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2018年7月23日 (月)

人命はカネより軽い

先月の西日本豪雨による被害は、本原稿を書いている7/18時点で、死者・行方不明者229名、負傷者252名、住宅被害34,189棟という未曽有の規模に拡大した。

個々の被災者の生活再建や建物・公共インフラなどの復旧・復興までに、いったいどのくらいの期間や費用を要するのかと思うと溜息しか出ない。

東日本大震災の折りにも、被災者や被災地への資金支援を後回しにした復興税という負担の強要を強いられ愕然としたが、今回も、カネを惜しんで被災地復興や防災・減災対策を蔑ろにする醜い守銭奴が跋扈しているようだ。

『財政が背負う三重苦を乗り切れるか』(7/14 アゴラ 中村仁 元読売新聞記者)
http://agora-web.jp/archives/2033716.html
「西日本の豪雨災害の総被害額は1兆円を上回るそうです。相次ぐ台風・豪雨災害に加え、何年かに一度の周期で震災が発生しています。さらに北朝鮮の非核化費用の分担、米国から要請されている国防予算の増額や非核化費用も待ち構えています。日本の財政はすでに先進国最悪といわれ、そこに新たな負担が覆いかぶさってきます。どうするのでしょうか。(略)
今朝の新聞によると、土木関係の識者が自分たちの出番が巡ってきたとばかり、「国を挙げて治水対策を急げ」(藤井京大教授、読売新聞)と、主張しています。(略)
日本の財政はすでに1000兆円もの国債を発行し、将来世代の負担になります。将来の負担は減らさなければならない時なのに、この論者は逆に「増やせばいい」といいうのです。(略)
かりに首都直下型大震災が起きれば、復興、復旧に必要な財政資金(国債)を調達するために、外債を発行しなければならなくなるかもしれません。今のような限りなくゼロ金利による発行とはいかなくなるでしょう。そういうことを想定して、財政状態を健全にしておき、日本国債を海外で発行しても、海外における市場金利で消化されるようにしておくのが政治の役目です。(略)」

国民の生命財産を護るよりも、国庫の収支を優先したがる論者の頭の仲は、いったいどうなっているのだろうか?

中村氏みたいな緊縮絶対主義者は別段珍しくないが、彼らがそこまで財政破綻に怯えるのは何ゆえか、筆者はいつも不思議でならない。

1995年に当時の武村蔵相が日本政府の財政危機宣言をしてから、もう23年も経つが、10年国債の平均利回りは3.473%→0.056%と、国債の信認は高まる一方だ。
しかも、金融緩和政策により、政府発行国債の日銀保有率は44%近くに達し、その分だけ実質的な債務が消滅するから、政府の財政健全度は近年になく高まっている。

緊縮派の論者は、日銀の国債保有を、あたかも禁じ手やインチキであるかのように批判するが、欧米諸国をはじめ先進国ですでに一般化した手法であり、これを問題視する方がどうかしている。

実際に、日銀は20年以上前から国債を保有してきたが、それで問題があったかと言えば、何もなく、国債金利の安定化と政務債務の実質無効化による財政支出の余地拡大というメリットばかりではないか。

財政問題もなく、財政破綻も起き得ない我が国で、たかが1兆円の豪雨被害額を出し渋り、復興や防災対策を後回しにして財政健全化をゴリ押しするのは、灼熱のアフリカ大陸で寒波到来に怯えるようなもので、緊縮バカの倒錯した心理には呆れるよりほかない。

中村氏は、これ以上の国債発行は将来世代の負担になると不満顔だが、毎年のように頻発する自然災害は現に多数の人命と多額の財産被害をもたらしており、必要な災害対策に予算付けせず放置することは、現役世代のみならず将来世代に対する甚大な被害のツケ回しにしかならない。

彼は何を勘違いしたのか、首都直下型地震による災害復興資金を国内で調達できず、外債発行に頼らねばならなくなると心配しているが、レベルの低すぎる妄想に囚われる前に、国債発行や貨幣発行の仕組みを勉強すべきだ。

国債は0.1%にも満たぬ超低金利で腐るほど発行できるのに、わざわざ高い金利を払って外債発行するバカがどこにいるのか、論理的に説明してもらいたい。

中村氏は。国家が好きなだけ国債を発行するのが気に喰わぬようだが、国家の基本的かつ最大の構成要因である国民の生命財産を護るために国債や貨幣を発行することの何処に問題があるのか、筆者にはまったく理解できない。

カネなんてものは、国民が豊かで安全に社会生活を送るためのツールや方便に過ぎないのだから、必要に応じて柔軟かつ大量に発行すればよいだけの話だろう。

「カネを惜しんで、人命財産を惜しまず」という危機感が欠如した緊縮主義者の発想は、まことに忌むべき暴論である。

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