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2017年3月25日 (土)

バカのひとつ覚え「ジンバブエ」

『米利上げで国債漬けの日銀に「債務超過」の危機』(ダイヤモンドオンライン特任編集委員 西井泰之 3/17)
http://diamond.jp/articles/-/121602?page=3
「米国の連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げを決めたが、「物価上昇率2%」の目標を掲げる日本銀行は、直後に開いた政策決定会合で超金融緩和を続けることを決めた。だが日米の金利差が拡大し、国債(長期金利)市場が不安定な動きをしかねない中で、日銀は金利上昇を抑えようとしてまた国債購入を増やすことになりかねない。借金財政をファイナンスする“国債漬け”日銀の「出口」はますます見えなくなった。(後略)」

西井氏の主張は次の4点に集約される。

①「いったん金利が急騰(国債価格が急落)すれば、財務基盤にも影響が出る。(中略)途中で売ると「含み損」が表面化するから、物価が上がって金融引き締めをしようにもできなくなる。インフレが止まらなくなり、結果、国債の額面が維持されても資産価値は目減りしてしまう。」

②「政府が増税を先延ばしし財政健全化に取り組む姿勢が見えなかったり、財政が破綻寸前だったりという国の中央銀行が発行する通貨はどうなるか。通貨の信認が崩れて超インフレになり、自国通貨を国民すら使わなくなったジンバブエなどの例でも明らかだ。」

③「政策金利がゼロになった時点で、金融政策がやれることはほぼ限界にきていた。銀行の貸出金利を下げて企業の投資を促すには、銀行の短期市場での資金調達コストを下げることしかない。だが短期金利がゼロまで下がってしまえば、その効果はそこで終わる。」

④「政府の財政再建努力は先送りされて、日銀保有の国債残高は増え続け、財政ファイナンスの性格を帯びる。民間でも、超低利局面が長く続いてきた結果、「ゾンビ企業」が生き残って、新陳代謝、産業構造の転換が遅れ、一方で国債や上場投信などの市場は“官製”化が進んでしまった。」

①は日銀B/S棄損論とハイパーインフレ懸念論で、②は通貨信認崩壊論、③は金融政策限界論、そして④のゾンビ企業排除論へと続く。

まず、①について、西井氏も触れているが、日銀の保有国債は満期償還目的のため評価損は生じないし、そもそも通貨発行元たる日銀の財務基盤云々を語ること自体がまったく無意味だ。

また、西井氏は、極度のインフレ発生時に国債売りオペができないことを心配しているようだが、政策金利の引き締めや融資の総量規制、増税などインフレ防止策はいくらでもあるし、いざとなれば、日銀の含み損など無視して売りオペを仕掛ければよいだけのことだ。
日銀の財務と国民経済とのどちらが大切なのか、政治が冷静に判断すれば自ずと正しい答えは出る。

まあ、4年もの歳月を経て、300兆円以上の資金を使っても、僅か2%のインフレ目標にすら到達できないありさまだから、極度なインフレを心配する方がどうかしている。

次に②について、ハイパーインフレとか通貨の信認云々の与太話をするのは勝手だが、いい加減に“ジンバブエ”しかネタが無いのか?

日本の財政破綻論は、20年以上前から公然と囁かれるほど年季が入っているが、インフレどころか、何時終わるとも知れぬデフレに悩まされ、通貨の下落どころか、絶えず円高に怯えているではないか。

西井氏は、ジンバブエ国民が自国通貨を使わなくなったと脅しつけるが、日本人の“円に対する絶大な愛情”は天井知らずで、2016年末の家計の金融資産残高は1800兆円(昨年比+0.9%)と4四半期ぶりに過去最高を更新したと報じられたばかりだ。
しかも、金融資産増加分のほとんどは“円”による現預金であり、資産の海外逃避の動きは見られない。

③の金融政策限界論については同意するが、だからと言って、西井氏のように、出口論(金融緩和縮小)への誘導を急ぐ必要はない。

せっかくの史上空前の低金利環境を活かすためにも、大規模な財政政策を打つことで企業や家計の投資・消費意欲を喚起し、金融政策をサポートしてやればよい。

最後に④のゾンビ企業排除論は、経済連関を無視した夢想論に過ぎない。

西井氏は、企業活動の何たるかをまったく理解できていない。
日本企業の67%近くが赤字企業という惨憺たる状態で、赤字企業(ゾンビ企業)狩りなんかやった日には、間違いなく経済がクラッシュするだろう。

企業全体の7割近いゾンビ企業とて、実体経済においてモノやサービスを売り買いするわけで、そうした経済活動が黒字企業の富の源泉にもなっている。
黒字企業は黒字企業同士だけの商売で業績を維持しているわけじゃないことくらい、普通の人間ならすぐに理解できるはずだが?

素人に限って、新陳代謝とか産業構造の転換なんて言葉を軽々しく使うが、ゾンビ企業を退場させてしまえば、実体経済は失業者で溢れ返り、ただでさえ事業化確率が低い新規創業者の事業環境はますます悪化し、新陳代謝どころか、創業マーケットは死屍累々の状態と化すだろう。

西井氏のようなドシロウトに言っておきたいのは、産業構造の転換も、新陳代謝も、財政再建優先主義がもたらす超デフレマーケットよりも、放漫財政が創り出す成長マーケットの方が、遥かに実現しやすいということだ。

経済は結果がすべてであり、その結果をもたらし得るのは「所得や売上に直結するマネー」でしかない。

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