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2017年3月 1日 (水)

インフレ恐怖症

『シムズ理論への言及「急浮上」 消費税増税「再延期の狙い」?』(J-CASTニュース 2/25)
http://www.j-cast.com/2017/02/25291333.html?p=all

詳しくは上記URLをご参照いただきたいが、記事ではシムズ理論を、
「FTPLは、国の借金の返済原資が足りない場合、増税ではなく、インフレで借金を「返す」という考えだ。例えば借金の半額しか返済原資がなければ、100%のインフレで原資の額面を2倍にすれば返せるという理屈だ。ポイントは、政府が、「増税ではなく、インフレで(借金を)帳消しにすると宣言すること」(日経新聞2017年1月29日付朝刊シムズ教授インタビュー)。それによりインフレ予測が高まり、モノの値段が上がる(お金の価値が下がる)前に投資や消費をしようとして、モノが売れ、物価が上がる理屈だ」
と解説しつつ、財政拡大は、物価上昇ではなく、単に国債のリスクプレミアムの増加による金利上昇を招くだけで望ましいシナリオではない、と否定的な見方をしている。

以前のエントリーでも述べたとおり、シムズ理論に対して、筆者は懐疑的な見方をしている。

なぜなら、
・FTPLの一義的な目標が、国民生活向上や経済成長ではなく、インフレ目標達成に置かれていること
・消費税増税の延期を提案しつつ、それが、インフレ目標達成までの期限付きに過ぎないこと
・どうやってインフレにするのか(=インフレ目標を達成)について、具体的な説明が欠けていること
・“政府債務は削減すべきもの”という文脈からインフレ活用を訴えていること
・財政政策を、インフレ目標実現のための道具とした考えていないこと
等々、彼の理論からは、どこからともなく怪しいリフレ臭が漂ってくるからだ。

だが、それでさえ、今回ご紹介した記事のような緊縮や改革にしか興味を持てぬ大バカ者に比べると、遥かにマシだと言える。

記事では、大手紙経済部デスク(たぶん日経だろう)のコメントを借りて、次のようにシムズ論を批判している。

「「財政拡大を始めたら、やめると景気を冷え込ませかねないため、実際にやめるのは困難で、結局、インフレをコントロールできなくなる恐れがある」とエコノミストは指摘する。」

「そもそも、インフレで財政赤字を帳消しにするということは、インフレで預金が実質的に目減りする国民の負担で財政再建するということ。公的債務が国内総生産の2倍にも達する日本で、すさまじいインフレが必要になりかねない。」

「国民の反発が必至のインフレとは言えないのだろうが、著名な学者の理論を借りて、実際には消費税率引き上げを再び先送りし、財政再建目標を撤回するお墨付きにしたいという狙いではないか」

先ず、財政政策を一旦始めると止められず、インフレを制御できなくなる、とのコメントは、緊縮派の常套句だが、こんなものは子供騙しの大嘘である。

この手の緊縮教徒(狂徒)に念を押しておくべきことは、
①財政政策は実体経済の主要エンジンであり、景気動向に応じて止めるべきものではないし、止めてはならない(無論、速度調整は必要だが…)
②インフレの制御はそれほど難しいものではなく、高度成長期でもインフレ率が二ケタ越えしたはたったの3回に過ぎなかった(残りは、せいぜい3~7%くらい)
という事実だろう。

「インフレさえ起こせば経済成長するはず」というリフレ論は幼稚な勘違いに過ぎないが、「巡航速度で経済成長させると自然にインフレ率が上昇する」というのは当然のことだ。

経済成長による分配の果実が適度なインフレを惹き起こし、生産性向上によってそれをコントロールする、というのが、経済政策の常道だろう。

次に、インフレで財政赤字を帳消しにしようとするなら、過激なインフレが避けられない、という極論にモノ申したい。

そもそも、“管理通貨制度&自国通貨建て内国債かつ保有者の大半が国内経済主体”という条件下で、財政赤字を帳消しにする必要など一ミリもない。
1,000兆円超の国債をすべて帳消しにするほど過激なインフレなんて起こせるはずがないし、起こす必要もない。

国債恐怖症に憑りつかれた狂人の心理を推し量ることはできないが、国債の何にそれほど怯えているのか?
そんなに国債返済財源が心配なら、政府紙幣発行権を駆使して国債整理基金を別建てで積み、マーケットの消化状況に応じて基金を取り崩して返済すればよい。

本気で国債を返済して償却してしまうと、債券市場の出物が枯渇するから、基金を積んで何時でも返せるぞというポーズを取るだけでよいのだ。

最後の、“消費税率引上げの再延期と財政再建目標撤回のお墨付きを与えるためにシムズ理論を利用するのはけしからん”との意見には、呆れてモノも言えない。

緊縮バカや財政再建バカの連中には、「消費税引上げ&財政再建という超緊縮政策の向こうに、日本経済のグランドデザインをどう描くつもりなのか、明確に説明してみろっ‼」と言っておきたい。

バカ者どもは、「インフレ=庶民の敵」とばかりにシムズ理論を警戒するが、彼らが支持する「超緊縮政策」という苛政がもたらす暴力的なデフレこそ、庶民から“雇用・所得・預金利息”を奪い去り、ささやかな成長への希望をへし折った張本人であろう。

周回遅れのシムズ理論にケチをつける暇があるのなら、そこからさらに2~3週は遅れている自らの不明をとくと恥じるべきだ。

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