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2017年5月10日 (水)

医療費しか言わぬポンコツ新聞

世の中には様々な問題や課題が山積し、人々は常に不満を抱えているものだが、産業・雇用・所得・教育・科学技術・文化・国防・インフラ・医療・介護・食等々、数多ある課題の大半は、「財源(予算)不足」が問題を拗らせる主因になっている。

要するに、“問題の根幹はカネがないから…”というわけだ。
Ex.)待機児童問題→劣悪な待遇による保育士不足→保育士給与をUPさせる財源の不足
Ex.)下水道の老朽化による漏水問題→公共インフラの点検・更新予算不足→各自治体のインフラ整備予算の不足
等々、大概の問題は、突き詰めていくと必ず最後は“カネがない”というゴールに辿り着く。

筆者は重度の積極財政金融政策主義者だから、「おカネがないなら、国債でも発行すれば…。それでも足りないなら、創ればいいんじゃない?」と気楽なものだが、常識的な一般人は、こうはいかない。

中でも、日経新聞のような新自由主義&緊縮主義に拘泥する時代遅れのポンコツ新聞は、国家財政と自分の財布とを混同しているのか、とにかく国家がカネを使うのを忌み嫌う。
ポンコツ新聞にとっては、国民生活の向上よりも、国家財政の財布の紐を縛り上げる方が遥かに大切なことらしい。

『見える化で見えてくるもの』(日経新聞「大機小機」 5/9 執筆者/追分)
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16104680Y7A500C1EN2000/
「日本の財政再建を進めるうえでの最大の課題は、社会保障費の伸びの抑制である。高齢化とともに社会保障費が増加するのは避けられない。しかし、現在の医療費と介護費は高齢化要因を上回って増加している。医療・介護費を見える化するとその実態が見えてくる。
 最近になり、レセプトなどのデータの詳細な分析が可能になり、今まで見えなかったものが見えるようになった。例えば、人工透析は患者にとって命綱の治療法だが、医療費がかさむ要因の一つになっている。研究者の分析により、この人工透析の件数が都道府県で大きなばらつきがあることが分かってきた。食生活など地域特性だけでは説明できない。生活習慣病予防のための健康づくりや、糖尿病の重症化予防への取り組みの違いが反映しているとみられる。(略)」

執筆者の追分氏が言いたいのは、「高齢化に伴う医療費や介護費の増加は財政再建にとってガンのようなもの。予防医療を徹底させ、とにかく医療費を削れ!」ということだ。
“健康や生命よりも財政再建の方が大事”、“お金のためなら死んでも構わない”といったところか…

さて、日本の医療費は確かに増え続けている。
【参照先】http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280711/shiryou3.pdf

厚労省の資料によると、
・1990年度:20.6兆円/5.9兆円[医療費/うち後期高齢者医療費(以下、同じ)]
・2000年度:30.1兆円/11.2兆円
・2010年度:37.4兆円/12.7兆円
・2014年度:40.8兆円/14.5兆円
と右肩上がりで増えており、2003年度以降2014年度まで、12期連続で対前年比プラスにて推移している。
また、診療種別でも、「歯科」、「入院外+調剤」、「入院」のいずれも増えている。

一方、薬剤費はというと、
・1993年度:6.9兆円
・1998年度:6.0兆円
・2003年度:6.9兆円
・2008年度:7.4兆円
・2012年度:8.5兆円
と、こちらも増えてはいるが、医療費ほど急激な伸びにはなっていない。

最後に、介護費用については、
・2001年度:4.6兆円
・2006年度:6.4兆円
・2011年度:8.2兆円
・2016年度:10.4兆円
と、医療費以上のペースで増えているものの、ここ3~4年の伸び率はかなり鈍化している。

こうした医療費や介護費の実状を見て、「高齢化の進行が日本を押しつぶしてしまう」、「社会保障費負担で日本の財政はクラッシュする」と狼狽えるバカ者が多い。

件の追分氏も、この手の気が小さい“緊縮病患者”の一人で、「財政再建が金科玉条である我が国において、医療費や介護費の無駄遣いなんてモッタイナイ」、「何の付加価値もない老人のために多額のカネが使われるなんて以ての外だ」と叫んでいる。

上記のコラムで、追分氏は「医療技術の進歩や高額医薬品の増加も、高齢化以外で医療費が増加している要因である」と決めつけているが、医療費の伸び率要因を分解すると、2014年度の対前年伸び率1.8%のうち、「診療報酬改定」▲1.26%、「人口増加」▲0.2%、「高齢化」+1.2%、「消費税増税」+1.36%、「医療の高度化等」+0.6%となっており、医療費増加要因の二大要因は「高齢化」と「消費税増税」というのが現実だ。

つまり、「高齢化」という人智を超えたファクターと、追分氏を含むポンコツ新聞らが熱心に推進した「消費税増税」こそが、医療費増加の主犯なのだ。

また、追分氏は、医療費や介護費を抑制するために、それらを“見える化”し、予防医療の先進事例を横展開し標準化しろと主張する。

しかし、予防医療なんてのは、生活習慣病予防のための食習慣改善指導や筋トレ程度の取り組みで、そんなものは、企業側が労働環境を改善し、労働年齢世代を過度なストレスと長時間労働から解放してやれば、忽ち解決する類の問題だろう。

緊縮病患者の連中は、幾らでも創れるおカネを崇めて、医療費や介護費に費やされる費用を“無駄な悪銭”だと決めつけるが、勘違いも甚だしい。

たとえ40兆円を超える多額の医療が費やされたとしても、それが医療関係者や医療機器、薬品、医療設備などの関連事業者の所得となって国内市場に還元しているなら、GDPの増加を通じて対内所得の増進に寄与しているのだから何の問題もない。

この段階で進めるべきは、医療費などの削減ではなく、費やされた予算の国内における乗数効果を高めるため(=海外への所得の漏出最小化)の医療機器や薬剤などの内製化への取組みだろう。(無論、介護にも同じことが言える)

多額の医療費が掛かったということは、その分だけ治療を受けた国民の生活向上がなされたということの裏返しなのだ。
財務省やポンコツ新聞の連中は、医療費を減らすことにばかり熱中するが、国民が治療を我慢し、却って病状を悪化させるようでは、文明社会を生きる現代人として本末転倒だ。

併せて50兆円を超える医療費や介護費は、無駄遣いどころか、将来に我々が受けるべき社会保障レベルの維持向上に絶対必要な“未来への投資”に他ならない。

医療費を削って医者や薬品のレベルが上がるはずがない。
医療技術がオンデマンドで提供できると思っているのなら、とんでもない幼稚な勘違いだ。
日ごろから水をやり肥料をやり続けて初めて、高度な医療技術が維持できるのだ。

病院が老人サロン化しているとの批判も、こうした観点から見るとまったく的外れな意見で、一見無駄に見える診療行為の積み重ねが、医療従事者に様々な治験を提供し、彼らの技術向上の糧になっていることを忘れてはならない。

あなたが急病で駆け込んだ病院で、そこにいたのが、医療費削減の煽りを受け、大した診療経験のない医者ばかりだとしたらどう思うだろうか?

日経のような緊縮信者のポンコツ新聞は、目先の医療費ばかりでなく、医療の質の向上にもしっかりと目を向けるべきだろう。

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