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2018年9月11日 (火)

節電は残業禁止から

『計画停電、11日まで実施せず 綱渡りの発電は長期化も』(9/9 朝日新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180909-00000058-asahi-soci&pos=4
「地震に襲われた北海道の電力需給は、綱渡りの状態が長引く恐れが強まってきた。大規模停電の発端となった道内最大の火力、苫東厚真(とまとうあつま)発電所(厚真町、165万キロワット)の復旧の見通しが依然、立たないためだ。
 世耕弘成経済産業相は9日夕、2割の節電を道民と企業に改めて呼びかけた。(略)」

世耕大臣の呼びかけ内容は「北海道の皆様への節電のお願い」(経済産業省)なる資料に記されている。
【参照先】http://www.enecho.meti.go.jp/category/others/setsuden/pdf/onegai.pdf

同資料の冒頭には、節電要請のポイントが次のように説明されている。

●9⽉の平⽇では、電⼒需要が増加するのは8:30〜20:30(節電コア時間帯)であり、この時間帯に最⼤限の節電をお願いします(他の時間帯の節電は効果がありません)
●⼤規模停電を避けるため、節電コア時間帯に道内全域で平常時よりも1割程度の節電(東⽇本⼤震災後の節電⽬標並み)が不可⽋です
●⽼朽⽕⼒発電設備の故障等のリスクや、病院・上下⽔道等の節電困難な施設があることも踏まえ、家庭・業務・産業の各部⾨に対し、節電コア時間帯(平⽇8:30〜20:30)において平常時よりも2割の節電を⽬指すことをお願いします

資料を読んだ後の率直な感想は、
①平常時比2割の節電目標は相当に厳しい数値である
②家庭部門ばかりに節電負担を押し付け、エネルギー消費量が圧倒的に多い産業部門への呼びかけを意図的に弱めていないか?
といったところだ。

確かに、家庭では無駄にTVを垂れ流し、人のいない部屋の電気を点けっぱなしにしていることも多く、そうした無駄を細目にチェックすればある程度の節電は可能だろう。

だが、既に家庭部門は長引くデフレ不況下で、他人から言われなくても節電を余儀なくされており、家庭部門全体のエネルギー消費量(※消費電力量とは異なるが解りやすい目安として取り上げる)は、2005年/2,205PJ→2013年/2,012PJへと9%近くも減っており、これをさらに2割減らせというのは相当無理がある。
【参照先】http://www.enecho.meti.go.jp/statistics/total_energy/pdf/stte_018.pdf

優秀で真面目かつ努力家に、さらに努力せよと強要するようなもので、言う相手を間違っていないか?

この傾向は、企業・事業所部門や運輸部門とて同じだが、敢えて高レベルの節電要請を行うのなら、やはり、部門別最終エネルギー消費量で62.5%(2013年)もの圧倒的なシェアを占める企業・事業所部門、中でも構成比の大きな製造業(42.4%)と第三次産業(18.1%)に対して、最優先で節電要請をすべきだ。

家庭部門のシェアなんて全世帯合わせても14.4%しかないのだから、個々人の節電効果なんて高が知れている。

経産大臣が真っ先に節電を訴えるべき相手は企業部門であり、節電要請の内容も照明や空調、OA機器の調整や電源オフといったチマチマしたものではなく、残業禁止や就業時間短縮に踏み込むべきだろう。

経済産業省の資料には、19;00前後が電力需要のピークと明記されており、残業禁止や就業時間削減の節電効果は大きく、実施する意義や合理性が十分認められる。

なのに、政府や自治体、マスコミの連中は、家庭部門向けの節電努力ばかりを訴え、企業サイドへの配慮を滲ませたつもりか、残業禁止や早帰り促進を訴える者は誰もいない。

今回の節電要請は、ワーカホリックの日本人に残業を止めさせるよい機会だから、働き方改革とやらに魂を入れる意味合いも込めて、政府は企業部門に対して残業の自粛や禁止をきちんと呼びかけるべきだ。

そして、働く側の人間も、“残業は必要悪”、”無償の労働奉仕は善“、”労働の価値は質より量“という悪しき慣習を改め、効率的な働き方への意識改革を図ってもらいたい。

筆者も銀行員時代に、さんざん無駄な残業に付き合わされたが、正直言って残業タイムに処理する業務なんて、業務日誌のまとめや大蔵省検査や日銀検査対応の資料作りといった事務作業ばかりで、まったく付加価値を生んではいなかった。
要は、周囲の目を気にして嫌々やらされる付き合い作業に過ぎず、収益に直結する行為と言える代物ではなかったのだ。

いまも日本のあちこちで無駄で悪質な残業が罷り通っていることだろう。
そんな下らぬ作業に貴重な労働力を割く必要などない。

家庭への配慮や明日の業務への英気を養う意味でも、業務は契約時間内に終了させることを当然とする習慣を身につけたいものだ。

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