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2017年6月 5日 (月)

一に緊縮、二に改革

一国の経済財政運営方針はどうあるべきか、それをどのようなプロセスで決定すべきか。

“国民により選出された選良たち(※現実は「賤僚」や「鮮僚」ばかりだが…)の手で構築されるべき”というのが、民主国家における当たり前の感覚だと思うが、安倍政権には、そんな常識が通用しない。

『「子育て」財源、保険も選択肢 骨太方針案』(河北新報 6/2)
http://www.kahoku.co.jp/naigainews/201706/2017060201001832.html
「政府は2日、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営の指針「骨太方針」案を提示した。
幼児教育と保育の早期無償化、待機児童解消を優先課題とし、新保険導入などを選択肢に年末にかけて財源捻出策を検討。
財政健全化では、基礎的財政収支を2020年度までに黒字化する目標を維持した上で、同時に国内総生産に対する債務残高比率を安定的に引き下げる目標を併記し、経済成長を重視する安倍政権の姿勢を示した。9日に閣議決定する予定。(略)」

20年以上ものデフレ不況に苛まれる我が国にとって、適切な経済財政運営方針こそ何物にも変え難い“慈雨”と言えるが、そんな重要事項を、いかがわしい民間人による非公認会議の場で、いの一番に議論するとは何事か。

しかも、当の方針案は、作文を担当した財務・経産官僚が好みそうな緊縮・改革臭が、そこかしこに漂っており、2015・2016年度版とほとんど内容が変わっていない。

財政健全化方針に関する事項で、基礎的財政収支の2020年度黒字化目標の維持と、GDPに対する債務残高比率の安定的引き下げ目標を併記した点について、マスコミの連中は「GDPを伸ばしさえすれば国債残高を減らさずに済み、財政規律を歪める詭弁だ」と非難し、一方、間抜けなアベ信者は「財務省の抵抗を抑えて財政健全化を骨抜きにする一文をねじ込んだ。さすがにアベちゃんは策士だ!」と気勢を上げているが、バカも程々にしろと言っておきたい。

マスコミ界隈に蔓延る緊縮主義者は、安倍首相が財政健全化やPB黒字化目標を骨抜きにしようと画策していると猜疑心を剥き出しにし、能天気なアベ信者は、安倍政権が財務省の首根っこを抑え込んだと鼻息を荒げるが、双方ともいったい何処を見ているのか。

今回、政府がねじ込んだ「国債残高の対GDP比率目標」は、財政健全化目標(=緊縮主義の推進)の骨抜きどころか、PB黒字化目標を強化・サポートするための補強材でしかない。

“GDPを伸ばしさえすれば国債残高を減らさずに済む”なんてのは、ガソリンを入れなくても、スタートキーを押してアクセルを踏めば車は走るはず、と思い込むようなものだ。

経済の基本を理解していない素人は、祈祷(構造改革)や念仏(グローバル化)を唱えればGDPが上がると信じ込んでいるかもしれないが、“実需”とその原資となる“実弾(借りるカネではなく売上や所得に直結するカネ)”なくしてGDPを成長させられるはずがない。(※GDP統計の基準や数値を誤魔化すというやり方もあるが…)

GDPを素早く確実に伸ばすためには、十分な量の財政出動が不可欠だが、2018年度までの「経済・財政再生計画の“集中改革期間”」という緊縮の御旗を掲げたまま、PB黒字化目標で歳出を厳しく縛られ、“ワイズ・スペンディング”だの、“歳出の見える化”だのというお題目で監視されては、経済成長に必要な財出の原資を捻り出しようがない。

そもそも、「GDPを伸ばす」という前提の成立が極めて困難になるようタガを嵌められた状態で、財政健全化目標を骨抜きにしたなどと勝利宣言できるはずがない。

このままでは、GDPは良くて横這いか、或いは、微増・微減を繰り返すしかなく、頭の悪い財務省の連中や、いかがわしい民間委員辺りから、「国債残高の対GDP比率目標」を盾に、国債残高の縮減を迫られ、各省庁に厳しい予算シーリング指令が下されるのがオチだろう。

だいたい、今回の骨太方針案は、「成長と分配の好循環の拡大」と銘打っておきながら、資料の項目建てには、「働き方改革」、「人材投資」、「生涯現役社会」、「生産性の向上」、「スポーツ立国」、「日本型IR」等々、およそ成長のタネになりそうにない軽量級のものや、成長を邪魔しそうな害虫ばかりが目立つ。

肝心の「消費の活性化」は、項目の位置づけ順序で“働き方改革”や“成長戦略”の後塵を拝した挙句に、『消費の活性化のため、引き続き、賃金の継続的な引上げや賃上げしやすい環境の整備等により、可処分所得を拡大する。少子化、高齢化が進む中で、ライフスタイルや消費構造の変化を捉えて潜在需要を発掘することにより、国民が求める新たな財・サービス
を生み出す。』と記されている。

しかし、賃上げの原資となる財出策は、財政健全化目標で完全に封じ込まれ、最低賃金水準も、“年率3%程度を目途に全国加重平均が1,000 円になるよう引上げていく”という、まことに弱々しい目標でしかない。

現在820~830円ほどしかない最低賃金の平均値を、年率3%程度のだらだらしたスピードで押し上げても、目標の1,000円に届くのに7年も掛かる計算だ。

しかも、1,000円というあまりに低すぎる目標値すら、「最低賃金の下限」ではなく、「加重平均」という逃げ道まで用意するありさまだから、政府による賃上げの本気度を疑わざるを得ない。

「ライフスタイルや消費構造の変化を捉えて潜在需要を発掘することにより、国民が求める新たな財・サービスを生み出す」なんてのは、潜在需要を刺激しさえすれば消費を活性化できるという中学生レベルの勘違いであり、事実の捉え方がまったく逆だ。

消費が活性化しないのは、買いたいモノやサービスが存在しないからではなく、国民や企業の懐に、市場に溢れる魅力的なモノやサービスを買えるだけの資産や所得(カネ)が入っていないからに過ぎない。

こんな単純な事実は、小難しい経済学の教科書を開かずとも、自分の奥さんやその辺の経営者に話を聞いてみれば、たちどころに判るはずだ。

政府や財務省、マスコミ、アベ信者といったエセ信仰集団が、“国民は十分な資産と所得を持っている。しかし、供給サイドが、需要サイドの高度かつ新鮮なニーズに対応できるモノやサービスを創造できないから、いつまで経っても財布の紐が緩まないのだ”という壮大な勘違いや思い込みに浸り切っているうちは、“骨折だらけの骨太の方針”とやらが続くだろう。

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