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2017年1月10日 (火)

リフレ派の吐く大嘘

『アベノミクスと雇用について』(2017年01月09日 BLOGOS abz2010氏)
http://blogos.com/article/205039/

「アベノミクスが期待外れな結果しか残せていないことについてはいまや多くの人々が同意する所となりつつあるが、その一方で今も「アベノミクスは成功したんだ!」と主張する人々が強調するのは雇用の改善である。(中略)
アベノミクス支持派の主張は、「失業率だけをみれば確かにアベノミクスの成果は見えないが、労働力人口や就業者数を見れば、アベノミクスが雇用を大きく改善したことは明らかであり、同じ失業率の改善でも民主党政権下とアベノミクス以降では中身が異なる」というものである。(後略)」

上記コラムに目を通すと、執筆者のabz2010氏は、アベノミクスは期待外れに終わったという立場から、リフレ派による「アベノミクスは大成功」、「インフレ・ターゲット政策の真の目的は雇用。物価目標は手段に過ぎない」という主張を批判している。

氏は、リフレ派の言い分として、山本博一氏(※ジョネトラダムスの子分)による次の説明を引用している。
・民主党政権下でも失業率が低下しているが、労働力人口が減っていた。
・アベノミクス以降は労働力人口が増加しつつ失業率が改善している。
・民主政権下とアベノミクス以降では、失業率が改善していることは同じだが、その中身はまったく異なる。
・特筆すべきは「労働力人口がアベノミクス以降で上昇に転じた」こと。
・民主党政権下での失業率の低下は、ただ単に就職を諦めて就職活動を諦めた人が、失業者にカウントされなくなっただけである。


このようなジョネトラダムス2号の妄想に対する詳細なデータを用いた反論は、abz2010氏のコラムをご参照いただくとして、質の悪い“アベノミクス詐欺(=雇用改善はアベノミクスの大成果)”をバラ撒くリフレ派には、その証拠を出してみろと強く言っておきたい。

雇用の改善とは言っても、それは、団塊の世代に続くボリューム層の引退期と出生数の少ない若者層の就職期がたまたま重なったことによる人口動態要因によるものや、デフレ不況の長期化により家計が苦しくなった主婦層や高齢層の“嫌々パート”が増えたことによるものに過ぎない。

雇用のイスが増えたとはいえ、非正規雇用やパートみたいなおんぼろイスか、外面は「正社員」でも安月給で死ぬまで扱き使われる“ブラック正社員”なら、何の意味もない。
雇用は人の一生を左右する重要なポジションであり、単に数さえ増えればOKと言えるものではなかろう。


先ず、ジョネトラダムス一派が勘違いしているのは、(小泉バカ政権と並ぶ)「史上稀にみるダメ政権」であった民進党と比べて悦に入っていることだ。

日銀による「生活意識に関するアンケート調査」(第67回/H28.9調査)の結果、雇用環境D.Iは▲12.6と、民進党政権期(▲20~▲30)より改善してはいるが、相変わらず絶対値は低位で、ここ3年ほどは多少の上下動はあれども、ほぼ横ばいで、力強く上昇する気配はない。
テストで30点しか取れない落ちこぼれが、40点取れたと大喜びするのを甘やかすようなもので、合格点にはほど遠い。


また、リフレ派の連中は、雇用改善云々を語る以前に、アベノミクスの成果とやらが本当に存在しているのか、それが実体経済に波及しているのか、という点に関する検証が疎かだ。

いろいろな論文やデータを探してみても、リフレ派や安倍信者以外で有意なものを見つけることはできないが、逆にその成果を否定するものは、次のとおり結構目につく。

◆金融緩和政策の効果について、「実感はない」企業が59.7%だった一方、「実感がある」は12.9%にとどまる。(帝国データバンク『金融緩和政策に対する企業の意識調査』)

◆実質金利の低下は企業が設備投資を決定する際の一要素にすぎない。企業の先行き判断と投資行動の関係を見ても、国内需要の成長見込みが低く、投資に対して十分な採算が取れないと企業が判断するのであれば、実質金利低下による投資需要刺激効果は相殺され設備投資は伸びないと考えられる。(三井住友信託銀行『経済の動き ~ マイナス金利政策の国内設備投資への影響』)

◆そもそも日本銀行がいくら銀行に資金を供給したとしても、銀行貸出が増えるわけではありません。「明るい景気展望」をもった借り手が現われることによってはじめて、またそうした資金需要者が円滑に借り入れできる環境が整うことで市中にお金が出回ることになります。そうした条件をつくるのは政府の仕事です。ところが実際には、インフレ期待を煽ることで経済を上向かせようという異次元金融緩和が、緩和後に急伸した円安下でコスト高といった副作用をもたらし、それが中小企業を圧迫する重石になっていることが問題です。(立教大学准教授 飯島寛之『異次元金融緩和の中小企業への影響「ほとんどなし」』)


何といっても、リフレ派による「インフレ・ターゲット政策の真の目的は雇用。物価目標は手段に過ぎない」という“ムービング・ゴールポストまがいの粉飾行為”は決して許されるものではない。

黒田総裁をはじめリフレ派の連中は、異次元緩和政策を断行するに当たり、物価目標達成を通じた実質金利の低下や為替効果による投融資の活発化・民需の活性化を狙うと公言していた。

しかも、日銀のHPには、
「日本銀行法では、日本銀行の金融政策の理念を「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」としています。
物価の安定が大切なのは、それがあらゆる経済活動や国民経済の基盤となるからです。
市場経済においては、個人や企業はモノやサービスの価格を手がかりにして、消費や投資を行うかどうかを決めています。物価が大きく変動すると、個々の価格をシグナルとして個人や企業が判断を行うことが難しくなり、効率的な資源配分が行われなくなります。また、物価の変動は所得配分にゆがみをもたらします。
こうした点を踏まえ、日本銀行は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしています。」
と、金融政策目標の一丁目一番地は「物価目標の達成」であることが明記されているではないか。

雇用効果云々は、所詮、物価目標という大目標を達成した後に派生する効果の一つに過ぎないはずで、今になって、それを声高に目的化するのは「卑怯な後出しジャンケン」としか言えまい。

本来なら、インフレ・ターゲット政策の真の的(2%の物価上昇)を射止めた後に、雇用効果を語るべきだが、肝心要の物価の方は、金融政策決定会合にて5回連続で目標達成延期を宣言させられるなど、黒田総裁は大恥をかくハメになった。

第一の大的すら射止めていないのに、その先にある小さな的を射抜けるはずがあるまい。

リフレ派の連中には、
・雇用の質に関する偽装行為を止めること
・質の悪い雇用増加を金融政策の手柄顔で騙るのを止めること
を強く言っておきたい。

金融政策の評価を確かめたいのなら、その辺の企業経営者を尋ねて、直にヒアリングしてみることだ。

妄想の中で真実は掴めない。

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コメント

>質の悪い雇用増加を金融政策の手柄顔

 実感無き小泉ノミクス・・・
ヌケヌケと罪を認めない卯すら馬鹿な言い訳のごたくばかり並べるような方々が生活に困窮しないこの世界を戻すにはまだまだ時間か・・・・

すみません、つい吐きたくなる言葉でコメントすることを許容してください。

肌感覚の実感って、こと経済に関しては重要視すべきだと思います。

表面ヅラの数値だけでは判断できませんよね。

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