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2017年1月14日 (土)

「(安くこき使える)人手が足りない‼」は、自分勝手な言い訳

『「人手不足」関連倒産 2016年は304件』

(東京商工リサーチ 1/13

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170113-00010006-biz_shoko-bus_all

 

「企業倒産の低水準な推移が続くなか、中小企業を中心に人手不足は解消されていない。

財務省が20161025日に発表した「人手不足に関する聞き取り調査」では、人手不足感の強い職種からは「恒常的な人手不足で、収益増加や事業拡大の機会を逸している」、「労働環境の整備が進んでいる業界に人が流れてしまう」などの現場サイドの声が聞かれた。

東京商工リサーチでは、これまでも「人手不足」関連倒産を集計してきたが、主に代表者死亡や入院などによる「後継者難」型が中心だった。だが、人手不足感が解消されないなかで「求人難」型、「人件費高騰」関連などの推移が注目されている。(後略)」

 

筆者も実際に、相談先の中小企業経営者から、人が集まらないとの声を聴く。

 

だが、以前のエントリーにも書いたように、企業側が人手不足に悩んでいるという割に雇用条件が目に見えて改善される気配はない。

人が足りぬと愚痴をこぼす経営者に時給や勤務条件を尋ねても、無理な勤務シフトの割に時給は900円にも満たぬものばかりで、それじゃ無理だと呆れることが多い。

 

特に、労働人口の減少に見舞われる町村部には高齢者しかおらず、低賃金で立ち仕事や腰に負担の大きい仕事をさせようとしても相手にされない。

 

また、近所のスーパーにある求人票を見ても、時給750850円、土日含む週5日以上勤務なんてものばかりだ。

 

anreportによると、業種全体の求人平均時給は 1,007円と前年同月比 21カ月連続で時給上昇、求人数は前年同月比+32.8%と好調のようだ。

しかし、エリア別にはバラつきがあり、平均時給は「関東エリア」が1,065円で最も高く、次いで「関西エリア」1,007円、「東海エリア」978円、「九州エリア」916円、「北海道エリア」871円、と、生活に掛かるコストに大差はないのに、地域により200円近い差がある。

 

東京商工リサーチは「人件費高騰」なんて大袈裟に書き立てているが、リクルートジョブズのデータによると、三大都市圏のパート・アルバイト募集時平均時給(201611月時点)1,002円で、7年前の水準(924)と比べて78円しか上がっていない。

 

年平均の上昇率はわずか0.8%程度と、ほぼ横ばいと言ってよい。

 

他地域より恵まれた首都圏・阪神圏・中京圏をして、たったのこれだけしか上がっていないのに、人件費が「高騰」したなんて大袈裟に騒がれるのは心外だ。

 

普通の人なら、黙っていても年1~2%くらいは労働生産性が上がると言われているのに、肝心の時給UP率が0.8%(※これも都会だけの話…)しかないのは、明らかにおかしい。

 

なにせ、時給1,000円とはいえ、年収ベースなら200万にも満たないのに、さも高給取りであるかのように言われても反発されるだけだ。

 

こんないい加減な雇用状況を放置しておいて、人が集まらぬと嘆くのは、どう見ても雇用者側の努力不足にある。

 

確かに、企業側、特に中小零細企業の経営環境が厳しいのは十分理解できる。

 

経産省辺りのデータでは、全業種平均の売上高総利益率は18%前後、売上高営業利益率は3.4%くらいしかなく、昨今の原料高や円安気味の為替動向から、収益低下を余儀なくされており、人件費拡大の原資に乏しい事情は承知している。

 

働き方改革や賃上げなど労働サイドの上げ潮ムードに配慮する必要はあれども、無い袖も振れぬと嘆く経営者も多いことだろう。

 

だが、それなら、なぜ、産業界や財界は、政府や官公庁に対して、自社の売上や収益UPに直結するような政策提言や要求を強く求めないのか?

 

経団連や経済同友会のような新自由主義に凝り固まったバカ者はともかく、日商や商工連のような中小零細企業団体は、もっとストレートに財政政策を軸とする大規模な経済政策や補正予算の執行を求めるべきだ。

 

経済三団体の連中は、口を開けば、「景気回復の特効薬は見当たらない。政府は地道に規制改革などの成長戦略を推し進め、外国移民にも門戸を開き、グローバル化に対応する必要がある」という寝言しか言わない。

 

アメリカの次期大統領が大型のインフラ投資や減税を口にすると、財界もすぐさま反応してヨダレを垂らすくせに、自国に同じ政策を求めようとせぬのは、明らかに整合性に欠けるし、合理的な態度とも思えない。

 

企業は「成長戦略」みたいなフワフワした霞を喰って生きて行けるわけじゃない。

 

労働分配率をさらに上げ、内需循環型の力強い成長を実現させるには、自社の売上や収益に直結する具体的な政策を打つよう、政府に対して声高に叫ぶべきだ。

 

21世紀になって20年近く経つのに、パートの時給がたったの1,000円なんて惨めすぎる。

これを1,500円→2,000円へとグイグイ上げられるような経済環境を創るのが、政治を司る者に与えられた役目であり、財界の連中も、妄想から目を醒まし、それをアシストすべきだ。

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