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2018年7月 5日 (木)

増税と歳出カットは家計破綻を誘発する不安材料

“経済”とは、元々、「経世済民(世の中をよく治めて人々を苦しみから救うこと)」を意味する中国の古語であり、国民を困窮から救い、その生活を向上させ続ける政策を指す。

つまり、国民の為になすのが経済政策であり、その果実を一身に享受すべきは、何を差し置いても「国民」であり、だからこそ、国民の代表者たる国会議員で構成される“政府”に経済活動のエネルギー源たる「通貨発行権」という大権が負託されているのだ。

巷には、「通貨発行権を持っているのは日銀だけ」なんて頭のおかしな大嘘を吐くバカ者もいるが、“通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律”の第4条1項に「貨幣の製造及び発行の権能は、政府に属する。」と明記されているのを、穴が開くまで凝視すればよかろう。

ちなみに、同法第5条には、「貨幣の種類は、五百円、百円、五十円、十円、五円及び一円の六種類とする。」とされ、一見、記念硬貨以外での高額貨幣の発行はできないように思えるが、そんなものは法文改正で何とでもなる。

第6条で「貨幣の素材、品位、量目及び形式は、政令で定める。」としており、貨幣=硬貨に限定しているわけではないから、貨幣種類の通貨単位さえ改正すれば高額紙幣の発行も可能だし、日銀発行紙幣との混在が面倒なら、兆円単位の特別硬貨を発行して日銀に預け同額の紙幣を発行させればよい。

要は、やる気の問題であり、通貨や貨幣の発行権を経済活性化のエネルギーとして活用する気のないナマケモノは、端から屁理屈を並べて逃げ回っているだけに過ぎない。

いくらでも創ることができる通貨や貨幣を神格化し、国民生活や経済成長よりも通貨の信認を大切にしたがる守銭奴どもは、貨幣が国民の手に渡ることを身震いするほど嫌悪し、国民から貨幣を召し上げることにばかり熱中する。

経済を騙りながら、その本質を理解できない偽物の脳内には、常に「増税と歳出カット」しかない。


『日本の財政は「3つの大丈夫」があるから破綻しない、は本当か』(6/20 DIAMOND online 西岡純子 三井住友銀行チーフ・エコノミスト)
https://diamond.jp/articles/-/172828
「(略)いまの財政状況を考えると、世論の大きな反発を招くほどの歳出カットや税収増を強力に進めない限り、日本の財政は、もはや事なきを得ることはできないように思われる。
 だが日本ではそうした危機感はどうも低い。その理由は、市場が、詰めて考えると何ら解決策につながらないことを「安心材料」として勘違いしてしまっているからだ。それが危機的な状況に対する感度を下げてしまっているのだ。
 勘違いされている「安心材料」の代表例が、(1)日本は純債権国だから大丈夫、(2)経常黒字国だから大丈夫、(3)安定保有の投資家に支えられているから大丈夫、の「3つの大丈夫」だろう。(略)」

そもそも西岡氏の日本の財政問題に関する論点は、本質から大きくズレている。

彼女は、財政破綻があり得ない安心材料を「純債権国・経常黒字国・機関投資家による国債安定保有」の三点に求めているが、それでは950兆円もの対外純債務と60兆円もの経常赤字を抱えるアメリカの国債格付けがAaaを維持する理由を説明できまい。

安心材料なら、財務省がかつて外国格付け会社宛ての意見書に記した「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」の一文のみで十分であり、日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高 云々は、世界一豊かな日本の懐事情を修飾するための飾りに過ぎない。

国家が無限に製造できる通貨(貨幣)の返済が滞るなんて、心配する方がどうかしている。

昭和50年ころの国債発行残高は約15兆円と対GDP比でわずか9.8%に過ぎなかったが、5年物国債の利回りは8.4%にも達していた。
一方、昨年度の普通国債発行残高は860兆円を超え対GDP比で156%にもなるが、国債の利回りは5年物でマイナス0.119%、10年物でさえ0.039%という安定ぶりだ。

西岡氏には、財政破綻を怖がりたいのなら、国債発行額がいくらに達すれば破綻するのか、具体的に答えてみろと言っておきたい。

また、彼女はコラムの中で、徴税権を理由とする政府と中央銀行との統合政府論は成り立たない、日本の財政について「本当の安心材料」は大幅な税率引き上げと大幅な歳出減以外にないと主張するが、いずれも幼稚でバカげた議論である。

彼女は、中央銀行の純資産を政府の徴税権で担保できるという考えはおかしいと指摘するが、統合政府論を支持する者で政府の徴税権のみを論拠にする者などいない。
そんな変わり者は彼女が都合よく創作した妄想だろう。

そもそも、中央銀行は政府の一機関に過ぎないし、一般の国民は日銀が完政府から完全に独立した別組織だなんて考えていない。
誰もが紙幣(日銀券)を有難がるのは、「日銀=絶対的な信用力を持つ政府の一機関」だと信じ込んでいるからだ。

よって、日銀単体の純資産だけを取り出して、その多寡により紙幣の価値(通貨の信用)が上下すると考えるのはおかしい。

日銀が保有する国債金利の高騰により、たとえ日銀が債務超過に陥ったとしても、それは、政府機関の一部組織の決算がたまたま赤字になっただけのことで、政府による貨幣発行により即座に赤字を埋めてやれば済む話だ。

だいたい、彼女みたいな緊縮論者は、徴税権の捉え方が根本的に間違っている。

徴税は国家財政を潤すために国民の尻を叩いてやるものではなく、社会的不平等の是正や実体経済の体温調節のための資金量調整として行うべきもの、つまり、本来、税金というものは歳入の主軸に据えるべきものではなく、富の再配分や景気調整の一手段として副次的役割に甘んじるべき存在なのだ。

それにしても、大幅な税率引き上げと大幅な歳出減こそが財政破綻を回避する真の安心材料だなんて言い切る彼女の脳内はどうなっているのだろう?

消費税率を10%、15%に引き上げ、PB黒字化を前倒しして歳出を10%、20%削ったなら、国家財政よりも先に、国民の3~4割の家計が破綻してしまうだろう。
なにせ、我が国の総世帯に占める無貯蓄世帯の割合は34%にも達しているのだから…

景気がどれだけ悪化しても、増税と歳出カットで国民をシバキ上げることしか考えない守銭奴には、増税と緊縮で経済成長できるという明確なロードマップを示すよう要求したい。(500%無理だろうが)

西岡氏は、コラムの結びに、財政破綻につながるリスクイベントが2~3年先に迫っていると述べている。

彼女には、3年後になって日本財政が破綻しているか否か、ぜひ検証してもらいたい。
恐らく、彼女は、一向に破綻しない日本財政に業を煮やしつつ、「日本の財政状況は世界最悪、増税と歳出カット、構造改革は待ったなし」と3年前と同じ念仏を唱えているに違いない。

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