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2017年2月26日 (日)

人手不足は移民推進の言い訳

久しぶりに、経済財政諮問会議の資料に目を通してみた。

2月15日に開かれた「平成29年第2回経済財政諮問会議」の議事要旨から、出席した民間委員の発言をチェックすると、珍しく、「働き方改革=企業の残業代減らしではいけない。改革の成果である生産性の向上や業績向上が適切に給料に反映される仕組みが重要」(高橋日本総研理事長、新浪サントリーHD代取)といったまともな発言もあった。
(「適切に」という言い回しを、どう解釈するかにもよるが…)

しかし、相変わらず、
①IT業界を中心とする人材不足を外国人の活用で補うべし
②税・社会保険料の負担による子育て世代の消費低迷対策として社会保障制度改革が必要
といった移民推進論に凝り固まっている様子が覗える。

IT人材不足の件について、民間委員から提出された資料によると、2016年時点のIT供給人材は92万人で不足数は21万人に達し、これが2020年に37万人、2030年には79万人へ拡大するとされ、諮問会議の場においても、伊藤・新浪・高橋・榊原の民間委員4名が揃って外国人材の積極的な受け入れと活用が必要だと発言している。

例えば、
「コンピューターサイエンスの学科が少ない状況にある中で、即座に日本人の人材を補強することはできないので、そういった意味で、外からの高度人材の確保に向けて施策を早急に進めていくべきではないか。」(新浪氏)
「高度なIT人材の獲得競争は世界的に激化しているが、日本でも積極的に海外の高度人材確保の迅速化を図るべきである。そこで、例えば海外で余っている高度IT人材を国内で就労させるという特別なスキームにより彼らを活用する。そして、我々のギャップを埋める。」(榊原氏)
といった具合に、“日本にはIT人材がいない”、“外国人を頼って輸入するしかない”という勝手な前提の下に、国民の意見を無視して、都合よく移民促進のレールに沿った議論を進めようとしている。

彼らは、IT業界の人手不足を懸念するが、単になり手がいないことを嘆くだけで、IT業界が抱える慢性的な人手不足の問題を根本的に解決する気なんて、さらさらない。

経済産業省の資料『IT人材を巡る現状について(平成27年1月)』によると、情報通信業の国内従業者数はH25で107.6万人に対して、同業界の外国人労働者数は2.8万人と僅か2.6%に過ぎない。
【参照元】
http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shojo/johokeizai/it_jinzai_wg/pdf/001_04_01.pdf#search
http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shojo/johokeizai/it_jinzai_wg/pdf/001_04_02.pdf#search

業界の人材不足が本当に深刻で十万人オーダーで足りないのなら、そもそも、3%にも届かない外国人層を掘り起こすよりも、日本の高等教育を受け、日本語がストレートに通じる日本人層からの供給を図ろうとするのが常道だろう。

しかし、先に紹介した『IT人材を巡る現状について』では、
・景況不況による開発案件増減の調整弁となった多次請け協力会社の労働環境、雇用条件、待遇が悪化
・SI業界を中心に、「ブラック企業」、「デジタル土方」、「デスマーチ」、「新3K」のイメージが醸成
・業界全体にネガティブなイメージが蔓延し就労先としての魅力が低下、新卒学生がSI業界を敬遠
など、IT業界が抱える構造的問題により業界が疲弊し、人手不足の真因である“多重下請け構造による丸投げ委託”や“劣悪な労働環境による魅力低下”という体質は変わっていないと指摘している。

すぐに移民に頼りたがる輩は、問題や課題の改善を忌避し、移民受入れという安易なやり方に逃げ込んでいるだけだ。

こうした悪習や悪癖を取り除き、業界全体の改革をせぬ限り、国内のIT人材増員は望むべくもないし、いくら外国人を引っ張ってきても、すぐに逃げられるだけで根本的な解決にはならない。

なにせ、日本と違って諸外国では、IT業種は給与水準も仕事の満足度も高い人気の職業だから、ブラック業種の代表格と化している日本にまで、わざわざ来てくれる保証なんてどこにもない。
(例)
Q.「この仕事は給与が高い」
A.「よくあてはまる」…米国51.2%、インド47.4%、インドネシア30.8%⇔日本4.0%
Q.「自分の仕事の成果に対する評価」
A.「満足している」…米国51.0%、インド42.6%、インドネシア34.8%⇔日本7.8%
【参考資料】『IT人材に関する各国比較調査(概要版)』(経済産業省)http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160610002/20160610002-8.pdf

こうした実状をまったく考慮せず、経済財政諮問会議の連中は、人手不足を移民促進の突破口に悪用しようとし、「●●業界は人手不足が深刻」→「3Kで日本人がやりたがらない」or「教育システムの不備により日本には人材がいない」→「外国人材(移民)を活用するしかない」→「移民が暮らしやすい社会を創るため、日本の社会構造全体の改革が必要」と、話がどんどんエスカレートしている。

彼らの戯言は、「移民のために日本人は何ができるか、何をすべきか」という風にしか聞こえない。
この手の売国奴には、『いったい、お前たちは、どこの国の人間なんだ??』と厳しく問い質す必要があるだろう。

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コメント

IT業界で人手不足なのは低賃金と長時間労働という労働環境の悪さからくるものなのに、労働条件を改善せず移民で人手不足を解消すると、いつまで経っても日本人の賃金は上がらすデフレから脱却できないよ。
黒田バズーカーが成功し長年放置されてきた過度の円高が解消して、ようやく企業が儲けられる様になってきているのに、移民が増えたらいつまで経っても日本人の賃金は上がらず、日本経済は再生しないよ。
もう既に、コンビニエンスストアー、工場、スーパー、牛丼屋、弁当屋、インド料理店なんかではたくさんの外国人労働者が働いており、これが原因で日本人の賃金は上がらす、日本経済は復活しないだろなーって感じです。

円高から円安になっても、輸出企業は儲けられますが、多くを輸入に頼っている日本では、輸出企業以外は逆に不利になるだけです。さらに、トヨタやホンダは、円安で儲けても、国内にそれほど還元しないので、国内が潤うはずがないのです。

より端的にいうと、円高から円安に為替操作することは、内需を大幅に犠牲する代わりに、輸出企業を儲けさせることに他なりません。円安になれば、日本経済は再生するという言説自体が大嘘です。

勿論、移民も、賃金低下や犯罪の原因になるので、大きな問題です。
しかしながら、特に小泉構造改革以降、労働者は段々と不利な立場になっていますので、移民犯罪はともかく、賃金低下は移民だけの問題ではありません。企業が楽に儲けようとする一手段に過ぎません。

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