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2017年8月28日 (月)

同じ穴の間抜けなムジナ

『国民が「経済にしか関心がない」ことも政治の混乱の一因だ』(8/1 DIAMOND online上久保誠人/立命館大学政策科学部教授)
http://diamond.jp/articles/-/137002

上久保教授は、上記コラムで次のような主張を述べている。

❶安倍首相は、経済政策で国民の支持を得て「国家安全保障会議(日本版NSC)」の設置、「特定秘密保護法」、「安全保障法制」、「テロ等準備罪法」など、次々と保守色の強い「やりたい政策」を強行採決で成立させてきた。

❷アベノミクス第一・第二の矢は、業績悪化に苦しむ斜陽産業を生き永らえさせるだけのバラマキに過ぎなかった。安倍政権は、高支持率を維持するために「国民の望むバラマキ政策」をずらっと並べ続けてきた。

❸本格的な経済回復に最も重要な「第三の矢(成長戦略)」は、既得権を奪われる業界の抵抗による支持率低下への懸念から先送りされてしまった。成長戦略を支持率調整に使おうとした安倍首相の意図は明確だ。

❹安倍政権が甘い考えを抱いたのは、「どうせ政策をまじめに論じても国民は関心を持たない」、「バラマキをしていれば、なにをしても支持率は落ちない」という「国民不信」が高まっていたからだ。国民も政治家から「信頼」されていないことを自覚すべき。

この手の不思議なコラムを読むたびに、筆者は、人間の脳の神秘性に驚嘆せざるを得ない。

上久保氏みたいな往生際の悪い詭弁師は、眼から入ってきた世情の情報や事象を端から無視し、自分の妄想や願望に合わせて都合よく脳内変換してしまい、“誰の眼にも黒い毛の犬にしか見えぬものを、白い犬だ”と言い張るものだ。

筆者のように、機能的財政論に基づく積極的な財政金融政策の実行を強く主張する者からすれば、アベノミクスなど、財政金融政策をチラつかすだけの、児戯にも等しい緊縮&改革優先政策にしか映らないのだが、事実より妄想最優先の詭弁師の手に掛かると、「改革そっちのけで大盤振る舞いのバラマキばかり」と、まったく逆の評価になるから不思議なものだ。

安倍政権の軌跡を素直に辿れば、撃ちまくったのは第一と第三の矢ばかりで、まともな規模で第二の矢を放ったのは就任当初の補正予算だけだという結論になるはずだ。

安倍政権は、財政運営について、
・政策経費予算の抑制的運用
・公的資本形成予算や公共事業費をピーク時の半分未満に抑制したまま
・社会保障給付費を高齢化による自然増の範囲に抑制し、年金支給年齢引上げや医療費削減の検討
・歳出改革やPB黒字目標の堅持による財政再建優先の経済方針の打ち出し
など、緊縮的な財政運営を軸とする財政再建路線を明確に打ち出している。

また、改革云々に関しても、
・TPPや日欧EPAの推進
・中国人に対するビザの発給要件を緩和
・産業競争力強化法や国家戦略特区法の施行
・法人実効税率引き下げ
・外国人技能実習制度の見直し
・外国人家事支援人材受け入れ
・医療・介護分野における「非営利ホールディングカンパニー型法人制度」創設
・農協改革
・労働者派遣の期間制限撤廃
・高度プロフェッショナル労働制の検討
等々、国内市場の衰退や人手不足を前提とした改革論議をゴリ押ししてきた。

これだけ好き放題に緊縮ごっこや改革ごっこをしておきながら、いまだに「緊縮が足りない、改革が足りない」と叫び続けるバカの神経を疑う。

上久保氏は、「国民は経済にしか関心がない。バラマキをしておけば支持してくれる」と自信満々に嘯き、そうした国民の“物乞い根性”が、政治家による国民不信を招き、結果として財政再建や改革を遅らせてきたと嘆く。

確かに、市井の人々は、選挙のたびに「景気を何とかしてほしい」、「安心できる医療や年金制度を」と世論調査のアンケートに答えているし、内閣府の世論調査データを見ても、政府に対する要望を多い順に挙げると、「医療・年金等の社会保障の整備(68.6%)」、「景気対策(58.7%)」、「高齢社会対策(54.9%)」、「雇用・労働問題への対応(42.5%)」と、景気や社会保障対策へのニーズが強いことが判る。

だが、いざ景気対策を実行する段になると、バカマスコミに煽られて、「これ以上借金を増やしてどうする」、「無駄な箱モノを造るな」、「将来世代へのツケ送りだ」、「高齢者優遇を止め、若者対策を」などと批判の大合唱が始まるのがオチだ。

そもそも、日本人が経済にしか関心がないくらい経済政策への感度が高い国民なら、国の借金とか、日本は財政危機だという大嘘を信じ込み、20年以上も不況を我慢し、放置し続けるはずがない。

“国民は経済にしか関心がなく、バラマキさえすれば支持率が上がる”なんてのは上久保氏の妄想でしかない。
“国民は経済への関心や知見がかなり不足気味で、景気対策やバラマキよりも財政再建や改革といった空虚なきれいごとの方を好む”というのが事実なのだ。

上久保氏は、国民と政治家が経済政策を巡り相互不信を抱いていると述べているが、トンデモない。
筆者から見れば、相互不信どころか、狩人の接近に気付かず、空腹を我慢しながら緊縮や改革への忠誠度を競い合う同じ穴のバカ狢に過ぎない。

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コメント

安倍晋三という人間は、あくまで反共で、愛国ではありません。それか、リベラルと同じで、決して口には出さないものの、労働者階級を馬鹿にしているのか、どちらかでしょう。どちらにせよ、労働者階級が子孫を残せなくとも、気にするような人間ではありません。

≫千手観音さん

安倍氏の酷薄ぶりもさることながら、国民も同様に他者への慈しみを失くしつつあることに大きな危機感を覚えます。

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