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2017年10月11日 (水)

家計簿脳の弊害

『消費増税は急がば回れ 政治に欠ける歳出抑制』(9/25 日経新聞「核心」 上級論説委員 大林尚)
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO21437620S7A920C1TCR000/

いつもながら日経の記事は、緊縮政策を煽るものばかりで碌なものがない。

記事を書いた大林上級論説委員は、安倍首相、岸田政調会長、小泉のバカ息子、前原民進党代表らが消費税率引上げや社会保障費負担強化を訴えているのを、「元来、政治権力者は税をたくさん取りたがるものだ」と批判する。

だが、彼の批判の意図は、増税による国民や中小企業の財布を心配するものではなく、「増税の前にやるべきことがあるだろっ‼」というお馴染みの歳出削減論を展開することにある。

彼は、
「社会保障費を抑える視点がどの政治家にも希薄だ。進次郎氏の父は首相を辞す前にこう語った。
『増税していいから必要な施策をしてくれという状況になるまで歳出を徹底的にカットしなければならない。そうすると消費税の増税幅も小さくなる。歳出削減を徹底すると、もう増税の方がいいという議論になる』
至言である。
成長を追い、歳出の膨張を圧縮し、経済への負の影響を抑えつつ増税機会を探る。この組み合わせこそが健全な財政と確かな社会保障を将来の世代に引き継ぐ要諦だ」
と得意げに騙り、“徹底的な歳出カットこそが国民負担を軽減させ、次の増税論議もスムーズになる”と主張する。

正直に言って、大林氏は、経済の要所を何ひとつ知らず、支出削減と増税を賛美する「家計簿バカ」の一人でしかない。

彼は、“成長を追い、歳出の膨張を圧縮し、経済への負の影響を抑えつつ増税機会を探る”姿勢こそが将来世代への責任だと言いたいようだ。

しかし、「歳出削減&増税」という強硬手段が、実体経済や国民所得にどれほど深刻な悪影響を与えてきたか、ここ20年余りの経済指標をつぶさに眺めれば一目瞭然だろう。

我が国の世帯当たりの平均所得(H27/545万円)は、相次ぐ緊縮政策と増税のせいで、ピーク時(H6/664万円)と比べて18%も下がってしまったが、20年前より所得が下がった国なんて世界中探しても何処にもあるまい。

経済をシュリンクさせるだけの「歳出削減&増税」という最悪手の果てに、どうやって成長を追うつもりなのか、大林氏は、そのロードマップを具体的に説明すべきだ。(200%無理に決まっているが…)

彼みたいな家計簿バカは、一般家庭はおろか、政官財界やクオリティーペーパー気取りの新聞社の幹部層にまで蔓延っており、その病根はかなり根深いものがある。

彼らは、経済をマクロ視点から俯瞰することができず、個々の経済主体が織りなす経済行為が相互に連関している事実を無視し、頭の中で、“歳出されたお金は誰の所得にもならぬまま何処かに消失し、大義名分さえあれば国民は喜んで税負担に応じるはず”だと妄想している。

よって、何を聞かれても、彼らの口からは「歳出カットと増税」という答えしか出て来ず、増税を引き出すための「大義名分探し」しかしない。

大林氏は、徹底的な歳出カットと増税強化のコンボにより、健全な財政と確かな社会保障を将来の世代に引き継げるはずだと自信満々だが、そうした悪手により内需主導の経済成長の道を閉ざされた我が国の経済は、隘路に迷い込み墜落必至だ。

家計簿バカの妄言に唯々諾々と従うようでは、我々は次世代に、『さらに悪化した財政、ボロボロに朽ち果てた社会保障制度、勤勉さを失った国民、後進国並みに劣化した生産力、今以上に少子化した社会』という最悪のプレゼントを渡さざるを得なくなるだろう。

いまの経済論壇が、増税派と緊縮派に席巻され、増税を前提にしたうえでの『増税が先か、歳出削減が先か』という実に有害且つ下らぬ議論に成り下がっている現実に目が眩む想いがする。

財出する分野と量に関する建設的且つ前向きな議論は、いったい何時になったら始まるのだろうか。

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