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2017年1月 1日 (日)

公共インフラは社会を支える揺りかご

『老朽化「通れない橋」続々、住民「何とかして」』
(読売新聞 12/31(土) 14:07配信)
「国や自治体などが2年前に始めた道路橋の一斉点検で、深刻な老朽化の実態が次々と明らかになっている。
 2016年3月までに点検を終えた20万4533基のうち、早急な補修などが必要と判定された橋は12%の2万4351基に上る。高度成長期に造られた多くの橋が、補修や架け替えの時期を迎えており、「通れない橋」が住民生活に影響を及ぼしている。
 京都府京丹後市丹後町の竹野川に架かる府道の大門橋(長さ81メートル、幅4・5メートル)。両端は閉鎖され、「通行止」の表示板がある。近所の女性(79)は「通院するのも不便。早く何とかしてほしい」とため息をついた。
 大門橋は昭和初期に造られ、1969年、鋼鉄製に架け替えられた。2011年、路面の段差が確認され、2トン超の大型車は通行禁止に。16年10月に仮橋の建設を始め、完成後に新設工事に入る計画だった。」


“公共工事”と聞くと、「=ムダ」と反射神経で答える大バカ者は、こうした報道を見て猛省してもらいたい。

「こんなところに道路を造って、いったい誰が使うのか?」なんて、見下したような言い草がいかに大嘘であるか、こうした記事を見ればよく判る。
なんのことはない、記事にあるとおり、京都の山奥の田舎町にある橋でさえ、ちゃんと利用している住民がいるではないか。

家内にあっては、電気・ガス・上下水道・郵便・通信、屋外にあっては、道路・橋・鉄道・トンネル・空港・港湾・ゴミ収集等々、我々の生活は、公共インフラなしに一日たりとも営めない。

公共事業を嫌悪する田舎者は、毎日のように公共インフラという揺り籠の上でのうのうと生活しているくせに、インフラがもたらす恩恵に敬意を払うどころか、青臭い中学生みたいに敵意をむき出しにする。

あたかも、親の庇護の下で何不自由なく暮らしている反抗期の中学生が、むやみに親に反抗するようなものだろう。
あまりの幼稚な態度に、端から見ていてむず痒くなる。

過去にも、石原伸晃のような世間知らずのバカ者が、北海道の道東自動車道(千歳市~足寄町、釧路市)を建設した際に「熊しか使わない道路」だと揶揄したことがあったが、昨年8月に北海道十勝地域を襲った台風10号の影響により、道央地域と十勝地域を結ぶ大動脈であった日勝峠(国道38号線~274号線)が壊滅する被害があり、道東道なかりせば、十勝や釧根地域が陸の孤島と化す恐れすらあった。
(※日勝峠の開通時期は早くとも2017年秋頃の見込み)

道東道の一件は、公共インフラを蔑視する幼稚な馬鹿者の戯言を鵜呑みにすると、取り返しがつかないことになることがよく判った好例とも言えよう。

ただでさえ自然災害の多い我が国において、インフラ整備の新設・更新作業を怠ると、トンデモナイ二次災害を惹き起こし、却って傷口を拡大させてしまうのだ。
石原伸晃みたいに、世間の道理も解らぬシロウトはすっこんでろっ‼と言いたい。

今回の読売新聞の報道によると、早急な補修などが必要と判定された橋2万4351基の約6割に当たる1万4千基余りは、市町村管理のものだそうで、ただでさえ予算不足に汲々とする自治体が多い中で、補修作業が後手に回り、通行止めが増え、地域の交通網が寸断される懸念がある。

また、国交省の資料によると、
「全国約73万橋の橋梁のうち、7割以上となる約52万橋が市町村道にあり、建設後50年を経過した橋梁の割合は、10年後には44%と増加。
緊急的に整備された箇所や水中部など立地環境の厳しい場所などの一部も構造物で老
朽化による変状が顕在化し、地方公共団体管理橋梁では近年通行規制等が増加」
しているそうで、国が責任を持って公共事業予算を負担し、早急に交通インフラや生活インフラの維持更新に取り掛かるべきだ。

世の中には、“Amazonさえあれば小売店なんて要らない”と嘯く田舎者もいるが、日本各地にある橋が使えなくなると、たとえAmazonで買い物できても、商品を物理的に届けられなくなることくらい想像できないのだろうか?

同じく、国交種の資料では、
「町の約3割、村の約6割で橋梁保全業務に携わっている土木技術者が存在しない。地方公共団体の橋梁点検要領では、遠望目視による点検も多く(約8割)、点検の質に課題あり」との指摘もあり、専門技術職の人員配置や育成が急務であることが判る。

こうした技術職の公務員を急募し、長期的に育成を図るとともに、定年後の人材を含めて、民間から広く技術者を雇用し、場合によっては準公務員として、民業と公務に重複勤務してもらう(無論、十分以上の報酬を支払う)手も考えねばならないだろう。

公共インフラの新設・更新に多額の予算や人材を投じるのは、まったく無駄な事業ではないばかりか、社会インフラの強靭化、インフラ整備技術の継承及び革新、流通網の高速化、雇用の維持、地域経済の循環、観光産業の発展等々、社会生活の維持向上にとって良い影響しか考えられない極めて重要な事業である。

読売の記事を見て、「どうせ京都の田舎町のことだろ? 俺には関係ないね」と油断するバカ者には、「お前の家の前の道路がいきなり陥没しても、そのままほっとくから…」と言っておきたい。

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