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2017年12月20日 (水)

日銀のバランスシートなんて無意味

『「出口のリスク」は存在しない=吉松崇〔出口の迷路〕金融政策を問う(5)』(週刊エコノミスト 吉松崇/経済金融アナリスト)
https://www.weekly-economist.com/20171107bojexit5/

「2013年4月に導入された「量的・質的金融緩和」により、日銀が年間およそ80兆円のペースで国債の買い入れを行った結果、その保有資産が大きく拡大している。この巨大化した資産により、インフレ目標が達成されると日銀が大きなリスクを抱えることになる、という懸念が最近喧伝(けんでん)されるようになった。量的金融緩和の「出口のリスク」である。
 日銀がインフレ目標を達成した段階では、市場の名目金利も上昇しているはずである。そうすると、日銀は保有する国債に大きな含み損を抱えることになる。たとえ日銀が国債を売却しないとしても、資産に対するバランスシート上の負債サイドである当座預金(超過準備)に市場金利を支払う必要が生ずる。この金利は、日銀が既に購入した国債から受け取る金利収入を大きく上回ることが予見できるので、日銀の経常利益が経常損失に転じる。(略)」

上記コラムの中で、吉松氏は、インフレ目標達成後の市場金利高騰に伴う日銀のバランスシート棄損懸念に対して、「このような日銀の「出口」に関する懸念には根拠がない。仮に、日銀が債務超過になったとしても問題は生じない。日銀の自己資本には、何ら経済的な意味がない」と喝破しており、筆者もそれに同意する。

緊縮主義者や金融緩和懐疑主義者だらけのエコノミスト業界にあって、実体経済化における日銀バランスシートの中立性を訴える吉松氏のような意見は、まことに特異な存在だと言える。

巷のエセ学者や理論倒れのエコノミストたちは、「市場金利高騰により日銀の利払い負担が雪だるま式に増え、債務超過転落を招く」と量的緩和政策の危険性を煽り、出口戦略をしきりに催促する。

だが、補完当座預金制度に基づく日銀当座預金への付利(0.1%)は、2008年10月に始まった“特別措置”に過ぎず、本来なら、市中金融機関等が持つ日銀当座預金はゼロ金利であってしかるべきなのだ。

日銀が市中金融機関へ便宜的に支払っている0.1%の金利は、元々支払う必要のないものであり、市中金融機関に対してゼロ金利やマイナス金利を強要せざるを得ない日銀による“迷惑料”でしかない。

(奇跡的にも)政府とのアコードによる積極的な財政金融政策が発動し、日銀によるインフレ目標が見事に達成され、政策金利が2~3%を超えるような幸運がもたらされるならば、実体経済の投資や消費が活発化し、ディマンド・プル型の資金需要につられて市中金利も自然に上昇するだろう。

そうなれば、市中金融機関は、わざわざ無利息、あるいは、たったの0.1%しか利息の付かぬ日銀当座預金に資金を寝かせておく必要はなく、高収益が見込める融資先の獲得を巡り激烈な貸出合戦が始まるはずだ。

日銀当座預金の付利云々なんて、蚊ほどの価値もない些末な問題であり、それを言い訳にして日銀の債務超過を心配り、金融緩和政策に箍を嵌めるような論者は、緊縮政策をゴリ押ししたいだけのジャンクに過ぎない。

コラムの中で、吉松氏は、
「日銀は資金制約なく取引を遂行でき、取引の相手方からみれば、信用リスクを心配する必要がない。日銀の取引相手方が日銀の信用リスクを心配する必要がないのだから、日銀の自己資本にそもそも経済的な意味はない。
万一、日銀が債務超過に陥っても、これを放置しておいて何の問題も生じない。
一方、すでに述べた通り、政府はゼロコストで日銀の自己資本を補てんすることができるが、そもそもゼロコストで資金支援が可能であるという事実が、日銀の自己資本が経済的に無意味であることを示している。」
と指摘しているが、これも正論である。

日銀は外形上、株式会社の態を取っているものの、我が国の通貨発行と金利調整を司る政府との統合機関であることは明白であり、そのバランスシートを一般通念的な営利企業の視点で論じること自体が無意味だし、そもそも、バランスシートを作成する必要すらない。

日銀の財務悪化を通貨暴落と結び付けたがるジャンク論者も多いが、紙幣発行機関に過ぎない日銀が、通貨(円)の価値を一身に背負い、担保しているかのように誤解するのは馬鹿げている。

円の価値を担保するのは、政府・産業界・国民の生産力や資力、法令順守力、インフラ整備水準、教育レベル、科学技術力、税制等々、一国の総合力であり、通貨発行機関の信頼性なんて、それらの片隅にあるワン・オブ・ゼムでしかない。

それを証拠に、一万円札を欲しがり有難がる国民のほとんどは日銀の財務状況など知らぬし、そもそも日銀が株式会社であることを知っている国民が何パーセントいるというのか?

吉松氏の「日銀の自己資本は経済的に無意味だ」という主張は正しいし、日銀のバランスシート棄損を言い訳にして金融政策の出口戦略を急かす輩は、間違いなく、経済の基本すら理解していない最低のクズ論者と言える。

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コメント

全く同感です!
まともなエコノミストも存在するのですね!

≫北野桜さん

こういった経済の基本を押さえたエコノミストが増えて欲しいものですね

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