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2018年8月 9日 (木)

国家を分断したがる輩

(※)お盆休暇のため、次回は8月17日(金)の予定です


政治の世界や論壇には、新自由主義者がウヨウヨ跋扈している。
実社会で揉まれた経験の少ない彼らの言葉は、一見勇ましく聞こえるが、どこか空虚で冷酷だ。

彼らはいつもリーダー気取りで、自分を一般人より上位に位置付け、他人を叱咤したがるが、社会の重しとなる核心的な課題には決して触れようとはせず、バカでも動かせる軽少な課題を、さも重大ごとであるかのように騒ぎ立て、それを攻撃する自分の地位を高めることに腐心する。

新自由主義者の刃は、常にか弱い民衆に向けられているのだが、当の民衆は眼前に突き付けられている刃先と脅し文句を「宣託」だと勘違いしているから手に負えない。

『「地方はもっと責任を引き受けろ」~東京都に"中核市"が少ない根本原因』(7/25 PRESIDENT Online 橋下徹/前大阪市長)
http://president.jp/articles/-/25672
「(略)待機児童問題解消のための保育士増、教員の負担軽減のための教員増、いじめ問題に対応するスクールカウンセラーの増員、治安維持のための警察官増、領海を守るための海上保安官増……とにかく人員増のオンパレードだ。
人を増やすことに表立って反対する人はいないだろう。そして無責任な政治家、自称インテリ連中は、そればかり言う。問題は、カネ・財源をどうするか、である。(略)
何か問題があるたびに、政府が旗を振って、人員増の対策を進めれば、政府の予算は無限に膨張していく。しかし日本にはそこまでの余裕がないし、もっと違うところにカネを使わなければならないという優先順位もあるはずだ。(略)
この国を適切に引っ張っていくための組織マネジメントとして最も重要なキーは、中央政府と地方自治体の仕事の役割分担を明確化し、地方自治体がやるべき仕事については、首相や中央政府が、「それは地方の責任だ! カネの用意も含めてしっかりやれ!」と地方を突き放すことである。」

国家運営を、「中央vs地方」という二項対立や上下階層の分断視点でしか考えられないド素人は、あらゆる課題や問題を“カネ不足”と“やる気の問題”で片づけたがる。

大阪府の経済力は1970年の万博以降下降の一途を辿り、長期的地盤沈下が叫ばれて久しく、大阪府がとりまとめたレポート「大阪の改革を評価する(報告書)2014年9月」でも、
●今や大阪は、低所得者の割合が他都市に比べてかなり高く、犯罪、雇用、離婚、自殺などの社会指標も軒並み全国ワーストレベルにある。加えてこれらが複合して、他の指標を一層悪化させるという悪循環に陥っている(いわゆる「大阪問題」)。
●社会問題の深化と拡大と同時に、都市の経済力や財政力も低下・・・府庁・市役所も次第に余裕を失い、状況対応に追われ、抜本策が打ち出せないままに、都市問題が一層深刻化。
と強い危機感をもって総括されているが、そういった状況は今でも一向に改善されていない。

帝国データバンクの調査(1994年→2014年)による企業本社数(従業者50人以上かつ資本金又は出資金3,000万円以上)の推移を見ると、東京都が約5,600社→約8,500社と右肩上がりなのに対し、大阪府は3,000社前後でほぼ横ばいという体たらくで、その間に東京都へ200社、隣県の兵庫県へ120社余り流出するなど、首都との格差は開く一方だ。

大阪が地盤沈下の泥沼から抜け出せないのも、「地方は中央に甘えるな」、「必要な金は地方が自分で稼いで来い」と叫び散らす無能知事や無能市長を甘やかして当選させ続けてきた報いだろう。

橋下のバカが決定的に見落としているのは、
①カネを惜しみ財政再建を優先するあまり、諸課題・諸問題解決がもたらす国民的な福利や厚生の向上を蔑ろにしていること
②行政機構を「中央vs地方」という対立構造や上下階層でしか理解していないこと
③カネ(貨幣)を創造し、津々浦々に流通させるのは、国家にのみ負託された大権であるが、それをまったく理解できていないこと
の3点だろう。

橋本のバカは“児童相談所の体制強化、待機児童問題解消のための保育士増、教員の負担軽減のための教員増、いじめ問題に対応するスクールカウンセラー増員、治安維持のための警察官増、領海を守るための海上保安官増…”等々を例に挙げ、「人を増やせというのは簡単だが、予算(カネ)はどうするんだ?」と息巻いている。

しかし、「財源をどうする」、「予算がないぞ」というセリフは、山積する諸問題を放り出したいだけの無能なクズの常套句だ。

カネが無いなら国家が必要なだけ造ればよいだけのことだ。
最も大切なのは、問題や課題を一分でも早く解決できる人材を育成することや、必要な法整備を施し、行政手続きを改善してやることだ。

児童虐待によりただでさえ貴重な幼子の命が奪われるのは、もはや国家的損失と言えるが、マスコミ連中は児童相談所の手落ちを責めるだけで、法整備や人員増といった根本的な問題解決にまで手を付けようとはしない。

こんなありさまでは、この先も悲運な幼子は見殺しにされ、放置されるだけだろう。
「中央に頼るな。地方で何とかしろ」とほざくバカ者の自尊心を満たしている間にも、貴重な人命が次々と踏みにじられるのだ。

カネさえあれば人員を確保できるのに、敢えてそれをせず、地方の自助を強要し、くだらぬ根性論を押し付けるバカの論に正当性は一mmもない。

そもそも、中央(政府)が地方にカネをめぐんでやるという意識が根本的に間違っている。

広大な日本という国家を統治し運営・発展させるためには、“中央にカネを集め、中央が権限を握り、もったいぶって地方にカネを恵み、箸の上げ下げまで事細かに指図を出す”という構図ではダメだ。

本来、行政に中央も地方もない。

島根県庁は、たまたま日本国の山陰地方にある島根という地域の行政を、大田原市庁は、たまたま日本国の北関東地方にある栃木県大田原という地域の行政を司る役割を担っているだけで、国家の一部であることに何ら変わりはない。

各々の地方行政機構を「一地方」だと切り捨て、カネは自分たちで用意しろなんて幼稚なセリフを吐くのは、右手の人差し指や大腸に向かって「お前たちに喰わせる飯はない」、「栄養分や血が足りないなら、自分たちで何とかしろ」と言い放つようなものだ。

新自由主義者という人種は、得てして国家観が皆無で人間(他者)を嫌っている。

彼らは、他者の幸福を嫉み、その不幸に無上の快感を覚える人非人だから、他者の苦境を救うカネなど、たとえそのカネが自分の懐を痛めるものではなくとも、ビタ一文使う気はない。

カネ(貨幣)なんて、国家がその気になれば幾らでも創れる程度のモノに過ぎない。
そんなものを後生大事に崇めるよりも、国民に多大な不幸とストレスを課し続ける社会問題を解決する方が、国民にとって遥かに莫大な利益をもたらすだろう。

この程度の理屈すら理解できない新自由主義者のバカどもは、社会常識を叩きこむため初等教育からやり直させる必要があるのではないか。

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