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2018年6月28日 (木)

ハイパーインフレなんて起きない

『財政ファイナンスの何が悪いのか』(6/26 アゴラ 池田信夫 SBI大学院大学客員教授)
http://agora-web.jp/archives/2033381-2.html
「日銀の若田部副総裁が国会で、日銀による長期国債の買い入れについて「物価2%目標の実現に向けた金融政策上の目的で行っている」とし、「政府による財政資金の調達を助けることを目的とする、いわゆる財政ファイナンスではない」と語った。これは彼の過去の言論と矛盾する。
彼は『ネオアベノミクスの論点』で、「デフレからの脱却には、財政ファイナンス的な政策がじつはもっとも効果的なのです」(p.96)と書いた。財政ファイナンスが効果的なら、日銀がそれをやらないのは職務怠慢である。財政ファイナンスで日銀が国債をすべて買えば「無税国家」ができ、納税者もハッピーだ。
これは理論的には、必ずしも荒唐無稽とはいえない。若田部氏がいうように、政府と日銀の統合政府のバランスシートで考えれば、日銀が国債を買うのは子会社が親会社の社債を買うようなもので、連結の債務は増えないから、政府と日銀の債務を区別する理由はない。(略)」

池田氏は、反原発ゴロとエセ慰安婦叩きには非常に有能だが、こと経済問題となると、時代遅れのポンコツ緊縮主義者でしかなくなる。

そんな彼が、財政ファイナンスを擁護するかのような書き出しでコラムを展開しているが、何のことはない。
案の定、「国債金利上昇で日銀が債務超過になる」、「日銀が貨幣をどんどん発行してインフレになると市場が判断すればハイパーインフレになる」、「財政インフレはコントロール不能」云々と“財出恐怖症による発作”のためか、誇大妄想が止まらぬようだ。

彼は、国債金利高騰により日銀が債務超過化すれば、政府が一般会計から資金注入せざるを得ないと怯えるが、そもそも、国債金利が高騰するに至るロードマップについて具体的な根拠を一切示していない。

他国からの大規模な軍事攻撃なのか、三大都市圏をメガクエイク(巨大地震)が襲うのか、はっきりしろと言いたいが、緊縮主義者にありがちな妄想家に論を以って諭すほど無益なことはない。

実社会で金融を取り扱う者の感覚では、「金利高騰=巨額の資金需要の発生」というのが常識だが、自身の妄想だけを唯一の根拠にする詭弁師は、“市場”という名のフワフワした実態のない存在を持ち出し、あたかも、金利や物価を自由に上げ下げできる全能の神であるかのごとく扱いたがる。

国内銀行の預貸差(貸出額-預金額)は、ここ三年間で▲214兆円→▲294兆円へ80兆円も拡大している(統計外の郵貯や農協、信託銀行などの数値を考慮すると、差額はさらに拡大する)、つまり、それだけ資金需要が低迷しており、国債金利が高騰するほどの資金需要が発生する気配はまったく感じられないのだが…

たとえ、金利上昇により日銀のバランスシートが毀損し債務超過に陥ったとしても、日銀が政府を含む通貨発行機関の一つである以上、ほとんどノーダメージだ。

池田氏は、政府の一般会計を使って日銀に資本注入するしかないと大嘘をつくが、わざわざ国民の反発を招くような手段に固執せずとも、政府が通貨発行権を行使して財源を創り、資本を補填すればよいだけのことだろう。

経済誌に目を通すと、彼のように、“日銀が大規模に貨幣を発行すると市場が勝手にインフレ予想し、それがハイパーインフレの引き鉄になる”という作り話がまことしやかに騙られているが、詭弁師や詐欺師のいう「市場」の定義は、常に不明瞭なままだ。
ある時は“金融マーケット”、またある時は“債券ディーラー”、またまたある時は“一般市民”と、その姿かたちは変幻自在で、都合よく増殖したり縮んだりする。

筆者は黒田日銀による異次元緩和政策を紛い物としか思っていないが、池田氏の論のとおりなら、日銀の国債保有高は今年3月末時点で、すでに416兆円にも達し、その分だけ貨幣が発行された(※実際は国債と両替されただけ)のだから、市場とやらが高水位のインフレを予想し、年率20%くらいのインフレになっていてしかるべきだが、現実はご覧のとおりだ。

日本だけでなく、世界中で生産能力が飛躍的に伸びた現実を直視すれば、もはやハイパーインフレなど起こり得ないことくらい小学生でも理解できる。

いったいどうすれば、自販機で売っている130円の缶コーヒーが、一年後に17,000円にもなるというのか?

仮に、缶コーヒーの価格が倍になったとして、その途端にメーカーはビッグビジネスの到来とばかりに大増産に踏み切り、たちまち日本中の缶コーヒー需要は満たされることになるだろう。
それとも、池田氏は、缶コーヒーが17,000円になるまで意地でも飲み続けるとでも言い張るつもりか??

また、財政インフレはコントロール不能との幼稚論に対しては、過去に世界中で起きた高インフレやハイパーインフレがいかに沈静化したか、よく勉強しておけと言っておく。

池田氏はコラムの結びに、経済学説史を専門とする若田部副総裁は金融の素人だとバカにしているが、彼の経済知識こそ、そこいらのおばちゃん並みのド素人であり、周回遅れも甚だしいと言わざるを得ない。

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