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2019年4月 8日 (月)

政府支出の清濁にこだわる勿れ

ついこの間、ネット上で、“アベノミクスで雇用爆増! 景気もついにいざなぎ・いざなみ超え 安倍ちゃん大勝利‼”と叫んでいたバカを多数見かけたが、現実は冷酷だ。

『30、40代「貯金ゼロ」が23% SMBCの金銭感覚調査』(毎日新聞)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190306-00000074-mai-bus_all
「 SMBCコンシューマーファイナンスは6日、30~40代の金銭感覚に関する調査結果を発表した。「現在の貯蓄額がゼロ」と答えた人が前年比6ポイント増の23.1%になり、平均貯蓄額も同52万円減の195万円に低下。同社は「景気回復が働き盛りの賃金上昇につながっていない」と分析している。(略)」

調査を行ったSMBCコンシューマーファイナンスは、
「貯蓄額の調整平均は2018年247万円→2019年195万円と、52万円減少しています。
貯蓄ができていない人が増え、貯蓄額が減っていることから考えると、30代・40代では貯蓄にあてるぶんのお金を消費にまわしたという人が増えたのではないでしょうか。
調整平均額の変化を年代別にみると、30代では2018年198万円→2019年194万円と大きな変化はみられなかったのに対し、40代では2018年316万円→2019年196万円と、120万円の減少となりました」
と分析している。
(※上記文中の年表記は、調査時点の表記を基にしているものと推測される)
【参照先】http://www.smbc-cf.com/bincan-station/antenna/11.html

母数のばらつきによる影響もあるだろうが、平均貯蓄額が52万円も減っているのには愕然とさせられる。
特に、働き盛りの40代の貯蓄額が120万円も激減しているのは“驚愕”の一言に尽きる。

調査では、「30代・40代では貯蓄にあてるぶんのお金を消費にまわしたという人が増えたのではないでしょうか」と、貯蓄から消費への行動転換を予想しているが、総務省のデータを見ても、1か月当たりの消費支出額の伸びは、2017年/283千円→2018年/287千円と、たったの4千円(年換算で4.8万円ほど)でしかなく、貯蓄額の大激減とはまったく見合うものではない。

また、同調査でお金の使い方に関する質問をした結果、
<無理をせず、買える範囲で良いものを選びたい>
30代の87.8%、40代の89.0%が「そう思う」と回答
<購入検討する際、同じ商品群・サービスの中で「最安値」のものは必ずチェックする>
30代81.4%、40代80.6%が「そう思う」と回答
といった具合に、消費に対してかなり慎重な姿勢をとっているのが判る。

これらを勘案するまでもなく、周囲の同世代の知り合いのお金の使い方を見れば、貯蓄が減ったのは消費を増やしたせいという珍説はどう見ても大間違いだ。

いまの40代前半は、いわゆる就職氷河期世代で定職に就けず、30代は、物心ついた時からずっと不況で、“明日は今日より悪くなるかもしれない”という不安感を抱えて生きてきた方が方も多く、消費に楽観的な考えを持つ人種ではない。

現に、30代・40代の平均年収の推移をみると、
30代前半男性:1997年/513万円→2013年/438万円
40代前半男性:1997年/645万円→2013年/568万円
と激減する一方で、税金や社会保険料などの国民負担率は右肩上がりで増えているから、とても貯蓄どころではないし、消費を増やす余裕など何処にもないだろう。
【参照先】
https://nensyu-labo.com/nendai_30.htm
https://nensyu-labo.com/nendai_40.htm
https://www.mof.go.jp/budget/topics/futanritsu/sy3002a.pdf

生産活動や消費活動のコア層がこんなありさまでは、先が思いやられる。
一番カネの掛かる年齢層の収入がガタ減りし、満足に貯蓄もできぬようでは、未婚率が上がり、少子化に歯止めが掛からず、各地で住宅が売れ残るのも当然だ。

今年の春闘賃上げ見通しは平均で6,820円(2.15%)、ベースアップ実施予定は4割未満と、収入UPの兆しはまことに微々たるもので、大手企業ですらこの体たらくだから、ごまんといる中小零細企業の賃上げなど望むべくもない。

こうした惨状を見るにつけ、国民の所得引き上げや消費力の補強が急務であると思い知らされる。
一日でも放置すれば、それだけ、我が国の需要力は瓦解へと歩を進めるだけだ。

以前のエントリーでも述べたが、国民全体の実収入を増やすために、
①家賃負担に該当する一人当たり月3~4万円の生活向上給付金の支給(BI政策)
②社会保険料の国庫負担割合を増やし、家計・企業負担を半減
③消費税の廃止
④幼児教育~高等教育までの授業料を無償化(大学は学費を半減)
⑤医療費負担割合を1割負担へ引き下げ
といった大規模な財政政策を行い、国民の実質収入を大幅に引き上げるべきだ。

むろん、これと並行して裁量経費支出を現状より20~30兆円ほど増やして民間経済主体の生産活動を刺激するとともに、政府が消費や投資への積極姿勢にコミットする必要がある。

事ここに至っては、「給付金は怠け者を甘やかすだけ」、「BIみたいな労働なき所得再配分は生理的に受け付けない」云々とさもしいことを言っている場合ではない。

我が国の国富が「生産力・労働力・技術力」といった“モノやサービスを創り出す力”であるのは間違いない。
しかし、国富に栄養を与え強靭化できるのは、モノやサービスを創り出す力ではなく、“モノやサービスを消費する力”だけなのだ。

「カネなくして技術は立たず、技術なくしてカネは無用のものとなる」

カネが生み出す需要のパワーを蔑むバカ者は、カネがなくとも技術は育つという空想論を唱え、国富の何たるかを一mmも理解しようとしない“頭の中が空っぽなフリーライダー”でしかない。

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