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2018年2月 8日 (木)

財政政策を嫌うのは経済音痴の証拠

マスメディアやネット上で政治・経済・社会問題を偉そうに語る論者は絶えないが、知識人ぶる連中に限って経済問題には極めて無知・無関心で、小学生レベルの認識しか持ち得ていないのは非常に嘆かわしい。

特に、大学教授や新聞の論説委員、マスコミOB、文芸関係者辺りの「霞を喰って生きてきた暇人」は、経済問題を意図的に避けたがり、“日本の財政赤字は世界最悪、財政支出は悪”とさえ言っておけば格好がつくと思い込んでいる。

今回は、そんな暇人の書いた二本のコラム(自ブログの転載記事)をご紹介したい。

『財政危機に米国は苦悶、日本は鈍感』(1/23 アゴラ)
http://agora-web.jp/archives/2030667.html
『国民の楽観主義を生む経済目標の偽装』(1/28 アゴラ)
http://agora-web.jp/archives/2030755-2.html

いずれのコラムも元読売新聞記者の中村仁氏によるものだが、さすがは “平均”年収1500万円と言われる新聞最大手出身で現役時代にカネで苦労したことがないせいか、実体経済の基本をまったく理解せず御高説を開陳している。

中村氏の云いたいことをまとめるとこんな具合だ。

・OECD主要国における予算・財政の透明性が1位のアメリカですら予算成立に苦労しているのに、国の借金が1,000兆円を超える日本がPB黒字化目標を先送りするなんて信じがたい。

・財政再建に必要な経済成長率3%はおろか、2%さえ達成は危うい。無理して財政拡大をすべきでない。

・黒田日銀による異次元金融緩和政策は実質的な財政ファイナンスで財政規律を弛緩させる。

・政府は日銀に国債を買わせることを止め、社会保障改革と消費税10%への引き上げに今すぐ取り組め。

・憲法改正に財政健全化の条文を盛り込み、政権が恣意的に運用できぬよう歯止めをかけるべき。

中村氏は、コラムの随所でアベノミクスによる景気回復話は単なる与太話だと批判しており、その部分については賛意を表したい。

だが、安倍政権の経済運営を批判する論者にありがちな、「安倍首相は野放図に財政支出を拡大している」、「日銀を丸め込んで財政ファイナンスに手を染め、財政規律の破壊を狙っている」、「増税やPB目標カードを駆使して、財務官僚の首根っこを押さえている」といった妄想に囚われており、批判の矛先があらぬ方向に逸れている。

中村氏は、緊縮的改革論が大好きな安倍首相に、なぜか“財政拡大派”のレッテルを貼り、財政再建を阻害する危険人物だと言わんばかりだ。

彼は元新聞記者でありながら、安倍首相や与党の連中が、憲法改正案に財政規律条項を盛り込もうとし、経済財政諮問会議の場でも、ことあるごとに聖域なき社会保障改革(=社会保障の劣化)や歳出削減を叫んでいることすら知らぬらしい。

現在、安倍首相や与党の経済運営を巡り、論壇は二つの意見に割れている。

一つは、「金融政策のお陰で、雇用改善!株価上昇!アベノミクスは大成功! でも、土方が足りないから財政政策なんてやる必要ないよね? なんか文句あるか(# ゚Д゚)」という楽観派。

もう一つは、「安倍首相は日銀と結託して財政ファイナンスで財政赤字を垂れ流そうとしている。このままでは日本は財政破綻を免れない。増税だ!社会保障カットだ! 財政政策なんて止めてしまえ! なんか文句あるか(# ゚Д゚)」という悲観派だ。

一見、真っ向から対立の様相を呈しながらも、両派は、「現実の経済状態や安倍政権の経済方針を思いっきり誤認している点」と「財政政策を徹底的に嫌悪している点」の二点を共有しており、まさに、“大同小異”の関係にある。

おまけに、
・財政支出を止めたまま、“財源は見当たらないけど、とにかく分配しろ”と騒ぐ小学生やポエマー
・根回しすらできず、経済観念がチンパンジー未満の野党議員(与党議員は野猿未満)を煽動しろとキレる幼児的万能感まみれのお坊ちゃん
・“輸入を増やせば経済成長する”、“ストックはフローに廻らない”という迷言を騙るシロウト(※似非本の在庫山積み)
等々、有象無象の役立たずどもが跋扈するから、論議の質は劣化と低下の一途を辿っている。

件の中村氏は、“安倍政権は緊縮への取り組みが足りなさ過ぎる”と憤る悲観派に区分されるが、彼が唱える「改正規律の厳守や増税・社保負担増の完遂」の先に、どういう経済環境や国民生活が待っているのか、まったく想像できていない。

消費税を10%→15%と上げ続け、年金支給を遅らせ医療費負担を増やし社会保障を劣化させ、地方交付税交付金や公共投資を削り、その結果、財政を健全化させたとして、いったい国民にどんなメリットがあるというのか、中村氏は理論立ててきちんと説明すべきだ。

政府・日銀のバランスシートや通貨の信認だけを気に掛けて財政支出を絞り込むと、実体経済に放出される資金(売上や所得になるおカネ)が企業や家計の期待を下回り、収益や所得の逓増予想をしづらくなって自然と支出が抑制され、長期的視野に立った投資や消費増進の芽が摘まれてしまう。

一部には、日本の財政支出は膨張し続けていると寝惚けたことを抜かすバカもいるが、国債費を除く当初予算ベースの増え方は、まことに微々たるもので、まったく積極性が感じられない。

年度終盤に慌てて補正予算を組み、さも経済対策をやったかのように装うのも稚拙なやり方で、所詮、補正は補正ゆえに、企業・家計・マーケットの心理に長期的成長期待を根付かせることができず、成果のない“やっつけ仕事”で終わってしまう。

政府は堂々と前年比2~3割増しの積極的な当初予算を組み、地方交付税交付金や公共投資、社会保障費に多額の資金をぶち込み続ける強い意志を示すべきだ。

家計や企業の消費・投資心理は、黒田バズーカという異次元金融緩和には大した反応を示さなかったが、積極的な財政支出には間違いなく反応する。
「返済を要するおカネや他人の懐に入っているおカネ(金融緩和が生み出すマネー)」と「自分が自由に使えるおカネ(財政支出が生み出すお金)」との間には、消費・投資の誘因効果に格段の差があるからだ。

中村氏のように、金銭に対するつまらぬ倫理観に拘泥して経済の基本を学び忘れた輩は、どうせ暇なんだろうから、財布の中にある紙幣や小銭をまじまじと眺め、それがどこから来て、どこに行くのか、貨幣というものが何のために存在しているのか、じっくり考えてみることをお勧めする。

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コメント

>憲法改正案に財政規律条項を盛り込もうとし
 そんな馬鹿垂れエスタブリッシュメンバー奴等ばかりなんでしょうし、総理は国民が決める野田!と何度も言っている気がしますけど、それこそ完全に恐ろしい結果に成りそうな気がしてなりません。
もうデフレーションの言葉もこの世、いや日本から消し去られてしまうことになりかねない気がしてなりません。
ある意味国民が決めると言う発言の意味は、総理に自己責任の思想が根本的にあることを表している気がしてなりません。
相変わらず発言が根本的に変わらない気がして、考えているとバカバカしくなってきてしまいます。
 久しぶりにお邪魔しましたけど御理解、御了承ください。
こんなことを井戸端暴言会議できる場がないんです。こちらの頁に陰の独り言としてスルーしてください。

≫反孫・フォードさん

この記事は来週木曜日公開予定だったのですが、予約投稿の設定を間違えたみたいです。(´・ω・)

憲法に財政規律を盛り込むなんて、国民に自殺を命じるレベルの猛毒なんですが、いま国民投票にかけたら、賛成派が多数になりそうで怖いですね。

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