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2018年8月 6日 (月)

JRは再統合すべき

『JR北海道の苦境は一体どこに原因があるのか』(7/2 DIAMOND Online 枝久保達也/鉄道ジャーナリスト)
https://diamond.jp/articles/-/173703
「JR北海道の苦境が続いている。2017年度の連結決算は106億円の経常赤字となり、2016年度の103億円に続いて、2期連続で過去最悪を更新する大変厳しい結果となった。(略)
今年4月からJR北海道は経営再生に向けて、国土交通省、北海道、北海道市長会、北海道町村会、JR貨物との6者協議を開催している。6月17日に行われた第2回協議で発表された「経営再生の見通し」で、北海道新幹線の札幌開業が予定される2030年度まで国と北海道、沿線自治体に対して支援を求めたが、沿線自治体の財政状況は厳しく、財務省も長期の支援に難色を示しているという報道もある。(略)」

筆者も北海道へ出張する際に、年に何度かJR北海道を利用して広大な北海道を移動している。
ご存知のように、北海道の面積の広さは想像以上で、九州の二倍にもなり、北方領土を除いても、そこいらの都府県が軽く12~13個は入るくらい大きい。

空路で新千歳空港に降り立ち、そこから出張先がある釧路や北見、稚内、函館といった道内主要都市に移動するのだが、なにせ移動距離が300~600㎞にもなるから、特急列車を使っても4~6時間掛かり、ほぼ一日移動に費やされてしまい、訪問先の最寄り駅についた途端、仕事をする気も失せるくらいだ。

正直言って、JR北海道の特急列車に乗るのは苦痛でしかない。

運行本数の少なさに加えて、老朽化した車両の乗り心地はお世辞にも良いとは言えず、特に冬期間は空調調整が難しいのか、極端に暑かったり寒かったりと温度調節に苦労させられる。

おまけに、社内Wifiが未整備なのは当然として、電源プラグの類いもないうえに、路線の多くを占める山間部ではWifiどころかデータ通信や携帯の電波すら入らぬ場所も多い。

また、ほとんどの列車で車内販売が廃止され、飲み物や食べ物を買い忘れると、最悪6~7時間も飲まず食わずの苦行を強いられることになる

有り体に言えば、もはや乗車というよりも、単なるモノとして運ばれている感覚と表現すべきか…

元々、北海道の人は列車や飛行機よりも車で長距離を移動する方が多く、筆者の取引先の経営者も、そもそも列車を使うという考えなど毛頭なく、商用の際にも、道北地方の果てから札幌まで400㎞近い距離を車で飛ばして(平均時速は軽く100キロ越えだそうな)移動している。

本州のビジネスマンなら、新幹線や飛行機での移動が日常だが、道民の多くは、本数も少ないうえに雪害や水害、故障でしょっちゅう運休になる列車を当てにしていないようだ。

冒頭の記事では、万年赤字に苦しむJR北海道が、赤字路線の廃止を巡って道庁や自治体との折衝に苦労している様子が書かれているが、さもありなんといった感想しかない。

JR北海道の直近決算では、営業利益▲416億円、経常利益▲106億円とまったく冴えない。
同じくお荷物と言われてきたJR九州(営業利益639億円)やJR四国(営業利益▲117億円)と比べても著しく見劣りするが、なんといってもJR北海道の営業キロ総延長距離は約2,500㎞と群を抜き、その多くが峻烈な山間部や海岸沿いに配置され、冬には▲20~30℃にもなる凍てつく大地を走る都合上、除排雪作業も加わるから、保守点検に多大なコストが掛かるのは致し方なかろう。
むしろ、この程度の赤字で済んでいることに感心している。

JR四国も同じことだが、これだけの地理的あるいは人口集積面のハンデを背負わされたJR北海道が、そもそも黒字化できるはずがない。

JR北海道には黒字路線が一つもなく(※JR九州・四国は一路線のみ黒字)、輸送密度4千人未満の線区が営業キロ総延長の74%を占めているほど経営資源に恵まれず、この会社を黒字化できる経営者など、おそらくこの世に一人もおるまい。

幸い、JR東日本・東海・西日本の本州三社の決算を合計すると、営業利益ベースで1兆3,450億円、経常利益ベースで1兆2,570億円にもなり、JR北海道やJR四国の赤字など余裕で吸収できる。

元の国鉄みたいに一つに統合するもよし、NTTみたいに東と西の2社に、あるいは、NEXCOのように東日本・中日本・西日本の3社に統合するもよし。
いずれのケースでも、盤石な経営基盤を十二分に維持できるはずだ。

そうすれば、実りのないローカル赤字路線の廃止問題に貴重な時間や労力、経営資源を削ぐ必要もなくなるし、駄々をこねる自治体との折衝で社員が精神的に追い込まれることもない。

特に、JR北海道には、函館本線や室蘭本線、根室本線、釧網線などといった周回ルートを組める路線を多数抱えているのだから、国内外ともに人気の高い道産品や観光地とのコラボによるハイグレードな観光商品を打ち出すことも可能になる。

このままコストカットや路線カットばかりの撤退戦略だけに終始すれば、早晩経営はじり貧となり、日本一の観光地を縦断する公共交通機関を永遠に失ってしまう。

少なくとも、JR東日本と合併させれば、経常利益で4千億円を超える超優良企業の傘下に入ることができ、運行車両の更新や本数の増発といった攻めの経営に転じることができ、道内観光をより魅力的なものに変える力を持てるようになる。

北海道はお荷物だ、四国に列車なんて要らない、などと弱った部分だけを切り捨て続けていけば、国土は末端から空白化し、“領土はあれども人住まず”といった具合に地方から壊死してしまうだろう。

地方を蔑み切り捨てるのは容易いが、そうした愚かで無責任な行為が、やがて己の身を蝕むことに気付くべきだ。

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