による景気停滞や景気後退などの反動が出れば、安倍政権に対して攻撃的になっているバカマスコミが、金融緩和でマーケットに溢れたマネーがバブルや過度な円安を引き起こし物価を上昇させて庶民の生活を苦しめると煽り始めるだろう。

最近では、肝心の日銀内でも、従来から大規模な金融緩和政策に反対色の強い2名の審議委員に加えて、2-3名の委員が寝返りしそうだと懸念する報道がある。

このまま、経済効果のトリクルダウンのスピードや量の改善が図られないと、アベノミクスの効果を実感できない中小企業や大多数の家計は、「インフレ」という言葉自体に強い拒絶反応を起こすようになると思われ、2%のインフレターゲット達成に向けて正念場にある黒田日銀は、これから大きな試練を迎えることになる。

恐らく、経済効果の波及よりも消費税増税後の駆け込み需要減の反動や消費の落ち込みが先行し、再び質素倹約や構造改革にすがろうとする安易で誤った思想が蔓延することになり、これまで持て囃された金融政策も、財政政策と同様に強烈なアゲインストに晒されるだろう。

金融緩和政策のせいで銀行が国債ばかり買い企業融資への努力を放棄している、円安のせいで下請けイジメをする輸出型産業ばかり儲かっている、輸入コスト上昇で庶民の生活を圧迫しているなど、バカマスコミや事情を理解できない庶民から文句をつけられる材料には事欠かないし、残念ながら、金融緩和政策を肯定できる積極的な材料(庶民が理解できる 実感できるレベル)を探すのは難しいものだ。

これまでの安倍政権の経済政策は、基本的にトリクルダウンの文脈で行われ構造改革路線の延長にあるため経済効果を実体経済の隅々に波及させる経路の整備が未熟であった。

このため、せっかくの経済政策により生じた果実が大企業の預金口座で眠っていたり投資や消費の形で海外へ流出してしまい、実体経済への還流効率が極めて悪い。

トリクルダウン神話は閉鎖的な経済環境下にある人口規模や経済規模の小さな後進国にしか通用せず、日本のような経済大国においてそのような愚策を推進する意味はない。

永続的な経済成長を遂げるためには、分厚い中間層の形成成長の基盤となる供給能力を支える技術革新が重要であり、トリクルアップやボトムアップの思想に基づき、中間層や基盤を形成する企業や家計へダイレクトに資金を注入できる大規模な経済政策こそが必要である。

金融政策と構造改革の組み合わせみたいなペラペラの経済政策では、実体経済の足を引っ張りこそすれ、それを刺激できる力はない。

金融政策や構造改革の妄信者どもは、自らの分をわきまえて財政政策のサポートに徹すべきである。

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