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2017年12月31日 (日)

平成30年を財源論脱却元年に!

『18年度予算案~一般会計総額97.7兆円で政府最終調整』(12/16 毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20171216/k00/00m/020/193000c

「政府は15日、2018年度当初予算案の一般会計総額を97.7兆円前後とする最終調整に入った。高齢化に伴い社会保障費などが増大するため、17年度当初(97.5兆円)から0.2兆円程度増加し、当初予算案としては6年連続で過去最大を更新する。新規国債発行額は33.7兆円前後で、08年度以来10年ぶりに33兆円台に低下する。18日の閣僚折衝を経て、22日に閣議決定する。(略)」

政府から来年度予算案が公表され、いつもどおりマスコミ連中から、「過去最大を更新」、「防衛費が6年連続増」、「与党から公共事業費積み増しの強い圧力あり」などと批判の大合唱が起きている。

バカなマスコミは無駄遣い云々と腹を立てるが、来年度予算案は今年度比でたったの2千億円しか増えておらず、年率換算でわずか0.2%しか伸びていない。
しかも、97.7兆円という額には国債費が23.3兆円も含まれており、経済循環の糧になるのは、これを除く74兆円余りでしかない。

また、中韓鮮を刺激すると批判の強い防衛費でさえ、来年度予算案は5.19兆円と650億円しか増えておらず話にもならない。
北朝鮮有事が現実化する緊迫した情勢下にもかかわらず、政府や財務当局は著しく緊張感に欠けているのではないか?

どケチなドイツでさえ歳出の平均伸び率は2%を超えるというのに、我が国の伸び率はほぼゼロといってよい惨状だ。
こんなありさまのどこが“過去最大”なのか?

おまけに、新規国債発行額も今年度より7千億円も減らすという「超消極予算」であり、金融緩和政策との整合性がまったく取れていない。
このまま新発債を出し渋れば国債市場の出物が枯渇し、ただでさえ効果の薄い金融緩和政策の評価が地に落ちる日も近い。

安倍政権をヨイショする輩は、「安倍ちゃんは財務省と闘い、何とか前年度以上の予算を勝ち取った。当初予算こそ抑え気味だが、補正予算で実質増を実現してくれるはず」と淡い期待を抱いているようだ。

しかし、与党大勝と持て囃された衆院選後の補正予算も、たったの3.5兆円と非常にショボい額に止まり、相変わらずPB黒字化目標だの、新発債の対前年度比削減だのといった妄想に囚われたままの安倍政権に、皆が期待するような規模の補正予算を組めるはずがない。
大した額ではない補正予算をチラつかせ、産業政策や福祉政策を推進するフリをしているだけのことだ。

政権与党の連中ばかりでなく、緊縮&改革思考に染まりきった野党のアホ議員どもも、緊縮財政志向という点では財務省と方針を一にしており、当面は“緊縮的当初予算+子供の小遣い程度の補正予算”のみすぼらしいセットメニューが続くだろう。

当初予算の規模がいまだに100兆円にすら達しないなんて、筆者には到底信じられない。

我が国がせめて3%ずつでも予算を伸ばし続けていれば、1997年に78兆円だった一般会計予算は今ごろ140兆円規模に達していたはずで、たったの97~98兆円でガタガタ文句を言って貰っては困る。

こうした緊縮的予算運営は、国民の消費心理にも重いアンカーを課してしまう。

国民所得は、実体経済における“消費&投資”と“生産&供給”との間断なきやり取りを通じて生み出されるわけだが、そこに投じられる燃料は民間・海外・政府の3種類に大別される。

現在、活発な海外製燃料が投じられ、実体経済の温度は辛うじて保たれているが、海外製の燃料はコストも高く(≔純輸出はごく僅か)、燃え方のムラも大きいため、基幹エネルギーとはなり得ない。

本来、国家の実体経済を動かす主役は民間経済であり、それを政府支出が陰で支えるのが最も安定感のある構図なのだが、如何せん20年以上も続く経済不況のせいで民間経済の屋台骨は見るも無残にやせ細っており、当面は政府支出が前面に出て実体経済を刺激するよりほかない。

巷では、いざなぎ越えの好景気だとアベノミクスの成功を信じて疑わぬ変わり者も多いが、国民の消費心理は凍ったままだ。

ロイヤリティマーケティング社の「第25回Ponta消費意識調査2017年10月」によると、今年の「冬のボーナスの使い道」の1位は「貯金・預金」(40.2%)で、2位「旅行(宿泊を伴うもの)」(10.5%)、3位「衣服」(5.0%)、以下、「外食(食堂・レストラン、和・洋・中ほか専門店)」(4.8%)、「食品(ふだん食べるもの)」(4.4%)、「財形貯蓄」(3.6%)、「ローンや借入の返済」(2.5%)と続いており、「支給されない・分からない」の割合は43.5%にも上っている。

いざなぎ越えどころか、浮ついた消費には目もくれず、ボーナスを貯蓄やローンの返済に充てざるを得ない者が、合わせて46%とぶっちぎりのトップだった事実こそが、家計所得の厳しさと消費者心理の深刻さを物語っている。

さらに、「今月の家計の支出における節約志向」の割合をみると、2017年10月時点で「節約したい」との回答が69.1%に上り、消費税率が8%に引き上げられた2014年4月の50.2%から大幅に増加している事実も見逃せない。

国民が節約志向に縛られ、ボーナスを消費に廻せないのは、名目所得が増えない、あるいは、増えたとしても社保料UPや食料品・エネルギーコストの高騰で相殺され実質所得が増えないという単純すぎる理由に他ならない。

パートの時給が数十円上がり、介護報酬が0.5%上がったところで、そんなものは屁の突っ張りにもならない。
元々の所得の絶対値が150~300万円程度とあまりにも低過ぎるがゆえに、所得が多少上がっても消費を増やせるわけがない。

我が国の労働者の7割は中小零細企業に身を置き、先進国とは思えないほどの低所得に甘んじ、奥さんのパート収入を足してようやく家計を維持しているありさまだ。

国民経済を動かす主要エンジンたる個人消費のパワーを上げるには、民間企業の労働分配率を劇的に引き上げさせる必要があるが、民間企業の景気見通しを確たるものにするためにも、歳出拡大に対し政府が積極的姿勢を示すことが欠かせない。

しかし、「財源=税」という周回遅れの因習に囚われ、税収不足や財源不足といった取るに足らぬ理由を盾に政府支出増加を頑なに拒むバカ者が多いのが現実だ。

今年の投稿は今回が最後になるが、拙ブログは来年に向け、「税収だけが国家財政を支える絶対無二の存在だ」という病原菌にも似た悪習を少しでも取り払えるよう努力を重ねていきたい。

読者の皆様も、どうぞ、よいお年をお迎えください。

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コメント

税収のみが財源となると、
最終的には税金で取られる分と生活費が残るかどうかの収入
に落ち着く訳ですね。
まぁこれは綺麗に均した場合ですが。
まぁ貧富の差は出てくるから必ず餓死が出ますね。
財産権の侵害で貯金はパー。
災害が起きるとより目減りして悲惨になります。
流石に竪穴式になる前に財務省焼き討ちでしようがw

≫774さん

税と財政出動とがぐるぐる廻るだけなんて、発展性も生産性もありませんよね。

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