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2017年1月 4日 (水)

若者が結婚できない理由なんて、小学生でも解る

夏になれば暑くなり、冬が来れば寒くなる。
収入が十分に増えればカネを使いたくなるし、減ったり増えなかったりすれば使えなくなる。

こんな当然すぎる事象に、いちいち疑問を差し挟む者はいないと思っていたが、そうでもないらしい。
意外にもネット上には、「人口減少や未婚率上昇は若者の価値観の変化のせいであり、デフレとは無関係」という珍説が蔓延っている。


『正視に耐えない残酷な現実「男性の年収と未婚率」』
(2016.12.28 武蔵野大学、杏林大学兼任講師 舞田敏彦)
http://president.jp/articles/-/20926

上記コラムでは、次のような指摘がある。
「年収が低い男性ほど、未婚率が高いというリニア(直線的)な傾向が認められます。
年収200万未満のワーキング・プア層では、未婚率は6割近くにもなります。
収入が上がるにつれそれは下がっていき、年収800万超のリッチでは1割前後です。
正視に耐えない(残酷な)現実ですが、男性の場合、一家を養う経済力が求められるためでしょう。」

「悲しいかな、希望と現実はかなり隔たっています。
女性の7割近くが年収400万超の男性を望んでいますが、候補の男性の中でその稼ぎがあるのは3割弱しかいません。
多いのは年収300万未満の男性ですが、それでよしとする女性はたった1割しかいない。」

「女性の社会進出が進むと、女性が結婚をためらうようになり、未婚化・少子化が進展するという論がありますが、それはあべこべでしょう。
ア)結婚すると女性のライフチャンスが制約される
イ)女性は結婚相手に高い年収を期待せざるを得ない
ウ)このご時世、そういう男性は滅多にいない
エ)故に未婚化が進む
というのが真相ではないでしょうか。」


バブル期なら、そこいらの女子大生やOLが、平気な顔で“理想の年収は1,000万円”なんて高望みしていたことを考えると、いまの女性が希望する年収のバー(400万円超)も随分デフレ化したものだ。

あまりの慎ましさに、“これが世界第3位の経済大国の実情か”と悲しくなってくるが、バブル経済から25年以上も経つのに、候補となる年齢層の男性の中で、稼ぎが400万円に達する層が3割弱しかいないと聞くと、暗澹たる気持ちになる。

内閣府の資料(http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/data/mikonritsu.html)を見ても、男女ともに、1975~1980年辺りからあらゆる年代層で未婚率が上昇し、バブル崩壊を機に上昇率が高まり、2005年辺りから横ばいか微減傾向にあることが判る。

これを見て、“未婚率上昇は、女性の社会進出を容認する若者の価値観の変化のせい”だと言い張るのは勝手だが、舞田氏が上記コラムで指摘しているとおり、“女性が求める年収レベルに達する層が減っている”と考えるのが自然だ。
しかも、希望する年収レベル自体も分相応な額であるにもかかわらず、それにすら到達できない男性層が大勢を占めている、という事実こそが問題の根幹であろう。

また、女性の社会進出云々についても、周囲の人間が女性の本音を曲解し、「女性の高学歴化=高キャリア志向の女性の増加」という誇大妄想を抱いているのではないか。

『さあ働こうか!専業主婦希望の婚活女性と独身男性のズレが酷い』
(http://iitokoronet.com/2016/07/01/post-11683/)というサイトによると、
「非正規雇用枠が増え、正社員になることが難しくなり、夫婦二馬力で働く事が求められる現代なのに、時勢に逆行するかのように若い世代の女性達には「専業主婦願望」が高まっていると聞きます。(中略)
いま働く女性の間では、「専業主婦願望」が高まっている。
ソニー生命の「女性の活躍に関する調査2015」によると、働く女性499人のうち「本当 は専業主婦になりたい」と答えた人は、「非常にそう思う」(15.6%)と「ややそう思う」(17.8%)を加えると33.4%。実に3人に1人にものぼるという。
さらに20代に限定すると「非常にそう思う」(21.8%)と「ややそう思う」(20.0%)で41.8%となり4割を超えている。」
だそうで、さらに、
「ジャーナリストの白河桃子氏は、専業主婦願望の高まりを「幸せだというより、ラクそうだと思っている。外が厳しいので、ウチにいたいという消極的選択」と分析」している。

別の調査では、一定期間働いた後に結婚して専業主婦になることを望む女性は44%にも達するとの報告もあり、キャリア上昇志向の強い女性は意外と少ないことが判る。

厚労省の資料でも、
「24年は全体的に妻の就業率が高くなっているものの,夫の年収が多くなるほど妻の就業率が低下するという関係は,この10年で変化しておらず,妻が就業するかしないかは夫の所得水準の影響を受けていることがうかがわれる」
との指摘があり、女性が積極的に社会進出を望むという側面は否定しないが、どちらかというと、収入不足等の金銭的な理由により社会進出せざるを得ないというのが実情だろう。

だが、女性を取り巻く現実は厳しい。

専業主婦願望を強める女性に対して、それを受け止める男性陣の反応は芳しくない。

『「専業主婦」をめぐる男女間ギャップ【統計編】』
(http://www.yomiuri.co.jp/life/hobby/love/20151118-OYT8T50076.html?page_no=1)によると、
「一方、男性に『結婚相手の女性は専業主婦になってほしいと思いますか』と尋ねたアンケートでは、『そう思う』が3.9%、『どちらかといえばそう思う』が15.4%、『どちらともいえない』が50.5%、『どちらかといえばそう思わない』が20.2%、『そう思わない』が10.0%でした。
専業主婦になってほしいと思っている男性は全体の19.3%、およそ5人に1人しかいません。」
だそうで、『低年収・雇用の不安定化・ポスト削減』の三重苦に悩む男性サイドのニーズと、主婦願望の強い女性の意識との間には埋めがたい大きな差異がある。

国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」によると、18-34歳の独身者のうち、「いずれ結婚するつもり」との回答は、1982年/男性95.9%・女性94.2%→2015年/男性85.7%・女性89.3%と減ってはいる。
一方、ほぼ同期間の未婚率の推移はというと、1980年/男性21.5%(30~34歳)・女性9.1%(30~34歳)→2015年/男性46.5%(30~34歳)・女性33.7%(30~34歳)と大幅に増加している。

つまり、
・結婚願望を持つ割合は減ってはいるものの、依然85~90%近くが結婚を望んでいる。
・にもかかわらず、結婚適齢期の未婚率は、男性で倍以上、女性で3倍以上にも増加している。
という事実が判り、これらを総合すると、
①現代の若者といえども、結婚を望むという基本的価値観に大きな変化はない。
②しかし、未婚率は急上昇し、結婚したくともできない層が増えている。
③結婚できない主な理由は、『低年収・雇用の不安定化・ポスト削減』という生計の不安定さに起因する男女間のミスマッチと考えるのが自然。
という結論になるだろう。

若者世代の未婚率上昇を「結婚に対する価値観の変化」や「女性の社会進出」というソフト面だけで説明するのは無理がありすぎる。

“結婚はコスパが悪い”と敬遠する若者も増えているようだが、これを価値観の変化の一言で片づけるのは分析不足であり、価値観の変化をもたらした真因をきちんと探るべきだ。

なぜ、若者が結婚できないのか?
結婚=コスパが悪いと感じる理由は?
なんのことはない。若者の雇用や収入を巡る経済環境が悪化しているからに過ぎない。

これほど当然すぎる事象に対して、アレコレと難癖をつけるつもりなら、当の若者に結婚できない理由を直接尋ねてみればよかろう。

若者の苦境を直視せずに、価値観云々と話を逸らそうとするバカ者は、単に、景気回復を望まぬ『不況容認論者』や『成長放棄論者』でしかない。

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コメント

若者が結婚しない理由が価値観の変化でデフレと無関係、こんなことを言う人がいるのは信じられません。本当に同じ日本に住んでいるのか疑いたくなるレベルです。私の親戚、知人でも男性で結婚しているのは、ある程度の収入がある人達ですし、年収が低い友人は相手の親から許可を得ることができないという現状が窺えます。

≫ツバメ戦士さん

若者が結婚できなかったり、車を買えなくなったりすると、「若者の価値観が変わった」という妄言や雑音が聞こえてきますよね。

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