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2017年3月 7日 (火)

負け試合を認められぬ愚者

『エンゲル係数29年ぶり高水準 共働き増・値上げ… 16年、0.8ポイント上昇の25.8%』
(日経新聞2/17)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS17H4O_X10C17A2EE8000/
「総務省が17日発表した2016年の家計調査速報によると、家計の支出に占める食費の割合である「エンゲル係数」は2人以上の世帯で前年より0.8ポイント上昇して25.8%となった。1987年以来29年ぶりの高水準。食品価格が上昇したほか、共働き世帯の増加で調理食品などの購入が増えたことが背景にある。衣料品などを買い控えており、家計の節約志向は根強い。(中略)
SMBC日興証券の牧野潤一氏は「16年は賃上げより食品値上げの影響が大きく、節約志向が高まった」とみる。特に無職世帯にとって値上げは家計に打撃だ。高齢夫婦の無職世帯ではエンゲル係数が15年から1.7ポイント上昇の27.3%となった。」

少々賞味期限の切れかけた話題だが、エンゲル係数がここ2~3年急上昇していると報じられた。
エンゲル係数は2014年/24.0%→2015年/25.0%→2016年/25.8%と上がっており、1987年並みの水準まで戻ってしまった。

エンゲル係数の動きについては、中食市場の拡大や個食化、働く女性層の増加など、ライフスタイルや食生活の変化に応じたもので貧困化とは別の次元だ、との指摘もあるが、見苦し言い訳にしか聞こえない。

家計が「食」に求めるニーズに高級化し、そこにかける費用を意図的に増やしているのなら構わないが、現実はそれほど甘いものじゃないことくらい、普通に暮らす人ならすぐに解るだろう。

総務省の「家計調査報告」によると、2017年1月の二人以上世帯の消費支出は、 1世帯当たり279,249円と、前年同月比実質1.2%減少、名目0.6%減少し、11ヵ月連続でのマイナスに終わった。
(※上記のエンゲル係数は2016年の数値で、今回の家計調査とは統計年が異なるが、大まかな支出傾向を見るためにあえて今年の統計を用いている)

特に「食料」(名目▲0.8)、「住居」(同▲6.4%)、「光熱・水道」(同▲1.9%)、「保健医療」(同▲7.1%)といった生活必須項目の支出は軒並み大きく減少しているのは、日経記事で指摘しているとおり、『賃上げ<食品など生活必需品の値上がり=家計の節約志向』という構図によるものと素直に理解すべきだ。

今回の家計調査報告では、「家具・家事用品」(名目+7.3%)、「教育」(同+6.6%)、「教養・娯楽」(同+3.0%)といった具合に、不要不急の支出項目の支出はかなり増えている。

一部の論者が主張するように、昨年のエンゲル係数増加の原因が人々の嗜好の高級化や個食化にあるのなら、今年1月の食料費支出も娯楽費と同様に増えていてしかるべきだが、両項目はまったく逆の動きをしている。

ここ数年のエンゲル係数の上昇は、食の高級化といったポジティブな要因によるものではなく、所得低迷下の食費値上がりによる家計防衛という非常にネガティブな要因によるもので、国民は「生活の貧困化」という危機に直面している。

「安倍首相は無難な政権運営をしている」、「なんだかんだ言っても、民主党時代より遥かにマシ」だなんて甘っちょろいことを言い、厳しくなる経済環境から目を背けているうちに、ぐんぐんと成長を続ける諸外国との所得伸長競争に敗れ、食料品や資源の獲得競争にも買い負けし続けた結果が、この体たらくなのだ。

“いろいろと批判はあるが、安倍政権は少なくとも民主党よりマシじゃないか”という論は確かにある。
だが、それは、大量リードを許し敗色濃厚な試合で、味方の攻撃時に送りバントを命じる愚将の采配を「堅実な采配、無難な采配」だと褒めちぎるようなもので、端から見ると、“いったい何処に眼がついているのか?”と疑いたくなるようなバカ評論でしかない。

悪化する現状を直視せず、“日本経済は着実に成長軌道に乗っている”と信じ込みたがる輩は、自分の半径2mの範囲内で起きた情報でしかモノを考えられない愚か者だ。

人々の収入や賃金が十二分に上昇し、食に対する嗜好の幅や選択肢が拡大した結果としてエンゲル係数も上がっているのなら何も文句を言う必要もないが、現実は真逆である。

新生銀行が20~50代の男性サラリーマンを対象としたアンケートでは、昼食代の平均は587円(2016年)と、2015年に一旦600円台に回復したが、再び500円台に逆戻りしている。

アンケートを始めた1979年は565円だったそうだから、40年近く経ってもほとんど変わらないレベルなのは悲しい限りだ。(ちなみにピークは1992年の746円‼)

なにせ、1979年の大卒初任給は10万9500円と、今の半分ぐらいの時代だから、実質的な価値から推し量ると、現在のサラリーマンの昼食代のレベルは40年近く前の半分程度しかないと言える。

こうした惨状を、『中食化や個食化の浸透』といった詭弁で誤魔化そうとするバカ者どもには、顔を洗って外に出てみろっ‼と言っておく。

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