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2018年10月25日 (木)

財源問題に生産性なし

10月1日は大手企業の内定式が行われたが、台風24号の通過と重なり地域によっては大きな混乱があったようだ。

来春に正式な入社式があるんだから、わざわざプレ入社式みたいな面倒くさいイベントをやらなくてもよいのにと思ったが、筆者も、平成バブルが最後の輝きを放っていた時代に内定蹴り防止のために強行された銀行の内定式に足を運んだことを思い出した。

当時の初任給は19万程度だった記憶があるが、最近のデータを確認すると平成バブル崩壊後の初任給水準はほとんど横ばいで、2017年の大卒男子の初任給は20.8万円しかない。
【参照先】http://www.garbagenews.net/archives/2308473.html

最近の就活は、アパートで居眠りしていても企業からOB面接の誘いの電話がひっきりなしにかかってくるほど大甘だった筆者の時代とは比べ物にならぬほど艱難辛苦を伴う(※いまの学生は当時より格段にレベルが高い)のに、四半世紀以上も昔とほとんど変わらぬ初任給しかもらえないのは間尺に合わない。

大手企業の経営層は、やたらと即戦力とかグローバル人材とか、世に出る前の学生に無理な注文を付けたがるが、そんな都合の良い人材が安月給で雇えるはずがなかろう。

自分たちが若い頃は、先輩に手取り足取り仕事を教えられ、業務上のミスや失態の尻拭いもやってもらい、会社のカネで酒だ、ゴルフだ、○○手当だと散々楽しんだことをすっかり忘れ、人口動態的にも貴重な存在である若手人材にろくな給料も払わぬようでは、経営を語る資格などない。

マクロ的視野で見ても、この先しばらくは労働人口の減少を避けて通れぬ以上、労働者、とりわけ若年層の人材育成やスキルの高度化が不可避であり、正当な対価として、さらに、彼らの意欲向上のためにも、大幅な名目所得UPと減税や社会保険料負担軽減による実質所得UPの両面からサポートする必要があるだろう。

だが、政財界の動きや論壇の潮流は、若者世代の所得向上よりも財政再建や増税、社会保障改悪に強い興味を抱いている。

『消費増税のあとは』(10/3 日経新聞「大機小機」 執筆者:一直)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO36047670S8A001C1EN2000/
「最近の発言を踏まえると、安倍晋三首相もさすがに来年秋の消費税率引き上げは公約通り実行するだろう。問題はそのあとだ。財政再建に向けて税制の姿をどう描くか。筆者は、消費税から所得税に軸足を移すべきだと考えている。
消費税導入の背景は、世代間の負担の不均衡だった。生産年齢人口の減少が見込まれるなか、社会保障費を使うのは高齢者、負担するのは所得税を納める現役世代という構図のままでは、財政がもたない。(略)」

一直氏のコラムは、所得税の最高税率引き上げや累進課税の強化を訴えるニュアンスだが、代わりに消費税(間接税)の減税を求めているわけではない。
あくまで「財政再建という大目標達成」が第一だというスタンスを維持しつつ、消費税増税で相応の成果を得たから、次は所得税引上げに着手すべきという主張なのだ。

筆者も高額所得者の所得税率を引き上げることに反対はしないが、それ以前に、消費税の廃止や低中所得層向けの定率減税、社会保険料負担の軽減を強力に進めるべきだ。

拙ブログでいつも述べているが、社会保障制度(医療・介護・年金・生活扶助)は、国民が誰しも等しく享受すべきセーフティネットであり、人類が選択した社会生活の果実とも言えるから、社会保障財源を問題視して過重な国民負担を求める方がおかしい。

本来、政府や厚労省が努力すべきは社会保障制度の充実や、それを支える関連業界への財政支援や人材育成支援であろう。
そうしたコアな政策を放棄し、財源問題ばかりを槍玉に挙げて消費増税を断行し、社会保険料や医療費負担を引き上げ、年金支給開始年齢を遅らせる悪政に熱中してきたのは、歴代政権の大きな失態と言える。

社会保障制度の維持向上に必要な財源を、税や社保料といった国民負担に頼り切る発想は完全に時代遅れだ。
そんなものは、順調な経済成長の下で人口ピラミッドがきれいな富士山型を形成する社会でしか実現し得ない。

我が国は少子高齢化が進み、厚労省の資料によると、2065年には人口8,800万人のうち65歳以上が全人口の38%にも達するそうで、高齢者や被介護者をサポートする社会保障ケアの充実は国民的ニーズの高い最重要テーマになることは間違いない。

さらに、サラリーマンの平均所得は20年以上もダダ下がりなうえに労働人口自体が減少する社会機構を直視すれば、これまでのように国民から税や社保料をふんだくり、それを頼みとする社会保障財源の在り方を根底から変える必要がある。

サラリーマンの給与明細を見れば、ただでさえ低額な総支給額から、多額の税や社会保険料がもっていかれ、手取り収入は総支給の八掛けくらいに減っているのが判るだろう。
この漏出を徹底的に抑え込み、労働層の実質所得を大幅に引き上げるためにも、国債発行や紙幣増刷を以って社会保障財源を賄うよう発想を大胆に転換すべきだ。

政策遂行に必要な財源を、税をはじめとする国民負担に求めるのは、あまりにも時代遅れな原始的因習だ。
政策サイドの人間は、財源捻出という一欠けらの生産性もないくだらぬ問題に頭を悩ますのではなく、政策の中身の充実に労力と才能を投じた方が国民の幸福度や社会的効用は遥かに上がる。

財源問題が社会を発展させ、国民生活を向上させることはない。
人口動態の変化により深刻な労働人材不足に直面する我が国で、いま求められるのは聖域なき歳出カットとは真逆の“聖域なきバラマキ”である。

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コメント

人口減に対して経済成長なし!!
と心底思い込んでる輩が多すぎ。(これも老害世代)

若者、これこそ気骨のある輩に言おうもんあら叱責ものなのですが。
昔は良かったも同じかな。

ノーベル医学生理学賞受賞の本庶佑 氏は基金を設立し、生命科学分野の若手研究者を支援する考えを明らかにしたとありますが、素晴らしいですね。

>でぶぞーさん

仰るとおり、たとえ人口減でも経済成長は十分可能です。
成長したくない連中が、面倒くさがって日本成熟論を
口にするのは本当に腹が立ちます。

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