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2016年11月22日 (火)

詭弁は不要。実効性のある政策を出せ!!

11月15日の日経新聞朝刊経済欄の「経済観測」という記事に、内閣官房参与の浜田宏一氏のインタビューが掲載された。

記事のタイトルに「減税含む財政拡大必要」と銘打たれているように、黒田日銀総裁や岩田副総裁らとともにリフレ派の理論的支柱として大きな存在感を示していた浜田氏が、ようやくステージチェンジを果たしたようだ。

浜田氏の発言を素直に読めば、
・金融政策一本足打法ではデフレ脱却は不可能である
・マイナス金利政策は金融機関の収益を棄損させる
・デフレ脱却には(条件付きながらも)財政政策に頼らざるを得ない
・巷にはびこる政府債務問題が大げさな妄想にすぎない
・リカードの中立命題は現実には通用しないこと
などを認めた形となり、遅まきながら、これまでの構造改革臭の強すぎるリフレ政策の失敗に気付いたようだ。

しかし、子分のリフレ派の連中は黙っていない。
さっそく、“日経は浜田氏の見解を恣意的に編集している”、“浜田氏は金融政策が誤りだなどと言っていない”と猛反論している。

『浜田宏一内閣官房参与に「金融政策の誤り」を認めさせたがる困った人たち』
(Newsweek日本版11月20日 田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授)
http://www.newsweekjapan.jp/tanaka/2016/11/post-9.php

元々、経済学者というよりも、アイドル評論家の方が本業に近い田中氏(※ジョネトラダムスとの詭弁コンビ結成中)だが、Newsweekのコラムの中で、
「そもそもこのインタビューを最後まで読めば、浜田参与は、日銀が「買うものがなければ」という条件つきで外債購入をすすめている。これは金融緩和がデフレ脱却に効果が「ない」という人の発言ではない。効果が"ある"から外債購入も選択肢に入るのだ。
 ところが一部の論者やメディアの中では、先ほど指摘したように、浜田参与があたかも量的緩和などの金融政策がデフレ脱却に失敗し、その考えを改めるという趣旨としてこのインタビューを解釈している。」
と反論し、これを機に、他のリフレ派連中も、一斉にブログやツイッターなどを使って文句を垂れ始めた。

しかし、浜田氏のインタビュー記事が出て4~5日も経ってから反論するのは、あまりにも遅すぎる。彼らは新聞すら読んでいないのか?
新聞記事は何気なくスルーしたものの、他の論者から、浜田氏に対する批判記事が出たのを見て浜田理論の瓦解に気付き、慌てて反論し始めたのだろう。

事の真偽が気になるなら、浜田氏本人に直接真意を質すか、氏の発言を捏造した(はずの)日経の不買運動でも仕掛けたらいかがか?

また、田中氏は、浜田氏が金融緩和政策の一環として外債購入に言及したことに縋り、氏が金融緩和政策の効果を否定していない証拠だと強弁している。

しかし、インタビューの中で浜田氏が犯した論理矛盾(金融政策の限界を吐露しながら、外債購入に縋ろうとする姿勢)は、単に浜田氏が強がっているか、耄碌しただけではないか。
「詭弁・ステージチェンジ・手柄の横取り」が得意技のリフレ派らしい狼狽ぶりが露呈しただけのことだろう。


田中氏の詭弁は、まだ続く。
氏は、さきほどのコラムで、次のように述べている。
「特に財政政策が効果的になるには、金融政策の転換が必要条件となる。財政政策だけでは不十分なのだ。(中略)
浜田参与に「金融政策は効果がないこと」を「反省」させたい人たちには、安倍政権になってから現時点までの消費者物価指数、GDPデフレーターがマイナスのままだということを「金融政策に効果がなかったからデフレのまま」と主張しているようだ。
だが、これは浜田参与がインタビューで指摘しているように、金融政策が効果がないからではなく、消費増税などの影響である。」

先ず、財政政策と金融政策とのポリシーミックスの重要性は当然のことであり、機能的財政論を主張する者の中に、財政政策一本足打法でよいなどと主張する者などいない
“金融政策は財政政策のサポート役に徹してこそ、その本領を発揮する”という事実を認めたくないがゆえに、事実を捻じ曲げてはいけない

口先では「ポリシーミックス」などと言いながら、減税以外の財政政策に露骨な嫌悪感を表すリフレ派の方こそ、ポリシーミックスの発想を蔑ろにしている。
彼ら流のポリシーミックスとは、「金融緩和政策+緊縮・構造改革」を指しているとしか思えない。

彼らは、消費税増税こそが金融政策不調の主因だと言い立てる。
しかし、増税そのものを主導した安倍政権の応援団を辞めようとしないし、増税賛成派の黒田総裁を批判することもない。

リフレ派に言わせると、浜田氏は増税反対派だそうだが、氏はインタビューの中で「『コアコア』の消費者物価指数でインフレ率が安定的に1.5%に達したら、消費税率を1%ずつ引き上げてはどうか提案している。逆にそれまでは消費増税を凍結すべきだ」と述べている。

リフレ派認定済みの『増税反対派』にしては随分と大甘な発言で、日銀の物価目標にも満たないインフレ率に達した時点で消費税率の引き上げを主張する始末で、その支離滅裂ぶりには目も当てられない。

彼らの増税反対への覚悟のほどは、せいぜい、『10%への増税凍結』レベルにすぎず、税率の引き下げや消費税の廃止にまで踏み込むつもりはないらしい。
この程度で、消費増税反対派を自称しているのだから大したものだ。


インタビューの後半で田中氏は、次の様に主張している。
「また浜田参与は、日経新聞のインタビューの中で、「国民にとって一番大事なのは物価ではなく雇用や生産、消費だ」と強調している。雇用指標は20数年ぶりの改善を示す数字がならぶ。これは金融政策の効果だが、それを見ないのが、浜田参与に間違いを認めさせたい人たちの共通するマインドである。(中略)
経済低迷には、金融政策の転換を前提にした、財政政策と金融政策の合わせ技を全力でやりぬくべきなのだ。それ以外の選択肢はジャンクだ。」

相変わらず、“雇用の量的改善”を金融政策の手柄だと言い張っているが、そんなものは、生産年齢人口の動態変化と所得減少を危惧した家計の防衛行動(=嫌々パートの増加)によって質の悪い雇用が増えただけで、金融政策の影響などゼロに近い。

信じられぬなら、景気の良さそうな経営者に、「御社が雇用を増やしたのは、金融緩和政策のおかげですか?」と直にヒアリングしてみればよいだろう。

ちなみに。帝国データバンクが、今年の10月に全国2万4千社余りに調査した「金融緩和政策に対する企業の意識調査」によると、金融緩和政策の効果について、「実感がある」との回答は、たったの12.9%しかなかったが、「実感はない」59.7%、「分からない」27.5%を合わせると87.2%にも達している。
しかも、実感があるとの回答割合が多かった業種は、「金融24.8%」、「不動産22.0%」に偏っており、雇用の波及効果が高い「製造14.0%」、「サービス9.9%」、「小売9.3%」などの業種は軒並み低位に止まっている。

普通に考えると、9割近くの企業が効果を実感できないような政策が、雇用にプラスの影響を与え得るはずがないことくらい小学生でも理解できる。


財政政策の効果に嫉妬し、嫌悪しておきながら、口先では財政政策を否定しないと詭弁を弄して金融緩和政策による一本足打法に固執し、経済指標に何らかの改善があれば、すべて金融政策のおかげだと大嘘をバラ撒く。

リフレ派には、財政政策と金融政策の合わせ技を全力でやり抜く気迫など一mmもない。
そうした彼らの詭弁こそ、「ジャンク」だと呼ぶべきだろう。

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