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2018年7月 9日 (月)

インチキ論者の好きなもの。「株価と為替に精神論」

世に経済論議は尽きないが、筆者は常々、経済を「株価・為替(通貨安政策)・精神論」で語るのはジャンクの証しだと思っている。

そうした要素は、いずれも、経済政策によって生じた景気状況が生む副産物か、経済論とは何の関係もない倫理観の問題でしかないからだ。

ジャンク論者がジャンクたる所以は、“雨水を集めれば”、あるいは、“天に生贄を捧げ一心に祈れば”、きっと雨が降るはずと妄信する自身の態度に何の疑問も抱かない点にある。

『バカでもできる円安目標』(5/27 アゴラ 池田信夫)
http://agora-web.jp/archives/2032855.html
『インフレ目標に行き詰まった日銀が、外債を買うという話が出ている。理論的には、黒田総裁が1ドル=200円にペッグすると宣言して米国債を買い、日本国債を売れば、円安・インフレが起こる。これはスヴェンソンが2000年に提案したバカでもできる方法(Foolproof Way)の応用だ。もちろん政治的には不可能だが、どうなるかは容易に予想できる。
1.円は暴落して200円に近づく
2.国債の相場も暴落する。
3.財政インフレが起こって物価が急上昇する
4.市中銀行が大きな評価損を抱えて金融危機が起こる
5.日銀が一転して市中銀行の売った日本国債を買い、米国債を売る
(略)
これはきわめて簡単なオペレーションなので、私が日銀総裁になってもできる。政府の実質債務も一挙に半減するので、一石二鳥である。インフレを起こすことだけが目的なら、誰でもできるのだ。」

リフレ派の支持を得て黒田日銀が長年続けてきた異次元の量的緩和政策(=事実上のインフレターゲット政策)は、物価目標達成時期を6回も先送りする失態を犯し、もはやその成功を信じる者はほとんどいない。

異次元緩和政策に対しては様々な批判があるが、最も声の大きいのが、「財政規律を弛緩させ、財政再建の足枷になる」という頭の悪い緊縮派の意見だ。

池田氏も緊縮派の一員として、たびたび日銀の金融緩和政策に対する批判を繰り返しており、上記コラムもそうした文脈から書かれたものだろう。

彼は、スヴェンソン理論を政治的に不可能だと小ばかにしつつも、極端な円安ペッグ政策を採れば「円暴落→国債暴落→ハイパーインフレ」が起きると断じているが、頭でっかちで実戦経験に乏しいエセ理論家はこれだから困る。

彼のようなジャンク論者は、すぐに、為替をいとも簡単に調整できるとか、為替レートの変動が物価を乱高下させるかのように騙るが、実体経済の舵取りはおもちゃを動かすように簡単にはいかない。

日銀の量的緩和政策の狙いの一つには、間違いなく為替の円安誘導があるが、黒田バズーカ発射当初こそ、二年半ほどの間に円ドル80円から125円まで円安誘導できたものの、その後は、日銀による国債買い入れ額増額やマイナス金利政策、アメリカの政策金利引き上げといったプラス要因があったにもかかわらず、最近のレートは110円くらいまで戻されており、為替水準が一国の政策程度で容易に操れるものではないことが解る。

また、池田氏はコラムの中で、スヴェンソン理論に乗じて日銀が1ドル=200円にペッグして米国債を買いまくれば、簡単に物価が2倍になる(インフレ率100%)ようなインフレを起こせる、と嘯いている。

だが、政策金利が40%(‼)にもなり、IMFからしょっちゅう借金しているアルゼンチンのような問題児ですら、近年のインフレ率は22~25%程度でしかない。(※アルゼンチンペソの対米ドルレートは、ここ15年で1/7に下落)

有り余るほどの生産力を有し、政策金利がマイナスに足を突っ込んでいる我が国で、どうやれば物価が倍になるのか、ぜひ教えてほしいものだ。

仮に、円相場が対米ドルやユーロで暴落したとしても、2017年度末で330兆円にも及ぶ我が国の対外純資産が円ベースで爆増し、世界一のお金持ち国家という日本の地位が、さらに揺るぎないものになるだけのことだろう。

池田氏が、量的緩和政策や円安誘導策を批判しながらも、それに乗っかって、ありもしない円相場の暴落や国債暴落論を吐き散らすのも、ハイパーインフレの脅威を煽り、国債の増発や発行残高の膨張に悪印象を与えようとする意図であることが明確だ。

彼みたいに、為替や株価、PB云々といった小手先のキーワードを弄るだけで、“国民の生活を良くしたい”、“日本企業を発展させたい”という魂の籠っていないエセ経済論の行き着く先は、常に「緊縮政策による国家の衰亡」でしかない。

彼は、スヴェンソン氏の提案を「きわめて簡単なオペレーションなので、私が日銀総裁になってもできる」と言い切っている。

つまり、日銀の量的緩和政策の延長線上で外債の無制限購入が可能だと認めており、それなら日本国債とて同じことだから、日銀による国債の無制限買取が可能=政府債務の無効化=無限の財出が可能という結論に行き着く。

池田氏は、常日頃、日本の借金問題に怯え財政支出に反対していたはずなのに、不用意にスヴェンソン理論に乗っかることで、我が国にはそもそも財政問題など存在しないことを自ら肯定してしまったようだ。

詭弁師の経済論に足りないのは、国民生活を良くしたいというまっとうな気持ちと、論理の一貫性である。

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