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2017年2月 3日 (金)

意識改革のきっかけ

『「報復関税の標的」警戒 トランプ氏が批判の為替、協議の焦点に』(産経新聞 2/2)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170202-00000081-san-bus_all

「トランプ米大統領が1月31日、日本の為替政策を円安誘導と批判したことで、巨額の対米貿易黒字を抱える中国だけでなく、日本も「為替操作国」に認定される懸念が出てきた。トランプ氏は中国製品に45%の関税を課すと報復措置を予告しており、日本も標的になりかねない。米新政権が要求する2国間の通商協議でも焦点に浮上しそうだ。(後略)」

トランプ大統領が、批判する「日本の為替政策」とは、日銀の大規模金融緩和のことであり、黒田バズーカがアメリカの標的にされているということになる。

アメリカが文句をつける『為替操作国』とは、ウィキペディアの解説によると、次のとおりだ。
「アメリカ財務省は、1988年から毎年2回議会に対して為替政策報告書を提出している。それに基づき、対米通商を有利にすることを目的に為替介入し、為替相場を不当に操作している国に対してと議会が為替操作国と認定する。為替操作国に認定された国は、アメリカとの間で二国間協議が行われ通貨の切り上げを要求される。またアメリカは必要に応じて関税による制裁を行う。」

要は、アメリカの貿易政策に不利益となる輸出国を標的として吊るし上げる、という、スーパー301条と同様に、まことに自分勝手な言いがかりに過ぎないから、こちらも毅然とした態度で反論すればよい。

為替政策は、国家が当然のように行使できる経済政策の一手法であり、他国から四の五の文句を言われる筋合いはない。
やらない方がバカを見るだけのことで、アメリカに対して「文句があるなら、貴国もドル安操作をすればよい」と言い返すべきだ。

日銀は公式には認めていないが、量的金融緩和政策の狙いの一つに、円安効果がビルドインされているのは周知の事実で、2013年10月に岩田副総裁が講演した、中央大学経済研究所創立50周年記念公開講演会でも、
「予想インフレ率の上昇は株高や外貨高(=円安)をもたらす」、
「外貨高の効果として輸出の増加はすぐに思い浮かびますが、海外から日本への旅行者による国内サービス需要を増やす要因である点も見逃せません。」、
「円安によって輸入製品やエネルギーの価格が上昇するだけでなく、堅調な消費を背景に、これまで下がり続けてきた耐久消費財などの価格下落幅も縮小し始めました」、
「金融緩和政策は国債、株式、外国為替のような資産市場には直ちに影響を及ぼします」
と、金融緩和政策が為替効果(=円安誘導)を狙っていることを認める発言をしている。

さらに、彼を信奉するリフレ派の面々も、量的緩和政策の狙いが、予想インフレ率UPによる実質金利低下と円安誘導による輸出額UP&輸入物価上昇であることを方々で公言しており、いまさら、“量的緩和政策は為替操作を意図したものではない”なんて言い訳する必要はない。

堂々と、
・金融緩和政策は為替政策による円安効果を企図するものである。
・途上国との競合により体力を奪われた国内の輸出型企業及び関連産業の振興に資するものである以上、アメリカから何と言われようが、為替政策を断行する。
・アメリカが、為替操作国云々とクレームをつけ、制裁措置を発動する気なら、当方も帰国からの輸入品に同率の高関税を課すぞ。
と主張すればよい。

筆者としては、必ずしも、円安=日本経済の利益とはならず、その効果は中長期的には中立付近に落ち着くと考えており、正直に言ってどうでもよい。

今回のトランプ発言は、円安や為替操作の是非云々の話ではなく、世界中のどの国に対しても、きちんと日本の国益を主軸とする主張や交渉がする、という、より高いレベルの問題として捉えるべきなのだ。

アメリカからの言いがかりに何も言い返せないようなら、中韓やEUにすら舐められるだけで、今後見込まれる貿易交渉の行く末が思いやられる。

財政政策や金融政策は、各国固有の政治的大権に基づき行われるべきもので、他国がそれに文句をつけるのは、明らかに内政干渉である。

アメリカのFRBは金融政策の出口を探り、政策金利引上げに舵を切ろうとしており、トランプ発言も、政策変更に伴うドル高の影響緩和を狙ったものであろう。
国家の経済政策は激烈な競争下にあるのだから、アメリカの事情に配慮し、忖度する必要などないし、円安が日本の国益になる(※筆者は同意できないが…)と信じるのなら、それを堂々と断行すればよい。

トランプ政権に代わり、これまでの日米関係に関するレジームは変化しているのだから、余計な腹芸でお茶を濁す必要はなく、日本の国益を第一に主張し、それを基に交渉すべきだ。

アメリカの国益を前面に出して難題を突き付けてくるトランプ氏の手法は、日本の政治家や官僚たちが自立的な発想や交渉をできるようになるための格好の練習台になる。
彼の刺激的な発言を、日本の政・官・財・報や国民に長らく染みついた、醜悪な従米体質の払拭につながる意識改革を促すきっかけにしたい。

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