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2017年1月17日 (火)

リフレの妄想拡大中!

時計ドロに加えて、昨年末には盗作騒ぎまで起こした高橋洋一氏が、落城寸前のリフレ軍勢を勢いづかせようと大いに吠えている。

『失業率低下のトンデモ議論 経済指標の読み方分からず金融緩和の効果も理解せず』
(ZAKZAK 1/13)http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20170113/

「失業率が下がっていることについて、「生産年齢人口の低下によるものだ」と主張する人がいる。だが、この議論は、「デフレの原因は人口減少だ」というのと同じくらい、間違った考え方である。(中略)
財政出動は公的部門の有効需要を直接創出するので分かりやすい。
一方、金融緩和については、実質金利の低下、為替安などによる民間部門の有効需要への効果は、短期的には少ないが、長期的な累積額でみると大きく作用する。
民間部門の有効需要創出なので、効果ラグ(時間のずれ)があって民間雇用に効いてくる。
 こうしたマクロ経済学の理解があれば、金融緩和が失業を減らすということも分かるはずだ。(後略)」

高橋氏は、「雇用改善はリフレ政策(=金融緩和政策)の成果だ」、「財政政策の効果は短期的、中長期的には金融政策の方が効く」という従来からのリフレ派の主張を繰り返している。
しかも、失敗時の保険として、お得意の“タイムラグ”を挿入するのを忘れない。

以前のエントリーで何度も指摘したが、リフレ派の連中は、「金融緩和→?→雇用改善」に至る行程で起きるはずの経済的作用について、決して具体的に語ろうとしない。

フィリップス曲線や失業率のグラフを持ち出して抗弁するが、それらはいずれも“結果”を示すだけのデータに過ぎず、金融緩和政策が雇用改善を生み出した“理由や要因”を証明できるものではない。

金融緩和政策の発動と失業率改善の動きが、たまたま一致しただけに過ぎないから、彼らも証拠を出しようがないのだろうが、肝心の説明や証明を中抜きして放置する態度は、あまりに杜撰としか言えない。
(そのうち、“訪日客の増加や地球温暖化もリフレ政策の結果だ”と言いかねない…)

高橋氏は、「実質金利の低下、為替安などによる民間部門の有効需要への効果」こそ、リフレ政策の真骨頂だと言いたいようだが、消費者物価水準や家計消費支出の低迷ぶり、落ち込む一方の企業物価の動きなどを見ても、そんな効果は何処にも出ていない。

リフレ派は、「物価水準は目的ではなく、手段だ」と見苦しい言い訳を連発しているが、大元の物価水準すら、まったく達成できていないのに、雇用改善という副次効果だけが、都合よく先行して発生するはずがない。

「金融緩和→?→雇用改善」の「?」に入るのは、間違いなく『妄想or大嘘』のどちらかだろう。

先日も、浜田内閣官房参与が、リフレ政策の失敗を一旦認めたかと思いきや、子分に諫められたのか、即座に反省発言を撤回する一幕があったばかりだ。

リフレ派の連中は詭弁ばかりで、まったく現状を分析できていないし、失敗を反省する素振りも見せない。

彼らは、さりげなく、「財政政策の効果は短期的、中長期的には金融政策の方が効く」というセリフを口にするが、これも幼稚な間違いだ。

リフレ派は、黒田総裁以前の金融緩和政策は”日銀の不胎化介入により実質的に無効化された”と文句を垂れるが、黒田バズーカによる緩和後の非不胎化を経てもなお、実体経済に大した効果をもたらすことができず、社会実験は失敗に終わり、借りなければならない貨幣量がいくら増えても、実体経済に大した影響を与えられないことが証明された。

要するに、不胎化云々は単なる言い訳に過ぎなかったわけで、白川前総裁時代から、十分すぎるほど低金利水準が継続されてきたのに、お得意の“実質金利低下による民需の刺激”はほとんど確認されなかった。

一般的に、金融政策が最も効くのは、景気の過熱時や爛熟時に、それを抑制する手段として、あるいは、過熱が一服し、下降する気配を見せ始めた時のカンフル剤としての役割を与えられた時だろう。

リフレ派は、変動相場の下では財政政策より金融政策が効くなどと寝言を言うが、変動相場制が一般化して以降、景気が過熱したのは、常に、財政政策が積極的に行われた時期と符合する。

筆者は、「短期」をおおよそ1年、1年超3年程度を「中期」、それを超える時系列を「長期」と定義するが、金融政策は中長期で効果を発揮するという割に、黒田バズーカが発射されて4年近く経つのに、一向に効果が見えないのはどういう訳か?

「金融政策の効果は短期的かつ限定的、短期~中長期の何れも財政政策の効き目は顕著だが、その効果を適正なレベルに保つための調整弁として金融政策が欠かせない」というのが正解なのだ。

リフレ派の連中も、安倍政権誕生までは、リフレーションの実現や経済成長に言及していたものだが、経済政策のメインストリームの地位に連綿とするあまり、いまや、緊縮・構造改革派の腰巾着と化し、政権が繰り出す構造改悪政策を悉く賛美するありさまだ。

元々、彼らは、良く言えば「学究肌の勉強家」、ストレートに言えば「現実が見えない合理主義的な空想家」っぽいところがある。
また、どこか人間嫌いな冷めた顔を持ち、自助を重んじて何かと自己責任を強要し、世の中を良くしようとする情熱や社会的弱者や低中間層への思いやり、配慮といった心もちが決定的に欠けている。

リフレ派の連中が、取って付けたように消費税増税に反対(ただし、廃止にまでは言及しない)し始めたのは、決して庶民の生活を慮ってのことではなく、物価目標の足枷になる、つまり、信奉するインタゲ理論の正当性を証明する機会を阻害されるから、という自分勝手な理由に他ならない。

性根がいい加減な者の言説は、コロコロ変わり、自分を正当化するためには、見苦しい詭弁を弄することも厭わないものだ。

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コメント

 中国崩壊論や中国の成長がまやかしであるとの説をを声高に叫んでいる連中にリフレ派が多いように思います。
 財政出動で経済を成長させている中国はいずれひっくり返る、成長しているというデータはインチキであると言うことで、財政政策が危険で効果の無いものであるということを国民に刷り込んでいるように思います。

リフレ派の連中が、中国での財政支出効果を否定する意図はご指摘のとおりかもしれませんね。

これは面白い視点です

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