無料ブログはココログ

リンク集

« フリートレード信者の幻覚 | トップページ | 名目値も、実質値も重要 »

2017年2月20日 (月)

供給制約論はただのゴミ

『少子高齢化社会を迎えた日本では、もう需要は増えない。たとえ増えたとしても、労働人口も減ってるから、供給が追いつかない』
どうしても日本経済を成長させたくない“成長否定論者”が、こんな大嘘を平気で吐いている。

モノやサービスに対する需要には、①数量増加 ②付加価値増加の2つがあるが、成長否定論者のように実業を知らぬシロウトは、「需要増=数量増」としか考えられず、“労働集約型産業は人的資源がギリギリだから、急な供給増加なんてムリ”と勝手に結論付けてしまう。

だが、「需要>供給」の状態になる(あるいは、そうなる確信が持てる)と、ちょっと目端の効く経営者なら、人材や設備投資など販売拡大に向けた準備に取り掛かるだろう。

筆者が相談を受ける中小企業の中には、たいした需要も見込めないのに、需要があるはずだと信じ込み、事業計画も立てぬまま、数千万円もする設備を買いに走る経営者も珍しくないから、需要が確保される確信さえ持てるならば、設備や人材育成へ、かなり積極的な投資がなされるであろうことは想像に難くない。

以前、拙ブログ(「需要不足の解消が、人手不足の解消にもつながる」http://ameblo.jp/kobuta1205/page-2.html)でもご紹介したとおり、中小企業基盤整備機構の「中小企業業景況調査」で「今期直面している経営上の問題点」を尋ねたところ、

【製造業】
①需要の停28.0% ②生産設備の不足・老朽化11.7% ③製品ニーズの変化への対応11.3%
【建設業】
①官公需要の停滞16.2% ②従業員の確保難14.8% ③民間需要の停滞14.0%
【卸売業】
①需要の停滞35.5% ②販売単価の低下・上昇難9.3% ③大企業の進出による競争の激化8.6%
【小売業】
①需要の停滞19.2% ②大・中型店の進出による競争の激化17.7% ③購買力の他地域への流出15.7%
【サービス業】
①需要の停滞18.4% ②利用者ニーズの変化への対応18.2% ③従業員の確保難12.0%

等々、何れの業種でも「需要不足」が経営上の最大の悩みに挙げられており、裏を返すと、“需要の裏付けさえあれば積極策に打って出る覚悟がある”という何よりの証である。

また、日銀大分支店の『大分県における設備投資動向の現状と先行き(2016年6月』というレポートによると、

「設備投資の弱さの背景については、(1)人口減少や少子高齢化の進展に伴う中長期的な需要縮小懸念、(2)先行きの不透明感の高まり、(3)企業収益の弱さ、に整理可能」、

「一部には、(1)中長期的な事業強化、(2)旺盛な需要の取り込み、(3)人手不足への対応、などを企図して積極的な設備投資に踏み切る動きもみられている」

との記述がある。
このことから、設備投資弱含みの原因は「需要不足」や「受注環境の先行き不透明感」にあり、それさえ払拭されるなら積極的な設備投資に踏み切ろうとする企業の強い意欲が覗える。

こうした実態は、なにも大分県に限ったことではなく日本全国に敷衍できるはずで、需要や受注の長期的な見通しさえ立てば、企業サイドは投資や人材確保に積極的になれるというごく当たり前の現象がデータで示されただけのことだろう。

商機や儲けのタネが目の前に転がっていれば、全力を尽くしてそれを奪い、機会ロスを回避しようとするのが、企業たる者の本分であり、人手不足云々を言い訳にすれば、他社に出し抜かれるだけのことだ。

もう一点、成長否定論者のシロウトさ加減が判るのは、付加価値増加の側面から需要増加を捉えることができない点だろう。

適切な経済政策が打たれ、家計の所得が増え、将来の増収期待も高まるような好環境になったなら、人々は購買点数を増やすとともに、購買物の質も向上させるはずだ。
具体的に言うと、200ℊで我慢していた豚肉を300ℊに増やしたり、100円の板チョコから400円のケーキにランクアップしたり、あるいは、第3のビールから生ビールへと、より高価格な商品に手を伸ばす者が増えるようになる。

こうした「質や価格面での需要増加」が起きた場合に、それに対応する供給力UPを図るのは、さして難しいことではない。
単に値札を書き換えるだけで済む場合、少々グレードの高い包材を使うだけで済む場合、ワンカップ酒を減らし地酒の陳列数を増やせば済む場合、スイーツのトッピングを1~2点増やせば済む場合等々、いくらでも工夫のしようがあり、供給サイドの伸びしろの範疇で問題なく対応できる。

“需要増に供給サイドが即座に応えられないから、需要主導型の経済成長なんてあり得ない”という成長否定論者の戯言なんて聴く価値もない。

彼らは、経営者の発想や企業活動の実態をまったく知らないから、供給力の源となる需要のパワーを蔑み、勝手に“供給力限界説”を唱えて悦に入っているが、要は、インフレの萌芽につながりかねない経済成長に怯えているだけのナマケモノだ。

経済成長を語る際に絶対不可欠の条件となる「需要増加の将来的確信」を避けようとする論者は、役立たずのジャンクに過ぎない。

« フリートレード信者の幻覚 | トップページ | 名目値も、実質値も重要 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1436015/69611714

この記事へのトラックバック一覧です: 供給制約論はただのゴミ:

« フリートレード信者の幻覚 | トップページ | 名目値も、実質値も重要 »

最近のトラックバック

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31