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2018年4月 5日 (木)

緊縮ノミクスから卒業を

『「目先ノミクス」から卒業を』(3/13 日経新聞 大機小機:与次郎)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO28005890S8A310C1EN2000/

「黒田東彦総裁再任、2人の副総裁人事の政府案が提出され、4月からは「異次元の金融緩和」も2期目に入る。日銀が「2%物価目標」の旗を降ろすことはない。とはいえ、何のための金融緩和か、改めて考えるよい機会である。
 金融政策の目的は何か。日銀法は日本銀行に「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」よう求めている。(略)
2%の物価上昇は喫緊の課題ではない。物価は安定し、日本経済は超完全雇用の状態である。こうした中、異常な金融緩和の副作用がはっきりしてきた。マイナス金利で金融機関の経営が悪化というのでは本末転倒だ。財政規律の緩みも確実に進行している。(略)
大胆な金融緩和、第二幕では「目先ノミクス」を卒業し、中央銀行の独立を回復してもらいたい。」

「物価は安定」、「日本は超完全雇用状態」、「財政規律の緩み」…
いやはや、目先が曇るどころか、脳内があらぬ妄想と作り話で汚染されているのは、コラムを書いた与次郎氏の方だ。

緊縮主義者と構造改革主義者揃いの大機小機には、いつも失笑させられるが、今回の内容も酷い。

まず、金融緩和政策の2%の物価目標の意義を誤解している。

これは、当の日銀首脳陣やリフレ派の連中も同じだが、「量的緩和やマイナス金利政策が実質金利の引下げと円安効果を生み、市場にインフレ期待が醸成され、投資や消費が刺激され物価上昇につながる」といった具合に政策の意味を取り違えているようだ。

実質金利の低下と消費・投資の活性化とがイコールの関係になるためには、それらの源泉になる企業・家計の収益・所得が十二分に潤沢でなければならない。

企業にしろ、家計にしろ、いま現在、そして、将来にわたり収益や所得が増え続けるという明確な希望や確信を持てぬ限り、インフレ期待や成長期待を抱くことはない。

低賃金下の物価上昇は、「期待」ではなく「不安と恐怖」しかもたらさない。

2%の物価目標というゴールは、企業や家計の懐が完全に温まる(=収益や所得が潤沢に増える)という前提条件なしには成り立たないが、リフレ派の連中も、金融政策を嫌う緊縮派のバカどもも、物価目標という数値ばかりに拘り、政策の真意を完全に見失っている。(あるいは意図的に無視している)

与次郎氏は、物価が安定していると思い込んでいるようだが、日銀の「生活意識に関するアンケート調査-2017年12月-」(第72回)によると、現在の物価に対する実感(1年前対比)を尋ねたところ、「かなり上がった(7.6%)」・「少し上がった(59.5%)」と67%以上が物価上昇を実感しており、体感的な上昇率は平均で+4.5%、さらに1年後の物価上昇予想は+4.3%と答えており、安定どころか、多くの国民は食料品やガソリンなど日用品の値上がりに苦しんでいる。

また、彼曰く、“日本は超完全雇用”だそうだが、労働力調査による完全失業者数159万人に加えて、潜在失業者数はいまだに400万人以上と推計されており、いったいどこが超完全雇用なのかまったく理解できない。
【参照先】https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/research/pdf/9627.pdf

だいたい、“超”が付くほどの完全雇用なら、とうの昔にロスジェネ世代が失業や非正規雇用から脱しているはずだし、最賃の時給が1,500円、大卒初任給も30万円くらいに上がっていてしかるべきだが、まったくそんな様子は見受けられない。

筆者は学生時代に本当の超完全雇用を経験したが、アパートで寝ていても企業や学生OBから面接の電話がひっきりなしに掛かってきたし、就活で上京する際の交通費や宿泊費もすべて企業持ち、人事部やOBとの面談は高級レストランでおごりなんてのが当たり前だった。

知り合いの中には、企業からの電話に出ただけで内定を宣告された者や、計13社もの内定を獲った豪傑もいた。

そんな呑気な時代に比べれば、いくら売り手市場とはいえ、昨今の就活なんて、学生は面接対策やエントリーシート、TOEICなどに振り回され、かなり大変で気苦労が多く、就活に伴う費用負担もバカにならない。
こんなもので超完全雇用を名乗るなど、おこがましいにもほどがある。

最後にお決まりの「財政規律の緩み」だが、ここ5年余りの我が国の一般会計予算(国債費を除く当初ベース)の推移を見れば、緩みどころか守銭奴ぶりが際立っており、ほとんど増えていないではないか。(いまだに総額で100兆円を超えていない…)

財政規律がちゃんと緩んでいたならば、いまごろ歳出規模は130兆円くらいになっていてもおかしくはない。

与次郎氏は、とにかく緊縮せねばという目先の小事に囚われ、現実社会の苦境がまったく見えていない。

彼は、コラムの締めで中央銀行の独立を回復すべきと強調するが、時勢を読み間違えた妄言でしかない。
我が国の経済は、絶対的な需要レベルの低下を原因とする不況に苦しめられており、日銀に求められるのは、独立を気取って通貨の番犬に成り下がるのではなく、政府の尻を叩いて積極的な財政政策を促し、実体経済に所得に直結する通貨を供給することなのだ。

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コメント

>実質金利の低下と消費・投資の活性化とがイコールの関係になるためには、それらの源泉になる企業・家計の収益・所得が十二分に潤沢でなければならない。

バカだな。実質金利の低下で狙うのは、投資であって、消費ではない。


財政+金融=投資回復のための政策。ケインズも知らんのか?

>実質金利の低下と消費・投資の活性化とがイコールの関係

投資はイコールの関係

2012年10-12月期を100にした場合
2017年同期  119.5

海外投資も同
2017年同期 132.5

完全に目標達成 バカか?

>潜在失業者数はいまだに400万人以上と推計されており、いったいどこが超完全雇用なのかまったく理解できない。

理解しなさい、ボケ論者。
http://traindusoir.hatenablog.jp/entry/20170303/1488543129

>我が国の経済は、絶対的な需要レベルの低下を原因とする不況に苦しめられており、

景気回復は6年目に突入、戦後最長をうかがう情勢

お前な、現実を捻じ曲げるな!ボケカス!

>お前な、現実を捻じ曲げるな!ボケカス

 この言葉は、「うじら」氏に跳ね返ってくる。

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