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2016年11月 9日 (水)

ナマケモノが招く後進国化

11月8日に福岡市の博多駅前で大規模な道路崩落事故が起き、大きなニュースとして全国的に報じられた。

事故原因は、「地下鉄七隈線」の延伸工事の際に線路となる横穴を掘削していたところ、トンネル構内で水が噴き出したことによるものだそうで、地上に幅30メートル、深さ15メートルもの巨大な穴が開いたにも拘わらず、幸いなことに一人のけが人も出ていない。
早朝に起こった事故とはいえ、陥没したのは九州でも一・二を争う交通量を誇る場所であり、死傷者ゼロという結果は奇跡的な幸運だと言ってよい。

バカマスコミの連中は工事や監督の不手際を指弾し、福岡市や工事業者を責めたてようと必死だが、むしろ、現場の迅速かつ適切な初期対応をこそ賞賛すべきだろう。
こうした好事例を共有し、事故を未然に防止するシステムの構築に役立ててほしい。

さて、我が国には、インフラ整備や公共工事に対して条件反射で嫌悪感を露わにするバカ者がいる。
『日本のインフラが朽ちていく!五輪後の悲惨な未来予想図』(11月9日 週刊ダイヤモンド編集部)なる記事にも、そんな“インフラ嫌悪症患者”の戯言が並んでいる。

記事では、2033年に建設後50年以上を経過するインフラをグラフで示しているが、自動車道トンネル100%、鉄道トンネル91%、自動車道橋87%、鉄道橋83%、道路橋65%、空港63%、公営住宅60%、港湾51%など軒並み高い割合であり、我が国の交通網が分断されてしまうのでは、と背筋が寒くなる。

国の行く末を心配する普通の神経の持ち主なら、“これはヤバイ! 将来世代の生活基盤を守るためにインフラの更新や整備を急がねば”という発想になるはずだ。

しかし、記事の主張は真逆で、見出しに「現状は“ゆでガエル” インフラ統廃合を阻む議会制民主主義の弊害」とあるように、インフラの更新どころか、人口縮小に合わせたインフラの統廃合を訴えるありさまなのだが、財政赤字嫌悪症やインフラ嫌悪症患者がウヨウヨいる日本なら、むしろ記事に賛同する意見の方が多数派だろう。

記事では、公共インフラの更新費用は20年を待たずして年間10兆円を突破すると指摘しているが、その対応策は、積極的な整備・更新ではなく、“統廃合”であるべきと主張している。
つまり、これからの日本は人口が減るのだから、身の丈に合わせてインフラを廃棄すべきという訳だ。

「都市部でも、橋が2本あれば『3本目を造ろう』ではなく、『どっちを壊すか』という議論になる。民間ではマンションは大量に余り、首都圏で路線廃止も起きかねない」
(政策研究大学院大学 松谷明彦名誉教授)
さらに、
「われわれは今のインフラが当たり前と思いがちだが、実は高いコストを支払っていることを知るべき。個々の施設ごとにその費用対効果を可視化することで、統廃合への理解を得ていくしかない」
(野村総合研究所 宇都正哲グループマネージャー(工学博士))
という識者の意見を付して、読者に縮小社会の容認を迫っている。

公共インフラの在り方を、単純に人口比だけで積算しようとする小学生の言いなりになっていると、隅田川に掛かる橋が一本ずつ減らされ、トンネル工事の予算がないという理由で東北新幹線の仙台以北が廃線されるような愚を犯されかねない。

たかが橋一本と侮り、調子に乗って廃棄を続けて行けば、交通渋滞の頻発や防災用緊急避難路の確保など社会的効用が大きく棄損されるし、橋を新設し維持する技術そのものが喪失されてしまう。
これは、供給力という国富の根幹を失うこととイコールであり、我が国の経済発展の可能性を根こそぎ奪う大愚考だと言える。

インフラ整備に必要な10兆円は、コストではなくGDP拡大の商機だと理解すべきだ。

人口が減るからインフラのメンテナンスを止めましょう、なんて暴言を吐く者に対しては、罰として自宅前の道路を閉鎖すべきだろう。

人口がほとんど増えなかった江戸時代でさえ、幕府や各藩は懸命にインフラの新設や維持更新に努め、そうした先見の明が、明治期以降の飛躍的な国土や産業の発展の礎となったのだ。

いまを生きる我々は、過去に先人たちが整備してくれた膨大な量の社会インフラに守られ、当然のごとく利便性や安全を享受できる環境にある。

なのに、これから生まれる未来の日本人に対しては、「カネがないし、モッタイナイから老朽化したものから順次廃棄するわ」で済まそうとしている。
なんと、情けない日本人なのだろうか…

恐らく我々は、100年先の日本人から、“日本を後進国化させるきっかけを作った最もやる気のない世代だった“と揶揄されるに違いない。

社会インフラや公共インフラは、国家の社会基盤や産業基盤、国民の生活基盤を24時間365日体制で支え続ける「優しいゆりかご」であり、生活の場そのものである。
インフラの維持向上やメンテナンスの必要性が尽きることはなく、それを放棄するのは、国家としての存在を放棄するに等しい。

(追記)
本稿を書いている最中に、アメリカ大統領選挙の速報が入り、予想に反してドナルド・トランプ氏の当確が報じられた。
敗れたヒラリー・クリントン氏は、世界中のマスコミから過剰とも言える応援を受け、大物歌手や有名スポーツ選手を応援演説に呼びつけた挙句の敗戦であり、面目丸つぶれだろう。
トランプ氏が、今後どのような態度を取るか判らず、現時点での彼に対する過剰な期待は控えたいが、「アメリカ・ファースト」、「有害なグローバリズムの否定」、「野放図な移民政策の転換」という公約を粛々と進め、投票したアメリカ国民の期待に応えてもらいたいと思う。
しかし、マスコミの票読みはいい加減だ。
バカマスコミの連中が、事実を無視して願望を優先させ、世間に大ウソをバラまいた罪は重い。
彼らは、当たりもしない選挙分析から引退すべきだろう。

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