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2018年12月27日 (木)

来年こそは積極財政による経済改革を!

『ポケベル電波は「防災無線」で生き続ける 「文字通信の強み、最大限に発揮」』(12/3 ITmedia)
「ポケベルを使った無線呼び出しサービスが、来年9月に終了する。全国で唯一、サービスを提供している東京テレメッセージが12月3日、終了を決めたと発表した。同社は、利用者が1500人を下回っていることに加え、「防災無線サービスに経営資源を集中するため」と説明している。(略)」

筆者は、学生時代から銀行員時代を含めて、ポケベル(ポケットベル)を使ったことも、実際に目にしたこともないが、ポケベルが登場から50年も経過していたこと、サービスが継続していたこと、未だに1,500人も利用者がいたことに驚かされた。

ポケベル終了のニュースを聞いた現在の職場の同僚は、「懐かしいねぇ。若いころ、よくあんな不便なものを使っていたよなぁ…」、「あと10~20年経ったら、スマホを懐かしむ時代が来るのかな??」と感慨深げだった。

しかし、彼の様子を見た筆者の頭に浮かんだのは、このまま40~50年も不況が続けば、逆に「昔はスマホとか、インターネットを自由に見れる便利なものがあったらしいね」と過去を羨むだけの時代が来るかもしれないという、どんよりとした不安だった。

たしかに平成時代の大半は不況まみれの陰鬱な時代だったが、経済や科学技術が高度成長を遂げた昭和の遺産のおかげもあり、電気や情報通信、化学、機械、農業、医療、などといった分野の飛躍的な技術発展の恩恵に浴することができた。
(それゆえに、昔より便利な生活を送れるからと不況容認論を唱えるバカも後を絶たないが…)

だが、我々がかろうじて享受できた昭和の残滓も、そろそろ底を尽きかけている。

平成中期以降の度重なる経済失政は“失われた20年”という世界でも稀有な長期不況をもたらし、内需が徹底的に破壊された結果、我が国の強みである供給力(=国富)は骨粗鬆症にも似た崩壊の瀬戸際にある。

すなわち、製造拠点やコア技術の海外流出、少子化による歪な生産年齢構成と技術継承の断絶、科学技術予算の縮減による知財や技術力の低下、無就業人口の増加による生産スキルの低下といった内部破壊により、もはや回復不能ともいえる大きな傷を負ってしまった。

日本人は、あと何年間、“昔はあんな不便なものでよく我慢していたよね”と過去を笑える贅沢を味わえるだろうか? 筆者は非常に悲観している。

このまま不況が永続化すると、我が国は先進国から後進国(=後退国)へ転落を余儀なくされ、技術発展の針は逆回転し始めるだろう。

我々の生活を豊かで便利なものにしてくれた電気製品や情報通信機器、物流サービス、娯楽サービスなどは、過去に存在した“空想上の贅沢”と化し、「過去は羨むべきもの、未来は絶望するしかないもの」という悲惨な時代が現実化しかねない。

技術発展の針を逆回転させぬためにも、緊縮思想という忌まわしい“麻薬”とは完全に手を切らねばならない。

平成不況のという麻薬中毒を悪化させた真因は、「緊縮・改悪・規制緩和の三バカ政策による大規模な需要不足のせい」というのは誰の眼にも明らかであり、薬中患者を更生させるには、緊縮主義や新自由主義という『麻薬』の誘惑を断ち切り、積極的な財政金融政策という『厳しい更生プログラム』を課すしか効き目はあるまい。

だが、麻薬患者を更生させるのは容易ではない。
いっぱしの識者を気取る連中の中にも、麻薬に魅入られ、不況というトランス状態に溺れて治療を頑なに拒む心の弱いメンヘラさんがうようよいるものだ。

『再考すべき増税対策』(12/11 日経新聞「大機小機」)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38764620Q8A211C1EN2000/

上記コラムの担当執筆者である魔笛氏は、
「そもそも財政の役割とは、政府が国民から税金を集め、公共のために使うこと」
「せっかく国民から集めた税金の使い道は、その場だけの増税緩和策といった狭い了見からではなく、全ての支出の優先順位を熟慮して決めるべきだ」
「消費税は一時的な駆け込み需要と買い控えを起こしても、中長期的には影響しない」
といった具合に、増税断行論と悪影響緩和策不要論を唱えている。

彼が言いたいのは「財政再建のため、国民を甘やかさず完全なる消費増税をやり遂げろ」の一言だろう。
まさに、緊縮思想という質に悪い麻薬に骨の髄まで侵された重度の薬中患者だ。

そもそも、財政の役割をまったく勘違いしている。
財政政策とは、税の集金と再配分だけを指すのではない。

財政の役割は、国民生活の向上を図り、国家を強靭化するために必要な、
・社会インフラの維持更新
・医療、介護、福祉、教育サービスの高度化
・基盤となる食糧やエネルギーの開発や確保
・産業力強化のための基幹産業の育成やそれを支える技術企業群の保護
・科学技術力養成のための研究人材育成
等々の政策を行うために必要な財源を絶えず供給し続けることに尽きる。

それらに必要な財源(=貨幣)は、何も税金ばかりではなく、国債発行でも紙幣増刷でもよい。
何より優先すべきは、政策をスピーディーかつ永続的に実行し、国民生活の満足度を上げ続けることだから、財源問題など二の次、三の次でよく、消費や投資への懲罰でしかない「税」など最小限で構わない。

よって、支出の優先順位云々などセコい了見から財政を騙るのは経済の基本を知らぬド素人に過ぎぬ。
支出項目に優先もくそもない。過度なインフレにならぬうちは、聖域なきバラマキで家計や企業といった民間経済主体の成長期待を刺激し続ければよい。

火も点かぬうちから火消しのことばかり気にするバカのせいで、国民を凍えさせてはならなぬ。

また、魔笛氏は、消費税が中長期的には消費に悪影響を及ぼさないと断言しているが、まともな神経の持ち主なら、これを鵜呑みにする者はおるまい。

彼は、平成期の家計所得(サラリーマンの平均給与)や消費支出の推移のデータをとくと眺めた方がよい。
長期不況下で消費に重いペナルティを課す悪税が、消費にブレーキを掛けなかったか否か、じっくり確認すべきだろう。

緊縮麻薬は正常な経済観を麻痺させ、中毒患者は、成長より後退を、幸福より苦労を、収益より負担を、健全より退廃を尊ぶようになる。
こうなっては人間もお終いだ。

来年も引き続き、緊縮志向のバカバカしさを説き、積極的な財政金融政策による『経済改革』を強く訴えていきたい。

今年のエントリーは本稿が最後になります。
今年も一年間、拙ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございました。
読者の皆様も、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

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コメント

お疲れ様でした。

麻薬患者を更生させるのは容易ではない。
そのとうりですね。

嫌な予感、道まっしぐら、いやはや、なんとも。疲れた年でした。

私たちの子孫が必ず再起し、あるいは三起する。
永野修身元帥の言葉かな。 

申し訳ないと思う気持ちと、悔しさ。これにつきる年でした。

>でぶぞーさん

こちらこそありがとうございます。

普段は政治や経済に関心が無い層でも、一旦刷り込まれた思い込みは、なかなか抜けないものですね。

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