無料ブログはココログ

リンク集

« TPPは中国包囲網(失笑) | トップページ | 成長を拒否するクズに経済を語る資格なし!! »

2016年11月30日 (水)

詭弁に始まり、誤魔化しで終わる

日銀は、前回の金融政策決定会合で、またもやインフレ目標達成を先送りし、インフレターゲット政策の成功を信じる者は、もはや(周回遅れのリフレ信者を除いて)誰もいない。

『日銀は金融政策の現状維持を決定。マイナス金利幅を-0.1%に維持。物価上昇率が2%程度に達する時期を2018年度頃として、達成時期を先送りした。』(ロイター 11月1日)

リフレ派が推進してきた金融緩和政策一本足打法は一敗地にまみれた。
黒田総裁、岩田副総裁ともに白旗を上げ投降寸前のありさまだが、この期に及んで、まだ、詭弁を吐き屁理屈をこねる論者も散見される。

最新のリフレ流詭弁術は、
①金融政策のおかげで給与やボーナスは上がっている
②インフレ目標は手段に過ぎない
③真の目的は「雇用改善」にある
にアップデートされたようだ。

先ず、①について、厚生労働省の9月の毎月勤労統計調査で、今夏の1人あたりのボーナスが前年比2.3%増え、実質賃金も前年同月比0.9%増えたこと、2016年の大卒初任給も203,400円で前年比0.7%増と3年連続増加したことを、何とか金融政策の効果に結び付けようと必死になっている。

だが、夏のボーナスの変動推移を長期で俯瞰すると、2001~2015年までの15年間のうち、対前年比でプラス化したのは、たったの5回だけで、残りの10年間はマイナスに終わっている。
しかも、プラス値の最大値は+2.7%でしかないのに、マイナス値の方は▲7.1%(2002年)、▲9.8%(2009年)にも達しており、単純計算すると、2000年に100あったボーナスが、2015年には81にまで激減した計算になる。

こんな惨状だから、今夏のボーナスがほんの少し上がったくらいで、人々の財布の紐が緩むはずがなく、10月の家計(二人以上)消費支出は1世帯当たり 281,961円と、前年同月比で実質0.4%減少 、名目0.2%減少(7か月連続減少)に終わっている。

大卒の初任給にしても、たったの20万円とは、1995~2000年頃の水準とほとんど同じで、0.7%増なら1,400円くらいでしかなく、ラーメン2杯食ったらなくなる程度でしかない。

何より問題なのは、ほんの僅かとはいえ、これらの収入増加を金融政策の手柄だと偽っていることだ。

帝国データバンクの「2016年度賃金動向に関する企業の意識調査」のよると、「賃金改善の意向がある」のと回答は46.3%と半数を切り、その理由も、「労働力確保」73.8%、「業績拡大」46.2%、「同業他社の動向」21.1%など、金融政策とは直接関係性の薄い項目が上位を占めている。

金融政策の成否と賃上げとの間に大した関係なんてないことくらい、企業経営者に直接尋ねてみれば、即座に判ることだ。

次に、②の「インフレ目標は手段に過ぎない」について、さすがに、インフレ目標の先送りが5回も続けば、物価上昇率2%という数値を目標化することに後ろめたさがあるのだろう。

しかし、目標未達が常態化しているにもかかわらず、彼らが、『インフレ目標は、「手段」であり、実際にインフレ目標を掲げている国で、その数値を達成できている国はない。目的ではないからだ。「目的を実現するための手段」なのだ』なんて幼稚なセリフを吐く様は、見るに堪えぬほど浅ましい。

リフレ派の連中は、最近でこそ、雇用増加など唯一良好な指標(量はともかく「質」は悪化しているのだが…)に寄生して、インタゲ政策の目的は「雇用」だ、と吠えている。

しかし、インタゲ政策を掲げた初期段階では、「マネタリーベース拡大→実質金利引下げ→予想インフレ率向上→インフレ期待醸成→投資・消費の活性化→デフレ脱却」という構図を盛んに喧伝し、雇用改善はその過程で具現化する(かもしれない)指標の一つでしかなかったはずだ。

彼らは、インフレ目標未達が続きリフレ派に対する批判が強まることに怯えて、雇用という良波に乗っかろうとしているだけだ。
仮に、雇用もパッとせず、ガソリン価格が下がっていたとしたら、「ガソリン価格の低下はインタゲ政策のおかげ」、「ガソリン価格の安定こそ真の目的だ」とほざいていたことだろう。

最後に、③の「真の目的は「雇用改善」にある」については、他の識者やブロガーも指摘しているが、昨今の雇用状況の改善(質ではなく量だけ、しかも、地域により差異が激しいが…)は、たまたま生産年齢人口の減少期と重なったこと、給料が増えず消費税や社会保険料負担の増加による家計の圧迫に苦しむ家計のパート労働が増えたこと、年金支給年齢引き上げにより再雇用を選択せざるを得ない高齢者が増えたことなどのネガティブ要因によるものであり、百歩譲ったとしても金融政策の効果など微塵の影響もない。

詭弁に始まり誤魔化しに終わるリフレ派の言い訳には、常に失笑を禁じ得ないが、何より愕然とさせられたのは、「貯蓄=投資。貯蓄された分は企業、政府、外国が消費するから何の問題もない」という寝言だ。

これは、「供給が需要を創る」という寝言以上にレベルの低い、まさに爆笑ものの戯言だろう。

「貯蓄=投資」なら、貯蓄(預金)はすべて融資や投資に回ることになり誰も苦労しない。
仮に、そのとおりなら、全国の銀行員や不動産屋は万々歳で、空前のバブル景気が再来しているはずだが、実態はご存じのとおりだ。

国内銀行の預貸差(預金-貸出)は直近9月で248兆円にもなり、黒田バズーカ最盛期の205兆円と比べて43兆円も拡大し、余剰貯蓄のブタ積みは増える一方だ。
本来なら、政府が国債発行量を増やして、預貸バランスの調整を図るべきだが、緊縮脳に憑りつかれた安倍政権は、歳出改革と称して積極的な財政政策から逃げ回っている。

貯蓄がすべて投資に回るなら、とっくの昔に金利が上昇していたはずだが、トランプ新大統領誕生のニュースに反応するまで、市場金利が低下しっぱなしだったことを、どう説明するつもりか?

旺盛な融資需要に押されて貯蓄が逼迫し、銀行員が須らく預金集めに奔走したのは、もう遠い昔のことだが、いまや、銀行にとって強制的な借入に相当する預金に対して、受入手数料の徴収が真剣に議論されるほど、銀行は預金の運用先に困り果てている。

貯蓄=投資なんて妄想は、古き良き昭和時代の発想であり、低金利競争に喘ぐ現代にはまったく通用しない。

時代錯誤も甚だしいリフレ派の連中は、脳幹を入れ替えて出直してはどうか。

« TPPは中国包囲網(失笑) | トップページ | 成長を拒否するクズに経済を語る資格なし!! »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1436015/68636839

この記事へのトラックバック一覧です: 詭弁に始まり、誤魔化しで終わる:

« TPPは中国包囲網(失笑) | トップページ | 成長を拒否するクズに経済を語る資格なし!! »

最近のトラックバック

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31