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2017年1月24日 (火)

タイムラガーは未来を言い訳にする

『堂が歪んで経が読めぬ』という諺がある。

その意味は、
「自分の落ち度や怠慢を、屁理屈をこねて言い逃れること。また、理屈ばかり並べるが、一向に実行に移さないこと。経が読めないのは仏堂が傾いて座りにくいからだと言い訳をすることから言う。」だそうだ。

屁理屈をこねて逃げ廻る、しかも、理屈ばかりで実行力ゼロと聞くと、緊縮原理主義者のアノ人や金融万能主義者のこの人と、いろんな論者の顔が思い浮かぶ。

だが、この諺を誰よりも体現する人物と言えば、やはり、例のエセ教科書学派を外すわけには行くまい。

エセ教科書学派の教義によると、いまの経済学の本質は「動学的」である、つまり、「現実(今現在)」と「未来(予想)」で動くため、「未来(予想)」を重要視するのが、現代経済学の本質であり、不安定な未来をできるだけ確定させるのが、現代経済学の合意事項や必須事項になるそうで、彼ら(彼)は、「投資・景気・経済は未来に依存する」と強調する。

よって、アベノミクスが成功しているかどうかは、「未来に働きかける」ことに成功しているかどうかが基準になる、と主張し、大企業の設備投資計画が伸びていること(H28/8公表の政投銀データで対前年比+10.9% ※ただし、2016年の計画値であることに注意)や大卒や高卒の求人倍率がやや上向いたことを挙げて、「アベノミクスは大成功‼」、「安倍ちゃんの政策は未来に働きかけているヽ(^o^)丿」と気勢を上げている。

だが、詭弁や嘘はすぐにバレるものだ。

財務省が昨年12月に公表した「法人企業統計」で、2016年7-9月期の企業設備投資の伸び率は前年同期比で▲1.3%と14四半期ぶりに減少し、製造業、非製造業ともに減少という結果に終わった。

さらに、今月16日には、“企業の設備投資の先行きを示す”機械受注統計(内閣府より公表)では、去年11月に主な機械メーカーが国内の企業から受注した額は、変動が大きい船舶と電力を除いて8337億円と、前月から5.1%も減少してしまった。

つまり、企業は設備投資の未来予想図をポジティブからネガティブへと書き換え、投資計画を実行段階で縮小させたことになる。
アベノミクスが企業投資の未来に働きかけたというエセ教科書学派氏の主張は、見事に裏切られてしまった。

また、大卒の求人倍率も、H29/3の全体値1.74は、バブル期はおろか、リーマンショック前後の実績(H19/1.89~H21/2.14)すら大幅に下回っているではないか。

ちょっとでもグラフの右肩が上がるとアベノミクスの手柄を誇大に宣伝したがる彼の詭弁を目にすると、まるで、気温が0.1℃上がっただけで、暑い暑いとコートを脱ぎ始めるような変わり者を見ている気分になる。

そもそも、「最新の経済学の本質は現実と未来に働きかけるもの」だという知ったかぶりも怪しいもので、現実と未来に働きかけようとしない経済学なんて聞いたことがない。
そんなことは経済学にとって、創設以来、当然すぎる事項であり、最新も現代もクソもない。

彼の云わんとする「未来への働きかけ」とは、とどのつまり、『時間稼ぎのための言い訳の積み重ね』でしかない。

適切な経済政策を打たず景気回復の実績を出せぬ言い訳をするための「タイムラグ」という逃げ口上を上手く言い繕うために、「未来」という便利な言葉を悪用しているに過ぎないのだ。

未来は現在や現実の延長線上にあり、実体経済下での一般的な未来予想は、現実に行われる政策や自己のフロー・ストック状況を基に演繹される。

普通の人間や企業は、厳しい経済環境に晒されながら、10年後に突然煌びやかな未来が開かれるなんて、絶対に予想しないから、未来に対して明確に働きかけるためには、先ず、現実の経済環境を確実に良化させる必要がある。

家計の懐が目に見えて温まり、企業の収益が誰の目にも改善されて初めて、家計や企業は未来に対して信頼を置けるようになるのだ。

エセ教科書学派と取り巻きの連中は、未来を言い訳にし、教科書や最新の経済学云々に逃げ込まず、現実に目の前で起きている家計や企業の窮状を救うためにアベノミクスは何をすべきか、について、具体的な提言をすべきだろう。

“シロウトには本物の経済学は理解できない”とプロを気取って嘯くだけでは、周囲から、“口先だけで社会経験や実戦力ゼロのドシロウト”と罵られるだけだ。

一方で、件のエセ教科書学派は、「未来のことは分からない。経済学は「今」を説明するもので、未来を予測する「水晶玉」は持ってない」と、経済学の限界を勝手に吐露している。

彼の負け犬根性や言い訳根性は、経済学を「未来も予測できず、人々に未来への期待を抱かせることもできない」エセ学問に貶めようとするものだ。

たとえ未来を予測できずとも、適切な経済政策の実践により、人々に明日や未来への希望や期待を抱かせることはできる。
それこそが、経済学のポテンシャルを社会に活かす行為であり、学問たるもののあるべき真の姿だろう。

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