無料ブログはココログ

リンク集

« 人口で経済騙るエセ論者 | トップページ | 実弾は100回の雨乞いに勝る »

2017年6月23日 (金)

消え失せろ 日本のマクロン

『出でよ日本のマクロン』(6/20 日経新聞 大機小機 執筆者:仙境)
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO17857070Z10C17A6EN2000/
「大統領選挙の第3ラウンドといわれるフランス国民議会(下院)選挙で、マクロン大統領の新党「共和国前進」の勢力が単独過半数を握った。(略)
第5共和制で最低の投票率も大統領の厳しい前途を予感させる。だが、欧州連合(EU)の基軸国が「まっとうな改革」への一歩を進める意味は大きい。(略)
マクロン氏が支持を得た最大の理由は、経済再生への一貫した熱意だろう。
2014年に経済産業デジタル相に就くと「フランスは病気だ」と言い放ち、店の日曜営業拡大などの規制緩和に動いた。(略)
労働者の権利が強すぎて企業が人を雇うのをためらう。仏経済の泣きどころである高失業率はこの悪循環からくる。
マクロン政権は柔軟性を高めるための労働法の改正案を今夏に成立させる方針を明言する。社会保障改革や法人税率の引き下げも公約した。(略)
そんなマクロン氏のような人物を最も必要としているのは、わが日本ではないか。
アベノミクスの4年間で人々のデフレ心理はある程度は克服され、ほどほどの成長に戻った。一方、短期で痛みを伴うが、中長期で財政や社会保障を安定させる構造改革には光が当たらない。(略)
ゲームチェンジャー(流れを変える者)が待たれる。(略)出(い)でよ、日本のマクロン。」

我が国の新自由主義の総本山たる日経が、同族のマクロンを手放しで褒めたがるのはよく解る。

確かに、仏国政選挙におけるマクロン派の勝利は予想以上だったが、42%という史上最低の投票率、マクロン新党は社会党や共和党からの脱出組とポッと出の新人との寄せ集め集団という情勢を冷静に判断すると、その行く末は非常に心許ない。

恐らく、マクロンは、国政選大勝利の余勢を駆って強権発動し、「移民融和・規制緩和・労働改革・社会保障改革」的な政策をゴリ押しするだろう。
そうした愚策は、雇用の流動化や質の悪化、先進技術や高度人材の海外流出、不良移民増加によるテロや犯罪の頻発、社会保障コストの高騰、農林漁業や中小企業の衰退などを招き、国内は大きく動揺することになる。

マクロン新党は、所詮、利害の相反する寄せ集めのうえ、政治経験に乏しいマクロンチルドレンばかりだから、様々な争議の仲裁や利害調整に長けた人材に乏しく、最後はくだらぬ内部抗争の末に分裂を余儀なくさせられるだろう。

欧米諸国は、新自由主義思想に安易に乗っかったばかりに、 “国内産業の空洞化や若年失業者の急増、低中間層の没落、移民による雇用や治安の悪化”などの弊害に直面し、新自由主義やグローバル化を見直す動きが萌芽する一方で、我が国では、そうした欧米の教訓を無視するかのように、安倍政権による更なる新自由主義&緊縮政策が進められている。

筆者は、“ポスト新自由主義やポストグローバル化思想”において、欧米の後塵を拝し、彼らより何週も周回遅れの我が国の経済政策を散々くさしてきたが、どうやらフランス国民の意識レベルは、そんな我が国より、更に数週遅れているようだ。

この期に及んで、弊害と失策だらけの新自由主義信奉者に政治権力を白紙委任するフランス国民のバカさ加減を見るにつけ、まさに「フランスは病気だ」と言うしかない。
フランスが先進国の地位から滑り落ちるのも、そう遠くはないだろう。

さて、冒頭にご紹介した大機小機のコラムだが、相変わらず痛々しい勘違いぶりで、とても論評に堪えるレベルではない。

フランスの高失業率は労働者の権利が強すぎて企業が人を雇うのを躊躇うせいだとの下りは、デタラメと詭弁の最たるもので、同国の経済指標を見ても、労働規制が遥かに強かった80年代の方が、今よりも名目GDP成長率は高く、失業率は低かったという事実をまったく説明できていない。

コラム執筆者の仙境氏は、労働者の権利の弱体化と雇用流動化がフランス病の特効薬だと豪語するが、「フランスにおける仕事と家庭生活に関するアンケート調査2010」というレポートによると、フランス人が非正規雇用を選択する理由として、「趣味や自由な時間を持ちたい」云々という積極的理由を挙げたのは1割未満に過ぎず、ほとんどは、「フルタイム雇用を見つかられなかった」、「雇用主から指示された」という消極的理由であった。
また、正規雇用者と比較した非正規雇用者の待遇は、労働時間こそ66~70%なのに、年収は55%程度でしかなく、生活困窮を招く要因となり、総じて仕事に対する満足度も低い。

こうした現状を顧みることなく、マクロンは、更なる労働法改正(=雇用条件の悪化)に踏み切り、社会保障負担の引き上げを断行しようとする始末だから、頭がおかしいとしか思えない。
国民、とりわけ低中間層の痛みの上に、更に激痛を重ねようとする様は、フランスという国家の土台を躍起になって破壊しようとする醜悪な反逆者の所業と言える。

仙境氏は、日本にもマクロン並みのクラッシャー(破壊主義者)出現を期待したいと汚い唾を飛ばして熱弁するが、我が国の為政者は既に20年前からクラッシャーだらけだったのを忘れていないか?

マスコミや国民は、橋本、小泉(バカ)、安倍、福田、菅に野田、橋下、小池等々、錚々たる破壊者を熱狂的に支持し、自らの生活や雇用を脅かす痛みを倍増させてきたではないか。
この20年間、平均所得は激減し、非正規雇用ばかりが増え、消費支出が減っているのは、改革者の皮を被った“醜悪な反逆者”が為政者の座に座り続けてきたせいだ。

彼らは、日本を“力強い成長国からデフレ病を抱えた停滞国”へと貶めた招かれざるゲームチェンジャーであり、そんなクズはもう要らない。

« 人口で経済騙るエセ論者 | トップページ | 実弾は100回の雨乞いに勝る »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1436015/70924343

この記事へのトラックバック一覧です: 消え失せろ 日本のマクロン:

« 人口で経済騙るエセ論者 | トップページ | 実弾は100回の雨乞いに勝る »

最近のトラックバック

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31