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2017年11月 6日 (月)

日本に財政問題は無いという「常識」

『財政悪化が進んでも警鐘の鳴らない国、日本~衆院選で明らかにポピュリズムに陥った』(東洋経済オンライン 大崎明子/東洋経済記者)
http://toyokeizai.net/articles/-/194074

「「教育無償化」は聞こえのよい政策ではある。しかし、政策効果について議論が不十分なことはさて置くとしても、実現したいならば、ほかの費用を削って財源を捻出すべきだ。(略)
 消費税率の8%から10%への引き上げによる税収の当初予定していた使途も借金が減るわけではなく、毎年発生している財政赤字を2兆円減らすだけだ。だから「後代への負担のつけ回しの軽減」にすぎず、「つけ回し」はまだまだ続くのである。(略)
そんななかでも、ポピュリズム的な増税の回避、バラマキ政策といった無責任な公約がまかり通る。なぜなのか。
こうした問題の背後には、日本の財政がさらに悪化すること、あるいは財政再建への政府の姿勢が後退したことが明らかなのに、市場からの警鐘が鳴らないということがあるだろう。(略)」

この記事を書いた大崎氏は、“世界最悪の財政危機”に陥っているはずの日本を何としても破綻させたくて仕方がないようだ。
どれだけマスコミが財政危機を騒ぎ立てても、市場が反応せず、円売りも金利暴騰も一向に起きないことにイラついている。

彼女は、市場の警鐘が鳴らない原因として、
「日銀の異次元緩和のせいで、財政の体温計とも言うべき「国債の金利」が役に立たないこと」、
「国債のほとんどが国内で賄われ、海外投資家の保有比率は10.5%に過ぎず、いざとなれば消費税率を30%くらいまで一気に引き上げて民間部門の余剰資金を召し上げれば赤字を失くせるから、デフォルト確立の評価が中心の格付け機関による格付けシステムが機能していないこと」
の2点を挙げ、マーケットの不作為により、日本の家計が将来的に大きな負担を負うことになると愚痴っている。
(※すでに、家計はイヤというほど重い負担を負い続けてきたのだが…)

そのうえで、
「後代へのつけ回しの拡大に対する危機感すら失われている」、
「長期金利が上昇すれば、日本の金利も引きずられて上昇し、政府の利払い負担が拡大する」、
「“フリーランチはない”、“借りたカネは返す”といった常識は日本から失われてしまったのだろうか」
と、緊縮主義者特有の“危機煽動用テンプレート”に沿って嘆き始めるのは、ご愛嬌といったところか…

大崎氏の言説は妄想と誤解だらけで、赤ペンを入れるのも面倒になる。

先ず、日銀のせいで国債金利という体温計が狂ったとの指摘は単なる思い込みで、国債金利なんて金融政策でいくらでもコントロールできるという事実を認めたくないだけだろう。

次に、彼女は、民間部門に重税を課せば巨額の国債償還財源を捻出できると軽く口にしているが、消費税率を30%に引き上げるなんて、実体経済をクラッシュさせかねないとんでもない暴論だ。
税率が0%→3%→5%→8%へ上がるたびに日本経済が重篤化してきたのに、これを一気に四倍近くに引き上げるなど、あまりにも無責任な発言だ。

また、長期金利上昇で国債の利払いが増える云々についても、実際は金利上昇後に発行される新発債の金利が増えるだけなのに、既発債のほとんどが固定金利であることを意図的に隠し、さも、1,000兆円の国債全ての利払いが膨張するかのような大嘘を吐くのは、もはや犯罪に近い。

さらに、日本政府が借りたカネを返していないかのような言説も問題だ。
我が国は国債償還も利払いもまったく問題なく行ってきており、借りたカネを返さなかった事実など微塵もない。
いまや「有事の円買い」がすっかり定着し、世界一の低金利を誇る我が国の国債償還力を嫌煙するなんて、大崎氏の常識を疑うしかない。

彼女みたいな“経済非常識人”は、ちょっとでも財政規律の弛みを見つけると、「フリーランチはない」とヒステリックに騒ぎ立てるが、欧米諸国では、国債償還ルールも減債基金制度もないのが一般的で、ドイツを除き公債金収入・公債償還支出の予算計上すらしていない。
つまり、国債は利払いだけで済ませ、元金償還は借り換え対応のみで放置、というのがグローバルスタンダードなのだ。
大崎氏は、それこそ、国債償還に不真面目な欧米諸国の連中を捕まえて、「経済にフリーランチはないぞ‼」とどやしつけるべきではないか?

いみじくも彼女は、コラムの中で、
「日本国債はすべて円建てで発行されている。日本国債がデフォルトするときは円の信用も破綻しているので、100億円分の国債と引き替えに100億円をもらっても仕方がない。したがって、日本国債のCDSはドルで取引されているが、日本政府はほとんどドル建ての債務を持っていないので、銀行などの機関投資家は為替リスクを取ってまでドルをもらう取引を行っていない。そこがかつて話題になったギリシャ国債などとの違いだ。日本国債のCDSはヘッジ目的ではなく外国人投資家の一部が、日本国債を材料にして賭けを行なっているにすぎないので、市場への影響力はほとんどない」
と述べ、日本国債の特殊性を解説し、ノーリスクであることを認めている。

大崎氏のような教条的緊縮主義者は、往々にして、現実を冷静に見つめられる理性を持ち合わせていないから、自分の妄想が生み出す大嘘を吐き続けるしかない。
日本国債のデフォルトを願うバカ者どもには、「国債に警鐘を鳴らしたいなら、お前が率先して円売りしてみろ‼」、「デフォルトで価値が暴落する円など今すぐ手放し、ジャガイモやサンマと交換してみろ‼」と言っておく。

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コメント

おっしゃる通りです。ジャーナリズムの経済に対するレベルの低さに呆れ返る毎日です。1000兆円の借金なんぞ最早、日銀が4割を買い入れ、残りも国の資産があるのでチャラ!もっと建設国債や教育国債を発行して国を富ませよ!

≫北野桜さん

緊縮教を信仰すると、前進することを忘れてしまうようです。
縮小と後退の道しか描けぬ政治家や官僚、マスコミは、自分たちの発想が周回遅れであることに気づけないのでしょう。

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