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2017年1月30日 (月)

緊縮バカの時計の針は逆回り

日経新聞の経済観の針は、刻々と反時計回りに進んでいる。

『25年度より後の財政・社会保障の姿示せ』(日経新聞社説 1/27)
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO12191420X20C17A1EA1000/

「日本の財政は先進国で最悪の状態にある。政府は2020年度に、国と地方をあわせた基礎的財政収支を黒字にする財政健全化目標を掲げているが、日本経済が実力よりかなり高い成長率を実現しても達成は難しい。政府は厳しい現実を直視し、真剣に対応策を考えねばならない。(後略)」

日経の紙面に財政政策の文字が躍ることはないと思うが、同社は、デフレ不況からの脱却に悉く失敗を重ねてきた“緊縮&改革路線”を変更する気などさらさらないらしい。

社説では、「内閣府が中長期の財政試算をまとめた。それによると、仮に中長期の経済成長率が物価変動の影響を除いた実質で2%以上、名目で3%以上で推移しても、20年度の基礎的財政収支は8.3兆円の赤字になるという。赤字額は昨年7月時点の前回試算より2.8兆円増えた。」と、PB赤字額をしきりと気にしている。

筆者は、政府の財政赤字やPBなんて、まったく気にする必要はないと思うし、こと、需要不足発の不況期においては、冷え込む民需を刺激するために積極的に赤字を膨らませるべきだ。

PBバランスの美しさよりも、家計や企業のフローとストックを正常化させる方が、遥かに優先度が高い。

日経も、それほどPBバランスを気にするのなら、過去の推移を検証すればよい。
(参考資料:世界経済のネタ帳 http://ecodb.net/country/JP/imf_ggxcnl.html)

上記URLから拾ったグラフを見れば判るとおり、PB黒字化の達成時期と、バブル期を中心とする積極財政政策期とは軌を一にしており、くだらぬ緊縮思想や構造改革に手を染め始めた辺りから赤字額が大きく膨らんでいる。

それほど税収を増やしたいのなら、その源泉となる民間経済を活性化させることが必須条件であり、企業や家計の消費・投資心理が冷え込む状態でそれを成すためには、政府による大規模な財政支出という「先行投資」が不可欠、という簡単な理屈だ。

しかし、日経の連中の考え方は180度異なる。
「経済の成長力を高めて税収を増やそうという発想は正しいが、円相場しだいで企業収益やそれに伴う税収は増えたり減ったりする。しかも高い成長率が実現するとは限らない。やはり税収増に過度に頼った財政健全化策は危うい。」
と主張し、税収増ではなく、支出削減で乗り切るつもりのようだ。

その具体策として、
「まず社会保障費を軸とする歳出の削減・抑制が急務だ。18年度は診療報酬と介護報酬の同時改定を控える。政府は直ちに社会保障の抜本改革の議論に入るべきだ。
 同時に、19年10月に消費税率を10%に上げられる環境をつくる努力も必要だ。社会保障と税の一体改革を含め、財政健全化計画をゼロからつくり直してはどうか。
(中略)
日本人の間で財政や社会保障への将来不安は高まり、足元の個人消費が伸び悩む一因にもなっている。超長期の財政や社会保障の姿を試算することを、不安解消策を考える一歩とすべきだ。」
といった具合に、社会保障の削減と消費税率引き上げの“緊縮二刀流”の断行を強く主張する。

日経新聞は、これまで失敗に失敗を重ねてきたダメ戦略に固執し、日露戦争時の二〇三高地攻略戦で指揮を執った乃木将軍の如く、犠牲を増やすだけの無謀な突撃命令を繰り返すしか能がない。

日経社説のように、緊縮能に侵された者は、「日本人の間で財政や社会保障への将来不安は高まり、足元の個人消費が伸び悩む一因にもなっている」と言いたがるが、観点があまりにもズレ過ぎだ。

国民は、
・年金支給年齢引上げ
・年金支給額減額
・年金保険料引き上げ
・医療費負担率上昇
・診療報酬や薬価改定による大幅な引上げ
・消費税や諸税の税率引上げ
などといった、社会保障の劣化や増税という生活コストの増加に対して不安を感じ、憤りを覚えているのだ。

しかし、そうした国民の想いを日経は見事に逆撫でしている。

日経は、「日本の財政は厳しいから、皆さんの年金は●万円減らします。また、医療費負担は●割まで引き上げます。それから、消費税率は10%じゃ足りないから30%くらいまで覚悟しておくこと。解りましたね。国民の皆さんは、贅沢言わずに我慢しなさい」と冷厳に言い放つことが国民の不安を和らげると主張する。

彼らは世情を読めない単なるバカだ。

(公財)生命保険文化センター「平成25年度 生活保障に関する調査」という資料によると、
医療や介護保険などの保障に関して、「不安感あり」と感じる人の割合は9割台に達し、その具体的な内容をみると、老後生活に対する不安では「公的年金だけでは不十分」 (81.4%)、死亡時の遺族の生活に対する不安では「遺族年金等の公的保障だけでは不十分」(43.7%) 、等々、いずれの保障領域でも、公的保障に対する不安を含めた経済的不安が上位に挙げられている。
(参照先:http://www.jili.or.jp/research/report/pdf/h25hosho_press.pdf)

そうした不安解消への対応策を尋ねた結果、「生活を切りつめても私的準備必要」(67.4%)が約7割を占め、自助努力意識が高い割合となっており、「社会保障の劣化→支出の切りつめ」に直結することが素人目にもよく判る。

緊縮教を妄信する日経の連中が、どんな幻覚を見ているのかは解らぬが、「社会保障費削減&消費税増税=民間消費削減=税収減少=PB赤字拡大」という図式くらい、普通の常識を兼ね備えた人間なら、誰でも想像がつくだろう。

筆者は、民間経済の活性化こそ善であり、政府の財政健全化なんてどうでもよいと考えているが、敢えて財政健全化の答えを探るとすれば、どうすればよいだろうか?

答えは極めてシンプルだ。

『日経社説のように“負けるための戦略立案に長けたバカ”の真反対の政策を実行すればよい』

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