無料ブログはココログ

リンク集

« 縮小史観に染まった売国奴 | トップページ | インチキヘリマネ »

2016年9月29日 (木)

課税原理主義者の妄想

先日、とある経営者とのやり取りの中で、彼は「政府は28兆円もの経済対策をやるらしいけど、そんなのムダ遣いだし、日本はインフレになっちゃうよ。自分もインフレに備えて、しっかり貯金しとかないとな…」と文句を言っていた。

そんな彼を見て、(十中八九あり得ないけど)インフレ期待が醸成され、現金価値の棄損が見通されているにもかかわらず消費しないなんて、リフレ派の連中から“感度の低い田舎者”ってバカにされますよ、と心の中で苦笑せざるを得なかったが、改めて、積極的な財政金融政策や機能的財政論を普及させることの難しさを実感させられた。

世の中の大半の人間は、機能的財政論なんて、頭のおかしな連中が吹聴する邪教くらいにしか思っていないし、そもそも、そんな考え方があることを知らぬ者がほとんどだろう。
だからこそ、池上彰辺りのインチキ解説に煽られて、“日本は経済破綻する、円は紙切れになる”とビクビクしながら、紙切れになるはずの“円”を懸命に貯め込もうとするのだ。

国民全般がこんな状態だから、機能的財政論を基に、積極的な財政政策を唱えただけで、猛烈な拒否反応が返ってくる。

経済系のブログを見ても、
・普通に考えて、政府債務を現金で返してもらう場合は、必ず徴税と言うプロセスを踏む。1000万円の国債を償還するためには、税金を1000万円余分に徴収する必要がある
・徴税せずに、通貨発行権で返済をしたら、市場から財政ファイナンスと取られて大幅なインフレとなる。
・経済にフリーランチなんてない。
といった妄言や誤解が飛び交っている。

また、酷いのになると、国債と実物投資や企業融資とをトレード・オフの関係に置き、国債が金融市場から強制的に資金を収奪しているかのように捉えるバカ者もいる。

例えば、「国債が存在しない場合、国内の民間貯蓄は国内外の実物資産などに投資され、これらの投資は将来金利を生み、将来世代は元本と収益を受け取ることができる。一方で、多額の国債が発行され、国内民間貯蓄の相当部分が国債に投資されている場合、国債の元利支払いの原資は、政府が将来世代に課税して調達しなければならない。この増税分の負担が将来世代の負担となる」といった言説があるが、いったい何を考えているのか、と呆れるよりほかない。

前段の「国債が存在しない場合、国内の民間貯蓄は国内外の実物資産などに投資され、これらの投資は将来金利を生み、将来世代は元本と収益を受け取ることができる」というのは、日本の現状、とりわけバブル崩壊後の低成長経済下では、まったくあり得ない仮定であり、緊縮政策により実体経済の体温が低下し、民間経済主体の投資・消費意欲が縮小したために、国内の民間貯蓄が企業融資や実物資産などの投資に向かわず、国債に出口を求めた、という事実や経緯を端から無視している。

国債発行が民間融資の増加を阻害した訳ではない。
緊縮気味の財政運営が、民間経済主体(企業や家計)の投資意欲を低下させ、それが歴史的低金利を生み、結果として、投資による将来金利を台無しにしただけのことだろう。

また、後段の「多額の国債が発行され、国内民間貯蓄の相当部分が国債に投資されている場合、国債の元利支払いの原資は、政府が将来世代に課税して調達しなければならない。この増税分の負担が将来世代の負担となる」の部分は、あたかも、政府が国債発行により、金融市場から資金を吸収した、つまり、政府が貯蓄を奪って強制的に国債に変換させたかのような言い草であり事実に反する。

貯蓄を預かった金融機関は、渋々、国債を買わされたわけではなく、企業や家計の資金借入熱が冷え切っていたため、自ら積極的に国債購入に走ったのであり、異様な低金利がこれだけ長期に亘って続くのも、国債よりも好条件で資金調達しようとする民間経済主体が存在しないからに過ぎない

この手の幼稚な国債悪玉論は、国債償還=課税というレッテル貼りをしたがるが、とどのつまりは、原因と結果を都合よく誤魔化し、根拠のない身の丈経済論を吹聴しているだけで中身がない。

機能的財政論において、課税は、あくまで完全雇用や価格の安定などのマクロ経済的な目的のための調整手段であり、資金調達手段ですらない。
「政府の資金調達手段=課税のみ」という固定観念は、閉鎖的小国家のみに当て嵌まる幻想であり、近代国家では通用しない。

マクロ経済の適切な温度管理を担うことが政府に課された責務であり、そのために、政府には、通貨発行、国債増発、課税などの政策手段を駆使して、実体経済に流通する貨幣や商取引の量・スピード・プレーヤーの数などをコントロールする権限が与えられているのだ。

« 縮小史観に染まった売国奴 | トップページ | インチキヘリマネ »

コメント

 財源としての庶民からのカツアゲシステムたる消費税制度ですよね。
インフレーション抑制手段としての消費税制度を誰が発言してるか知らない。
ウンザリです。

>池上彰辺りのインチキ解説に煽られ

 彼はマスメディアに昔居た"ズバリ言うわよ細川"みたいです。いやこれは小池氏かな?

 独り言、失礼しました。

政治家や市井の人々が、なぜ、徴税や緊縮に熱中するのか、私も、常々、不思議に思っています。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1436015/67721505

この記事へのトラックバック一覧です: 課税原理主義者の妄想:

« 縮小史観に染まった売国奴 | トップページ | インチキヘリマネ »

最近のトラックバック

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31