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2017年2月 7日 (火)

成長の道を閉ざそうとする詭弁師たち

【詭弁とは?】
1 道理に合わないことを強引に正当化しようとする弁論。こじつけ。
2 論理学で、外見・形式をもっともらしく見せかけた虚偽の論法。
(デジタル大辞泉より)

経済政策論の世界には、数多くの詭弁が溢れている。

例えば、読者の皆様も、政府諮問会議の資料やマスコミ報道、経済系ブログなんかで、以下のような惚けた言説を耳にしたことがおありだろう。

①日本の借金は世界最悪。とにかく借金返済が最優先課題だ
②成熟期を迎えた日本の潜在成長率は、せいぜい0.5%くらいだから1%を超える成長なんてムリ
③グローバル化に乗り遅れぬよう社会構造の改革による体質改善が最優先だ
④少子高齢化を迎え労働人口が減るから、外国人を活用するしかない
⑤財政政策なんて時代遅れ。変動相場時代は金融政策だけで十分だ
⑥インフレ期待を起こせば、民間投資も増えるはず
⑦輸入を増やせば、輸出も増えるはず
⑧日本は他国と比べて格差が少ないから、現状程度の経済環境で何の問題もない
⑨産業の空洞化なんて起こっていない

上記の①~④辺りは、経済成長を諦め、縮小社会を前提とした改革ゴッコにしか興味を持てぬやる気のない成長放棄論者やナマケモノ論者たちが、よく口にする言葉だ。

⑤~⑥は、成長の意志はあるものの、方法論を間違えて、目的と手段とが入れ替わってしまった金融政策万能主義者たちが陥りがちな勘違いだ。

残りの⑦~⑨は、日本という国の将来に何の関心も持たぬ“単なる薄鈍”の戯言に過ぎない。

詭弁界に占める各々のシェアは、ナマケモノ論:金融政策万能主義:薄鈍=98%:1.9%:0.1%
くらいの感じで、成長放棄のナマケモノ論が圧倒的多数を占めていると感じる。

この手の諦観論や改革論は、マスコミ受けが良いせいか、他の追随を許さぬ物量とスピードで世に蔓延し、いまや、国民の多くがナマケモノ論に感化されていると言って差し支えないだろう。

マニアックな金融政策万能主義は国民の知的興味を惹くことができず、薄鈍の戯言は、そもそも相手にすらされていない。

一方、成長放棄論者から、“競争が足りない”とか“努力が足りない”と罵声を浴びせられると、元々自虐性の強い国民性が反応するせいか、国民の大半は、「生産性が低いのは自分たちの努力不足かも」、「贅沢言わずに大人しく働くしかない」、「もう成長なんてムリだから、コツコツ切り詰めるしかない」と自分を責め始めるのがオチだ。

たいがいの国民は、口先では、“景気を良くしてほしい”とか“社会保障の充実を望みたい”なんてブツブツ文句を言うくせに、マスコミの連中から、「日本の借金が~、少子高齢化社会が~、グローバル化が~」と言われた途端に、“もう成長を望む時代じゃない”、“子孫にツケを残さぬよう早く借金を返さないと”、“グローバル化に備えて英語くらい話せないとな(俺はやんないけど…)” などと、物わかりよく態度をコロッと変えてしまう。

筆者は、国民が、経済成長や豊かな生活を手に入れようとする意志を失いつつある実状を、非常に強く危惧している。

筆者が目的とする経世済民も、その手段としての機能的財政論も、生活向上や豊かな社会の実現を望む国民の意志と想い失くしては、何の意味もないからだ。

こうした国民の諦観論を助長するのが、次に紹介するような詭弁コラムの氾濫であろう。

『政府は倒産しないの?』(アゴラこども版 2/5 池田信夫)
http://agora-web.jp/archives/2024263-2.html

「財務省の人や経済学者が「日本の財政は危ない」というと、「政府は倒産しないから大丈夫」という人がいます。倒産というのは資金ぐりがつかなって借金が返せなくなることですが、政府はいくらでもお札を印刷できるから借金がいくら増えてもかまわない、というのですが、本当でしょうか?
いくらでも(名目で)借金できるというのは本当です。日本政府の借金はいま1000兆円ぐらいですが、いくら増えてもお札を印刷すれば返せます。これを名目債務のデフォルトは起こらないといいます。
でも借金を返す財源は税収(社会保険料を含む)しかないので、たとえば今後の税収の実質現在価値(会社の時価総額みたいなもの)が500兆円だとすると、500兆円足りないことになります。この足りない分はどうやって払うんでしょうか?(後略)」

コラムでは、この後で、税収減少→国債価格下落→金利高騰→借金返済のための日銀券増発→インフレ→国債や日銀券を保有する国民の財産価値が下落する、と警告し、財政収支の均衡が絶対善だと説いている。

池田信夫のバカさ加減と発想の醜悪さは、これまで何度か指摘してきたが、それは、彼の「借金を返す財源は税収(社会保険料を含む)しかない」という一言に集約されている。

これこそ、歴代の政権や政治家、官僚、報道機関、エコノミスト、識者たちはおろか、日本人の大半に至るまでに蔓延し、20年以上にもわたり経済政策の判断を誤らせ続けてきた病根そのものである。

筆者や、進撃の庶民(http://ameblo.jp/shingekinosyomin/)のブロガーの皆様(推薦ブロガーも含む)が、日々訴えているのは、突き詰めると、この一点、『国債償還の財源は税収のみという妄想をいかに克服できるか』というポイントに尽きる。

「財出(歳出)=税収の範囲内」という間違ったギャップを取り払うと同時に、
●国債償還に熱中して、その残高を縮小させてはならない
●実体経済を成長させるための糧として、国債は永続的に増やし続けるべきもの
●財出に必要な財源は、国債発行、日銀直受け、政府紙幣発行など無限にある
●税収の意義は、再分配機能と景気調整機能にあり、財源問題とは切り離して捉えるべき
●管理通貨制度下において、高度かつ強大な供給能力を有する我が国には、財源問題や借金問題なんて端から存在しない
●政府の収支バランスなど二の次で、民間経済(家計と企業)のフローとストックの改善こそが最優先
●財出=高インフレという思い込みは、生産力の乏しかった前近代時代の遺物にすぎない
●国家の経済に停滞や衰退など許されるはずがなく、常に成長を目指すべき
●仮に高インフレが発生したならば、国民が生産性向上や代替品開発に汗を流して克服すればよい
●デフレのせいで縮減し続ける雇用と所得に怯えるくらいなら、雇用や所得が伸び続ける中でインフレと闘う方が、遥かに容易かつ有意義である
●最も重要なのは、国民生活の維持向上を永続的に支え続けるための国富(=モノやサービスの供給能力)を漸増させられるような豊饒な経済環境を創出すること
といった考え方を広めていく必要がある。

そのためには、詭弁師たちが吐いた妄言の除染作業をこまめに続けるとともに、汚染の発生源を消毒しておく必要があるだろう。

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