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2017年12月14日 (木)

あとは財政政策の出番

『日銀、永久国債で財政刺激を 中原・景気循環学会会長 ~黒田日銀インタビュー』https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23844950U7A121C1000000/

〈聞き手:福岡幸太郎/日経記者〉
 黒田総裁の4年半の金融政策運営に点数をつけるとすれば、いかがですか。
〈解説:中原伸之/景気循環学会会長・元東燃社長・元日銀審議委員〉
 55点だ。評価すべき点は思い切って「異次元緩和」を始め、今も維持していることだ。円高が是正され、企業業績が大きく回復した。(略)
 一方で前年比2%の上昇とした物価安定目標の達成時期を6度も先送りし、いまだに達成できていない。金融緩和に逆行する緊縮財政的な発言をして、消費税率の引き上げを政府に促した。

〈福岡氏〉
 これから景気が悪くなる時に備えて金融緩和の余地を作る「金融政策の正常化」を模索すべきだとの意見があります。
〈中原氏〉
 正常とは一体何を指すのか。金融緩和の出口を語る人は経済のどんな将来を見通しているのか教えてほしい。(略)
今は日銀が国債を買う量を減らすと言っただけでも円高になる。金融政策は元には戻れない。日銀の総資産は500兆円にのぼるが、当分の間、抱え続けることを考えないといけない。

〈福岡氏〉
 次期総裁の任期中にとるべき金融政策は何でしょうか。
〈中原氏〉
 日銀の総資産は危機対策として100兆円ほど増やす余地はあるだろうが、金融政策だけでできることは限られている。財政出動との両輪で景気を刺激すべきだ。
日銀が保有する国債のうち、約50兆円を無利子の永久国債に転換する。償還の必要がなくなるので、政府が新たに期間60年の建設国債を発行できる。
政府が防災対策などに10年間で100兆円のインフラ投資をする。
 
このインタビューが、よく日経に載ったものだ。
中原氏は、元々、積極的な金融緩和論者として知られた人物だが、ここまで財政政策に踏み込んだ主張をされては、聞き手の福岡記者も、さぞ苦々しい思いだったろう。

なにせ、中原氏から、
・消費増税に賛成した黒田氏の態度を緊縮的だと責められ、
・金融緩和の出口戦略を頭ごなしに否定され、
・日銀保有国債の一部無利子永久国債化や100兆円規模の大型財政支出
まで提案された日には、緊縮教徒の面目丸潰れといったところか。

おまけに中原氏は、政府と日銀とのアコード(政策協定)を見直し、物価安定目標だけでなく、雇用水準(完全雇用)や名目GDP(2023年までに620~630兆円)まで目標化しろと、“緊縮財政・消費増税・金融緩和手仕舞い”の三点セットを狙う日経の思惑とは正反対の主張をしている。

筆者としては、2023年までに名目GDPが750~800兆円になるくらい財金政策のアクセルを思い切り踏み込むべきだと思うが、金融緩和政策の継続やインフラ投資を主軸とする大型の財政政策を訴える中原氏の意見に異存はない。

何よりも、「政府と日銀の政策協定も見直す必要がある。物価だけにとらわれすぎたからだ。より良い経済が実現し、結果として物価が上がるのが望ましい」という氏の言葉には賛意を表したい。

現行のインフレ・ターゲット政策が物価上昇率ばかりを気にするあまり、「財政政策との両輪による経済活動の刺激」→「企業や家計所得の向上、将来の収入UPやインフレ期待によるディマンド・プル型の物価上昇」という政策目的が蔑ろにされてきたことに対する強い警告だと言える。

近頃の我が国では、“国民総デフレ化現象”が蔓延し、未来への希望や成長を語るのを恥じるかのような風潮がある。
しかし、将来世代に衰退国家という負の遺産を残さぬためにも、強靭な国富(=生産力)を備えた社会基盤の構築が不可欠だし、そのためには高水準な経済成長を維持し続ける必要がある。

・社会インフラの維持更新や防災対策など20年間に200兆円のインフラ投資
(※工事発注量だけでなく発注単価も大幅に引き上げ、土木建築業界への参入や投資を促進)
・社会保険料負担軽減のため年間30兆円規模の国庫負担を20年間継続
・消費税の廃止
・国民一人当たり月額3万円規模のベーシック・インカムを実施
これらを合計すると年額でざっと100兆円規模になるが、これくらいインパクトのある政策を打ち出さぬ限り、氷河期並みに凍り付いた国民の緊縮意識を氷解させることは不可能だ。

大型の財政政策の話をすると、やる気のない緊縮主義者の連中が、「財源はどうするんだ」、「人手が足りないぞ」、「円が暴落する」と騒ぎ出すのは目に見えているが、20年余りも財出を怠ってきたツケを払い、日本経済を再び力強い成長軌道に乗せるためには、守銭奴どものくだらぬ常識論など構っていられない。

財源なら、国債増発や紙幣増刷で何とでもなる。
そうした手段を忌み嫌うのは、「財出の財源=税収のみ」という旧式の発想に囚われた周回遅れのポンコツ緊縮論者の悪い癖だ。

供給能力の問題については、量でなく質の向上、つまり、発注量の増加ではなく発注単価の大幅引き上げで相当程度解決できるし、受注側の企業にとっても、公共事業受注の旨みが増せば、長期的な設備や人材投資の計画も立てやすくなる。

人手不足の問題も心配不要だ。
日本には失業者(190万人)、潜在的失業者(380万人)合わせて570万人もの労働力が余っているとされ、人手不足云々など、雇用条件改善努力を怠っている企業側の言い訳に過ぎない。

現に、中小企業基盤整備機構の調査(H29/5「人手不足に関する中小企業への影響と対応状況」)によると、回答のあった1,067社のうち73.7%が人手不足だと答えているのに、それを解消する方策として挙げられたのは、「多能工・兼任化(75.6%)」、「外注化(39.3%)」、「残業増加(35%)」といったものばかりで、「賃金や雇用条件の改善」との回答はたったの27.5%に過ぎず、企業の本気度が疑われる。

人手不足なんて言ったところで、所詮は、低賃金・長時間労働に耐えられる“奴隷”が見つからないと嘆いているだけのことだろう。

“円の暴落”云々に関しては、あまりにレベルが低すぎるので今回はスルーするが、怠け癖の抜けない緊縮論者や成長否定論者には、自分たちの愚策が将来世代に何を残せるというのか、具体的に提示してみろと言っておきたい。

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コメント

素晴らしい!
この様な正論を吐く人がいるとは!
金融政策と徹底した財政出動!
中原伸之氏を次の日銀総裁にして下さい!
安倍総理では無理でしょうね。

素晴らしい!
この様な暴論を吐く人がいるとは!
金融政策と徹底した財政出動!は、もう40年以上も前のスタグフレーションで、完全に否定された政策。
脳内妄想全開!

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