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2017年11月 2日 (木)

他者を思いやれる草の根であれ

『衆院選で明白、政治家のレベルの低さこそ本当の「国難」だ』(10/24 DIAMOND online 黒瀬徹一)
http://diamond.jp/articles/-/146745

上記コラムを執筆した黒瀬氏は、先の衆院選で醜態を晒した希望の党や維新の会所属の候補者たちの政党サーファーっぷりを指して、「政治家の「レベルの低さ」こそが本当の「国難」なのである」と厳しく批判している。

また、「今の二大政党の軸は、「保守vsリベラル」「右か左か」ということではなく、「上からか草の根からか」ということなのだ」と指摘し、“右派vs左派”という色分けに拘る評論家たちの時代錯誤な冷戦構造能に疑問を投げかける。

筆者にしてみれば、希望や維新の連中だけでなく、自民・公明・立民・共産・社民等々、政界やその周辺に巣食う既存の政治家のほとんどが「国難レベル」だと言える。

「仕事が増えて給料が上がるよう景気を良くしてほしい」、「ガタガタになった社会保障制度をもっと拡充してほしい」といった国民の切なる願いをガン無視して、“無駄の削減、身を切る改革、憲法改正、原発反対”云々と、誰も関心がない低次元な話を上から目線で愚直に押し売りする痴れ者どもを国権の最高機関に送り出さねばならぬ選挙民の身になってほしいものだ。

さて、今回は、黒瀬氏のコラムにある“「上からか、草の根からか」が今後の二大政党の対立軸になるべきだ”という指摘について考えてみたい。

先ず、筆者が残念に思うのは、世間では往々にして、どこからどう見ても草の根の立場や階層にいるはずの人間が、なぜか上から目線で除草剤をまき散らし、草の根を根絶させるような発言をするケースがままある点だ。

マスコミのインタビューを見ると、子育て世代の若い女性が、待機児童解消予算確保のためなら増税も仕方ないと答え、新橋駅前の冴えないサラリーマンが、自由貿易は世界の潮流だからTPPで国内農業が壊滅しても仕方ないと嘯き、山間地のヒマな老人たちが、医療費負担が大変だから公共事業を削れと吐き捨てるありさまをよく目にするが、彼らは自分たちの軽々しい発言が、別の誰か(草の根階層の人々)の仕事や雇用、所得を奪い去るリスクを抱えていることをまったく自覚していない。

この手の無責任発言を繰り返す人々は、「日本は財政危機、PB黒字化は国際公約、グローバル化は絶対正義、社会保障の膨張は絶対悪」といった財務省やマスコミ発の大嘘を信じ込み、“財政支出はご法度”という間違った教義を前提にして物事を考える癖がついているから、自分たちの意思やニーズを主張する際に、必ず別の誰かの権益を侵そうとするものだ。

彼らは「Aという分野に予算をつけたいから、BとCの予算を削ってしまえ」と簡単に言い放つが、自身の軽々しい発言が巡り巡ってデメリットとなって跳ね返ってくることに気付こうともしない。

その最たる例が消費税率引き上げに関する意見だ。
時事通信社が今年9月に行った世論調査では、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げについて、「引き上げを見送るべきだ」が58.1%、「予定通り引き上げるべきだ」の34.3%を上回ったそうだが、現在の8%の税率でも十分高すぎるのに、10%もの税率を是とする意見が35%近くもいること自体に驚かされる。

「国の膨大な借金額を考えると増税もやむなし」、「社会保障費に充てるなら賛成」、「増税先送りは将来世代へのツケ回しにしかならない」などと妙に物分かりのよい意見を吐き始めるから手に負えない。

彼らは我慢や辛抱をするばかりで、なぜ、「これ以上国民に負担を押し付けるな」、「予算が足りないなら国債をもっと出せ。それでも足りないなら紙幣を増刷しろ」、「消費税なんて廃止しろ」と要求できないのか?

“日本は借金大国だからこれ以上成長できない”という捏造されたインチキ教義を盲信するあまり、自分たちの生活向上に資する正当な政策を訴えられないなんて、何とも情けない話ではないか。
目に前に食糧が置かれているのに、それは毒だから食べてはならぬという大嘘を信じ込み、隣人の食糧を奪ったり、餓死したりするようなものだ。

肝心の国民がこんな体たらくでは、「上からか、草の根からか」という対立軸が生じる可能性は極めて低いと言わざるを得ない。

上下の対立構造になる前に、草の根階層に属しているくせに、いつの間にか上から目線で生意気な口を叩き、足を引っ張る輩が続発するから、せっかくの草の根運動もあちこちで分断されてしまうのがオチだ。

草の根が草の根らしく機能するためには、国民自身が、他者の権益を大切にしながら、政府に対して自分たちの要求を通そうとするマクロ的視野と寛容の精神、それに、緊縮教徒の脅しを跳ね返せるだけの強靭な意志が必要になるだろう。

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