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2017年4月17日 (月)

マイクパフォーマンスなら、もう聞き飽きた

ここのところ世界をザワつかせた北朝鮮騒動は、残念ながら沈静化の方向に向かいつつあるようだ。

未だ、米朝両政府が互いに振り上げ(るフリをし)た拳を完全に下したわけじゃないから、軽々に断定すべきではないが、両国が大規模な軍事衝突に発展する気配は薄れつつある。
トランプ大統領と金正恩との間に交わされた激烈な“マイクパフォーマンス”も、相手を威嚇するセリフの中身が細々としたものになるにつれて、グローブを打ち合う気迫が萎みつつあるのを感じる。

近年のアメリカは中東地域以外で軍事力を行使することに極めて及び腰で、特に、太平洋以西で起こるいざこざには首を突っ込みたがらない。
彼らが環太平洋地域に期待するのは交易による利得だけであり、南シナ海のシーレーン防衛も朝鮮半島問題も、あくまで他人事としか思っていない。

筆者は、今回の北朝鮮を巡る米朝対立が一線を越え、米軍による大規模な攻撃により、平壌行政府や北朝鮮国内の軍事・空港・港湾施設などが完膚なきまでに破壊され、金政権が転覆することを望んでいたが、そこまでの事態にはならぬ可能性が高いようだ。

「米空母派遣でも「北朝鮮攻撃」の可能性はほとんどない理由」(DIAMOND ONLINE 4/17 田岡俊次:軍事ジャーナリスト)
http://diamond.jp/articles/-/124912
「4月6日、7日のフロリダ・パームビーチでの米中首脳会談翌日の8日、米太平洋艦隊は原子力空母「カールヴィンソン」(9万3000t、約60機搭載)を北西太平洋に派遣すると発表した。同艦は3月からの米韓合同演習「フォール・イーグル」に参加後シンガポールに寄港、オーストラリアを親善訪問する予定だったが、俄かに朝鮮半島周辺海域に向かった。 (中略)
だが、米国にとっても北朝鮮に対する攻撃は第2次朝鮮戦争に発展する公算が大で、米軍、韓国軍に多大の人的損害が出るのみならず、韓国と北朝鮮に致命的な災禍をもたらすから、空母派遣も北朝鮮と中国に向けた一種の政治的ジェスチャーに過ぎないだろう。ただし、威嚇が効果をあげない場合、トランプ大統領は振り上げた拳を振り下げざるをえない立場になる危険はある。
 全面的攻撃ではなく、北朝鮮の首脳部や指揮中枢に対する特殊部隊の急襲が検討されている、と報じられるが、要人の所在もリアルタイムで知ることは極めて困難、これも全面戦争の口火となる公算が高く現実性は乏しい。」

朝鮮半島における軍事衝突問題を巡っては、専門家や軍事に詳しい論者から、次のような指摘がよくなされている。

①朝鮮有事勃発の際には、北朝鮮軍のロケット砲や長距離砲の攻撃により、朝韓国境から40㎞しか離れていないソウルが火の海になる。
②自暴自棄になった北朝鮮軍が放つ核攻撃や大陸間弾道ミサイルによる米国西岸や韓国、日本への攻撃が憂慮される。
③日中韓へ百万人単位の難民が押し寄せる。
④米軍による北朝鮮の軍事攻略により、日米韓と中国との軍事的緩衝地帯が失われる。
⑤北朝鮮国内で政権転覆を図る動きは期待できず、かと言って、米中ともに軍事的解決を望まぬ以上、打つ手がない。

筆者は、軍事や朝鮮半島をめぐる国際政治に関してまったくの素人であり、こうした指摘に的確に反論できる材料を持ち得ていないが、専門家の指摘を額面通り受け取る気もない。

まず、北朝鮮軍の兵力は、「主力戦闘戦車3500両、軽戦車560両、装甲兵員輸送車2500両、けん引砲3500門、自走砲4400門、多連装ロケット砲2500門、迫撃砲7500門、対戦車ミサイル(数不明)、無反動砲1700門、高射砲1万1000門。海軍は潜水艦92隻、フリゲート艦3隻、コルベット艦6隻、ミサイル艇43隻、大型巡視艇158隻、高速魚雷艇103隻、哨戒艦艇334隻以上、輸送艦艇10隻、沿岸防衛ミサイル発射台2台、ホバークラフト130隻、掃海挺23隻、小型艇8隻、測量船4隻を保有。空軍は爆撃機推計80機、戦闘機と対地攻撃機541機、輸送機316機、輸送ヘリコプター588機、攻撃ヘリ24機、無人機少なくとも1機を保有。(Wikipediaより)」とされ、総兵力は120万人(国民の約5%が徴兵)、核兵器の数は20基程度と推測されている。

一見すると、決して侮れぬ兵力のように見えるが、言うまでもなくこの手の兵力は、あくまでMAX値であり、これらを一斉に稼働させられるわけじゃない。

軍事攻撃には、作戦構築や指揮命令系統・補給体制の整備等々、物心ともに気の遠くなるような準備と膨大な物量の備蓄が要るため、実際の攻撃能力は表面上の保有兵器力よりも相当割り引いて考える必要があるだろう。

ソウルを火の海にするはずのロケット砲も、弾薬が無ければ意味がないし、所定の攻撃ポイントまで運搬するトラックの燃料が切れては使い物になるまい。
そもそも、米軍の攻撃開始により劣勢に立たされた北朝鮮軍の将校や兵士らが、陥落確実な平壌の上層部からの命令を律儀に守ってソウルを迅速果敢に攻撃するとも限らない。

これは、日米韓への核攻撃やミサイル攻撃の件も同じで、彼らが米軍の攻撃を掻い潜って核ミサイルを発射できるのか、絨毯爆撃から逃げ回る逼迫した状況でご自慢のミサイルを所期の目標に命中させることが可能か、敗色濃厚な自軍の惨状を目の当たりにしたかの国の将校たちが核のボタンを押す勇気を持ち得るか等々、核の脅威が顕在化するに当たり幾重もの疑問が湧く。

それにしても、誰もが世界最強と認める米軍の軍事力ほど、場面に応じて過大視されたり、過小視されたりするものはない。

ある時は、アメリカは自国の軍事力を背景に日本をはじめ各国を恫喝外交で屈服させてきたと評されてきたかと思えば、またある時には、先に紹介した田岡氏のコラムのように、旧式の兵器ばかりで弾薬の補充にも事欠く(おまけにミサイルの打ち上げも失敗続き)北朝鮮のような小国相手ですら制圧できないと評される。

いったい、米軍の真の実力とは如何ほどのものなのか?
強いのか、弱いのか、はっきりしてもらいたい。
北朝鮮すら倒せないほど頼りにならぬ軍事力なら、日本が米軍の庇護下にある必要などなく、早期に自主防衛力や敵地攻撃力を高め、米軍からの独立を果たせばよいではないか?

また、朝鮮有事の際に、北朝鮮から大量の難民が押し寄せる云々については、ほとんど心配していない。

仮に、米軍が本気を出して戦火を交えるような事態になっても、大規模なミサイル攻撃や空爆が中心で、陸上戦が長期化するとは思えず、多くの北朝鮮国民は日常生活を継続することを選択するだろう。(ほとんどの国民は、戦争が始まったことすら気付けないうちに終戦を迎えるのではないか…)

北朝鮮国民が、巷間伝えられるとおり国家に熱い忠誠を尽くすのなら、戦争勃発時には持ち場を離れず戦闘に参加するはずだし、その逆なら、自国の敗北を見込んで、解放軍が救援物資を持ってくるのをのんびり自宅で待っている方が経済的だろう。

何れにしろ、戦争勃発ともなれば、自国戦勝の確率はゼロ未満であることくらい、北朝鮮国民も十分に理解しているはずだから、食糧も無いまま苦労して何十㎞、何百㎞も歩いたり、ボロ船に乗って洋上に漕ぎ出し命を危険に晒すような真似をするバカ者はごく少数に限られるだろう。

もし、我が国に難民が漂着したならば、適切な治療と食糧の提供を施したうえで、速やかに朝鮮半島に送還すればよいだけのことだ。

北朝鮮の消滅により、米中間の緩衝地帯が失われる云々についても、やや大袈裟な話だと思う。

今回の北朝鮮騒動を巡って千㎞以上を飛び越すミサイルの脅威が論じられているのに、いくら陸続きとはいえ、軍事的な緩衝地帯の重要性を語るのは、もはや時代遅れだと感じている。

北朝鮮の核ミサイル(たぶん中身はスカスカだと思うが…(´・ω・`))や米軍がアフガンに落とした非核兵器の威力が具体的に語られるにつけ、たかだか数百㎞程度の緩衝地帯の存在に大した意味があるとも思えない。

田岡氏のコラムでは、もはや米中ともに打つ手なしと匙を投げた格好だが、米軍がこのまま引き下がるようでは、ますます北朝鮮は増長するだけで、我が国も、恫喝まがいのくだらぬ瀬戸際外交ごっこに付き合わされる羽目になる。
そして、安倍ちゃんやその仲間たちは、「国際機関と緊密な連携を取り、事態を注視する」、「ミサイル発射という国連決議違反に厳重抗議する」とブツブツ言うだけで、事態は一mmも進展することはないだろう。

こういうことを言うと無責任だと非難を浴びるだろうが、筆者としては、トランプ大統領が迅速果敢に北朝鮮を攻撃して金政権を消滅させ、かの国を独裁政治から解放するきっかけとなることを望んでいる。

これは、戦火による人的被害が生じたとしても断行すべきだと思う。
本来なら、北朝鮮国民が独自に解決すべき(金正恩及び取り巻き連中の暗殺)問題だが、何年待ってもそうした慶賀の報を聞けそうになく、これ以上いたずらに時間をかけても事態を深刻化させるだけだ。

米軍による攻撃後に北朝鮮を別の人物が統治するのか、韓国との統一を図るのかについてまで語る知見を持ち得ていないが、そもそも数十年にもわたる動乱を惹き起こした当事国が責任を持って対処すればよいだろう。

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